やっぱりさ、このままじゃダメでしょ!
ってことで、前回のブログの反省も含め改めて観なおしました。
呪怨~ビデオオリジナル版~
うん、やっぱりね、多少の記憶違いがありますね。
そして…最怖ってフレーズ…うん、確かに15年も前に観てたら最怖だったホラーですね。
改めて観なおしてみたら、正直、子供だましホラーですね。
だって仕方ないよね。
10年以上も昔の作品なうえに低予算のVシネマだもん。
CGとか特殊効果なんかは……雀の涙程度です。
ただ、ストーリー展開は最高ですね。
とにかく芸が細かいです。
はい、ネタバレ注意報!!!
ビデオオリジナル版
大きく分けて、3つの物語で展開します。
①小林先生の話
②村上一家の話
③不動産屋の話
展開的には
①小林先生の話の前編(普通の俊雄くん登場)
②村上一家、親戚のお姉ちゃん失踪のお話(いきなり怖いカヤコ登場)
③村上ツヨシくんの彼女、瑞穂ちゃん失踪の話(怖い俊雄くん登場)
※瑞穂ちゃんは栗山千明さんです!制服姿で登場です!
④村上カンナちゃんの猟奇的殺害事件
⑤小林先生の話の後編(怖いカヤコ登場)
⑥不動産屋の兄妹の話
これらの物語が短編オムニバス形式で、70分という短い時間で展開されていきます。
でもね、とにかくスゴイですこの展開!!!
「呪われた家」という場所を中心に各物語が全て繋がっていきます。
①小林先生の話前編では、「佐伯家」で何か不穏な事が起こったことが暗示されます。
まずは小林先生が新婚で奥さんが妊娠中、大学の同級生の川又カヤコ(旧姓)の息子、佐伯俊雄が不登校だってことを分かりやすく紹介。
※ビデオ版の演者さんはみなさん演技が上手いです!!!
さて、佐伯家で最初に登場するのは「まーのおはか」だね。
佐伯家の庭の片隅に「まーのおはか」と書かれた木片が転がっています。
そして生き物の死骸を埋めた跡(上手に埋められてなく腐敗している)
さらに、バラバラに破られゴミ箱に捨てられた佐伯家族の写真。
破られた写真をつなげるとカヤコの顔だけがありません……。
口を大きく開いて猫の鳴き声を発する俊雄くん。
そして、二階の窓に一瞬だけ映るカヤコの姿……。
全てがこの先の話に少しずつシンクロしていくんだよ。
②村上家の親戚のお姉ちゃんが失踪、ここの展開は感動的に素晴らしいです。
郵便ポストに届く佐伯剛雄宛の間違い郵便。
ここが「あの家」だと分かります。
天井裏の奇妙な音に気が付くお姉ちゃん(実は元カヤコの部屋だと後の展開で判明)
村上カンナちゃんが「うさぎの飼育当番だったの忘れてた!」と出かけていきます。
「そうそう、お兄ちゃんに彼女できたんだよ!み・ず・ほ・ちゃ~ん」と出かけ際に兄をからかうカンナちゃん。
「いがいと美人だよ、一度だけ遊びに来た!」と彼女が家に来たことを口にします。
そして、カンナが居なくなったあとに部屋の中で起こる恐怖!!!
これは、映像的な怖さじゃなく、後で思い出した時の恐怖を煽る演出だね。
……再生してるCDの奇妙な音飛び。
実際にイヤホンして音楽を聴く人なら思い出してゾッとする演出ですね。
そして……天井裏の奇妙な音(カヤコの発する不気味な「あああああ」って声ね。ただしこの時点では音の正体は不明)
実はここで、時間軸の狂いという後の呪怨にも登場する手法が登場します。
天井裏の怪奇音を恐れて部屋を出ると、別の時間軸の廊下に繋がってたって……あれね。
③村上ツヨシくんの彼女、瑞穂ちゃんの話
実はこれ、一度でも家に入ると死ぬって設定のお話なのです。
学校の校舎の前にツヨシくんのカバンと自転車が置かれてます。
※ツヨシくんの失踪は別シリーズ(呪怨じゃありません)で登場します。
瑞穂ちゃんはその自転車の近くで謎の携帯電話を拾うんだね。
下校時間が過ぎてもツヨシくんは現れず、瑞穂ちゃんは見回りの先生にみつかり職員室に連れていかれます。
先生がツヨシくんを探しに校舎の見回りに行ったあと、瑞穂ちゃんは電話をします。
この時点では誰に電話したかは明確に表現しないけど(相手の声も聴こえないし)ツヨシくんの家に掛けてるってのは理解できます。
「まだ…帰ってないですよね」って言ってます。
実はこの電話、そのまま次の④に繋がっています。
そして、またまた出ます!恐怖シチュエーション!
机の上のライトスタンドのスイッチのON・OFFを繰り返し(退屈そうに)ていると、いきなりライトが点かなくなっちゃう!
テーブルの下を見るとコンセントが抜けている???
目線の先を白い子どもの足が走り抜け、職員室に子どもの走る足音が響く!
いきなり机の上の携帯が鳴り出す!
恐る恐る机の下から手をのばすと、机の上に子どもが立っててその足に手が触れる。
でも、見ると誰も居ない。
電話の着信番号は4444444444!
電話に出ると猫の鳴き声!
突然、誰かに腕を掴まれる!
視線を降ろすと、白塗りの俊雄君がニヤリ。
まさに神がかった流れるような恐怖演出です!
④カンナちゃんの猟奇事件
これは、今までの展開とはちょっと手法が違います。
場所は司法解剖の部屋か死体安置所か?
女子中学生の惨たらしい遺体が発見されたという刑事と監察医の会話です。
第三者の関与は考えられないが、尋常じゃない形で体がねじ切られている死体……。
そして、もう一つ別の人間のアゴ……。
そして、被害者の女子中学生と一緒に「うさぎの飼育当番で学校に来ていた村上カンナの写真です」と資料を出す刑事。
一方、村上家では買い物から母親が帰宅。
郵便ポストには佐伯剛雄宛の手紙……。
「カンナ―」「ツヨシ―」と呼ぶが返事が無い。
そこへ電話(やりとりの内容で③の瑞穂からの電話だとすぐに分かります)
そこへカンナが帰宅……明らかに……血塗れ!
顔は映しません……。
「か……カンナ?」
カンナちゃんがゆっくり振り返ると……アゴが無い!!!
⑤小林先生の話後編
村上家の恐怖話で一気にホラーモードになった状態だと、全てが不気味に見える話ですね。
そして相変わらず細かい演出。
「え?誰か来た?」奥さんと電話でのやり取りで小林先生が言う台詞。
実はこれ、訪問者は佐伯剛雄なんだよね、この後、奥さんは殺されちゃいます…。
その他の色々な伏線は呪怨ビデオ版2および劇場版に持ち越されます。
「おとうさんはまーを殺しちゃった」って俊雄くんの台詞。
前編に登場した「まーのおはか」ですね。
しかもこの会話、ほとんど聞き取れないレベルで、誰も居ないはずの部屋の中から聴こえる会話なんですね。唯一ハッキリ聞き取れたのが「まーを殺しちゃった」って台詞ね。
そして、前編で何気なく登場する経歴書、佐伯剛雄(職業イラストレーター)。
俊雄くんが誰も居ないはずの部屋でかわしてた会話……この部屋はどうやら佐伯剛雄の部屋らしい。
※この部屋の設定は劇場版にも登場するよね。
背後から「…小林くん」と女性の声。
その声に誘われるように向かった隣の部屋。
②で親戚のお姉ちゃんが失踪した天井裏の奇妙な音の部屋です。
どうやら内装や荷物から、カヤコの部屋のようです。
机の上には、カヤコの顔だけの写真が大量に!!!
①で見つけた顔の無い家族写真の顔だけが集められてるんだね。
その顔だけ写真の下に、カヤコのストーカー的日記。
小林君が小林君が小林君が…と一方的な恋心をストーカー的に書き連ねた分厚い日記です。
そして、天井裏でカヤコの遺体を発見!!!
佐伯剛雄から奥さんを殺したことを臭わせる電話……。
そして、呪怨最高の山場、階段を這って迫りくるカヤコの登場!
実はこのシーン、劇場版で佐伯剛雄に殺害される寸前のカヤコがとった行動だと判明します。
⑥不動産屋の兄妹の話
「あの家」を管理している不動産屋の兄と、霊感が強い妹のお話。
家が売れないから、ちょっと視てほしいって(霊感的にって意味)。
前に住んでた一家が死亡したり失踪したりしてるって。
唯一、父親は生きてるけど病院に入ってる(精神を病んだっぽい言い方ですね)
家の表札は「村上」になってます。
つまり、父親以外は全員死んでるんですね。
玄関の下駄箱の上には佐伯剛雄宛の郵便。②~④で目にした光景がそのまま残ってます。
「この家を捜査した刑事さんが……」って兄の台詞。
どうやらあの猟奇事件からそんなに年月が経ってないみたいな雰囲気だね。
いやいや、それ以上に…あの刑事さんも家に入ってるってこと。
妹は直ぐに「カヤコの存在」に気が付いて、しかも2階の廊下でカヤコの姿を目撃します。
白塗りのちょっと怖いカヤコなんだけど、何が怖いかって……妹を見る時の見方。
背中を向けたまま頭を下にだらーんと下げて(お辞儀するような格好で)上下反対向きに睨んでるんだね。
で、その後、すぐに家は売れちゃって。
それを知った妹が様子を見に行くと……窓辺に立つ若奥さんの様子が明らかに不気味です。
「最近さ、息子の様子が変なんだよ」と兄が身辺の異常を臭わせます。
これで唐突にエンドロールに突入!!!
パート2に続くんだね。
でね、パート2はまだ観なおしてないんだけど、確か⑤から話が始まったはず。
⑥は微妙に話が長くなってた気がするよ。
ってこどで、またまた呪怨のお話でした。