呪怨 | ぐれむりんの気ままなブログ

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勝手気ままな★備忘録★レビュー

日本で最も怖いホラー映画と言えば……

「呪怨」だって。

何かのアンケートなのかな?

呪怨が選ばれたって記事を読んだんだけど、もしかしたら映画の番宣なのかな?

つい先日は、呪怨の映画予告CMが怖すぎてクレームが殺到したとか?




実はね、僕はホラー映画が大好き

当然、呪怨も大好きで観てるよ。過去の作品はね。

ただし、ハリウッド・リメイクを観て…あまり興味が無くなったってのが正直なところだよ。


先日、テレビで放送されてた「呪怨~終わりの始まり~」を観ました。

久しぶりの呪怨だな!

ってワクワクしながら観たんだけど、観終った感想は……佐々木希ちゃんの可愛さを前面に押し出す為のホラー映画か???って感じ。


調べてみたら、監督&脚本が清水崇さんじゃないんだね。

なんとなく…納得。

呪怨なのに、あまりにも呪怨っぽくなってて、呪怨の怖さが無くなってたのか……。


呪怨(清水崇さん監督作)の怖さって、僕的には、何でもない日常が突然ホラーに変わるトコロだったんだよ。

例えば、階段を下りてたら踊り場の隅に俊雄君が座ってるとか。

しかもほんの一瞬、ピンボケ気味に映り込むだけ……みたない。

レストランでスプーンを落として屈んだら、テーブルの下に俊雄君とか。


俊雄君が登場する前振りは一切無く、普通のシーンから一気にホラーモードに突入!

そして、ジワリジワリと突然の恐怖演出の怖さが増していって、最後にカヤコが登場!!!


でもね、まあ、実際に怖かったのは「呪怨~劇場版~」の一作目までだった気がするよ。

僕はね、とにかく一作目の劇場版が恐怖のピークでした。

劇場版の二作目もそれなりに怖かったけど、あれはね、ちょっと狙いすぎな気がしたよ。


今回の「呪怨~終わりの始まり~」は更に狙いすぎだよね。

※貞子3Dのようにカヤコがモンスターになってなかったのにはホッとしました。


終りの始まりはさ、オールド呪怨ファンからすると、過去作のイイとこどりしただけの作品に思えました。

ちょっと残念なのは、カヤコの変質的ストーカー気質が無かったことだね。


さて、ここからは完全ネタバレです。

そもそも、あの「呪われた家」が誕生するのは、記念すべき初呪怨シリーズである、Vシネマ版なのです。

要は…ビデオ映画ってやつんね。

低予算で制作されたレンタル・ビデオ用(映画館での公開は無し)の映画です。


屋根裏の奇妙な音

白い少年

顎の無い少女

蠢くゴミ袋

死んだ猫から電話

44444444444

死んだ胎児の叫び

亡者からの小包

ドッペルゲンガー

這う女

絵の裏のお札

呪われた家


とにかく怖いフレーズがジャケットに書かれています。

Vシネマ版「呪怨」「呪怨2」ですね。


さすがに低予算のビデオ映画。

今観ると…怖いというより面白いが先にきちゃうよね。

でもね、全呪怨シリーズの中で、最もストーリーが面白いって思う作品だよ。


え?呪怨にストーリーってあるの?

そんな疑問を持たれた方。

あるんです!

呪怨にもストーリーがあるんです!


そもそものきっかけは、若い小学校教師の小林が不登校の児童の家を訪問したことでした……。

そう、ここが例の「呪われた家」です。

いや…実際には「呪われた家になってしまった直後の家」でした。


家の中はかなり荒れてて、俊雄君の体には明らかに虐待の痕が……。


「ねえ、お母さんは?」

「…お父さんと……一緒」

「お父さんと一緒に出かけたの?」


小林先生はお母さんの帰りを待つことにします。

するとどこからともなく猫の鳴き声が……。

声の主は…俊雄君…でも先生は気が付いていない…。


実は、これで終わります。

イキナリ場面が変わって、タイトル(人名)が表示。

次の話にいっちゃいます。


そう、Vシネマ版からオムニバス形式なのです。


場所は……「呪われた家」です。

※ただし初観の時、ここが「呪われた家」だってのは知りません。

この家に住む一家に忍び寄る不穏な空気。

そして……他のエピソードの伏線となる台詞の数々。


さて、本来は…ブログを書くに当たって「呪怨」を観直すとこですが、ごめんなさい……昔観た記憶で一気に紹介しちゃいます。

※なので細かな間違いはご容赦を!


先にも言いましたが、呪怨はオムニバス形式の作品です。

それぞれの話の結末は…ほとんど描かれていません。

恐怖のピークが訪れたところで、唐突に話が切り替わります。


しかも、時間軸を無視して話が進んでいくので、恐怖演出にやられて伏線に気が付かないとまったく話が分からない場合があります(って思ってます)。


で、肝心のストーリーですが。


小林先生のお話から。


小林俊介先生は安アパートに奥さんと二人暮らし。

自分の受け持つクラスに不登校の生徒がいるんだね。

不登校の生徒の事を新婚で妊娠中の奥さんに話してます。

佐伯俊雄君……

そのお母さんの佐伯カヤコさん……


「大学の同級生で、カヤコって憶えてない?ちょっと暗くて気持ち悪い……女」

「ん~?そんなひと、いたっけ?」

そう、小林先生とカヤコは同級生なんだよ。


で、小林先生は……不登校の児童、佐伯俊雄君の家を訪問します。

家には誰も居なくて、庭には猫のお墓???

ふと顔を上げると…お風呂場の窓から子どもの手が出てる!

「と、俊雄君???」声をかけると

「せんせ~」俊雄君は力なく浴室の中で倒れちゃいます。


小林先生は慌てて家の中に入って俊雄君を介抱。

家の中はスーパーの買い物袋やプラケース、お菓子の空き袋なんかが散乱したひどい状態。

俊雄君の身体には明らかに虐待を受けた無数のアザ……。

児童虐待および育児放棄は明らか……。

「お母さんは?」

「お父さんと一緒……」

「お父さんと一緒に出かけたのかな?」

小林先生は奥さんに電話して「帰りが遅くなる」ことを伝えます。


気が付くと…俊雄君の姿が消えてる。

ガサゴソと二階から物音が???

電話してるあいだに二階に上がったのか?


二階に上がった小林先生は(物音が聴こえた)カヤコの部屋で不気味な物を発見。

家族の写真……カヤコの顔だけが傷だらけになり、切り取られ、破られ……

そして、カヤコの日記。

そこに書かれていたのは……

大学時代からの、小林に対するカヤコの熱い想い。変質的!!!

実は息子の俊雄の名前、小林先生の名前小林俊介と夫の佐伯剛雄の文字を合わせてましたって。

まさにストーカー気質な異常な執着心が書き連ねられてたんだね。


小林先生……ぞぞぞって恐怖。

で、別の部屋から物音がして、行ってみると俊雄君が居た。

で、なぜか室内の押し入れからハエが???


押入れを開けると…悪臭?

臭いのもとをたどって、押し入れに上って屋根裏をのぞくと……

そのには、ビニールを被せられたカヤコの遺体!!!


「俊雄君!ここにいちゃダメだ!!!」


俊雄君を連れて外へ逃げ出そうとする小林先生の携帯に着信が!!!


「先生…佐伯剛雄です、カヤコと俊雄を頼みます。俺はあんたの代わりに俊雄を育てたんだ……」

佐伯剛雄はカヤコの日記を読み、俊雄が自分の子どもではなく小林先生の子どもだと勘違い。

嫉妬で狂気に走っちゃいます!!!

カヤコの首を絞め(カッターで喉を切り裂き)殺害。

※あのカヤコの不気味な声はカッターで喉を切られ喉に血が溜まってる叫び声だとか?

俊雄の飼っていた黒猫を浴室の壁に叩きつけて殺害。

俊雄を浴室に沈めて殺害。

※俊雄君は黒猫の霊と融合しちゃったそうです。


※【追記】俊雄君の殺害方法は勘違いでした。俊雄君はお母さんが殺されるのを目撃して押入れの中に隠れます。剛雄は押入れをガムテープで目張り!その後、カヤコが向こうの世界へ連れて行ったみたい。

ちなみに、カヤコが階段を這って下りるのは、剛雄に殺されそうになった時にとった行動みたい。白塗り俊雄君がヒザを掻いているのは生前の虐待でできた膝の怪我が痒いからだって。

流石は清水崇監督!全ての行動に意味があるんだね!!!芸が細かいよ!!!


実は、小林先生が来た時には、カヤコも俊雄も死んでいました。


で、剛雄の電話

「先生…先生のお子さん、女の子ですよ……ひっひっひ」

その言葉を聞いて……小林先生はガクリとヒザを落とします。

佐伯剛雄は小林先生の奥さんを殺害して、お腹の中の退治を……おっとこの先は自主規制!


「おかーさーん」俊雄君が上を見ます。

ずり…ずり…カヤコが階段を這って下りてくる!!!


「ひいいいい!」ドアを開けて逃げ出そうとした小林先生の真上に……カヤコが!

「小林くーん」


その後、佐伯剛雄はごみ箱の中から這って出て来たカヤコに襲われ……変死体で発見。


おしまい。


で、その後、その家に住んだ一家が謎の失踪や変死します。

母親、いとこのお姉さん、長男、妹……

その原因は…家に憑いたカヤコと俊雄の呪い。

さらに、遊びに来た長男の彼女も変死。

事件の調査で家に入った刑事さんも……。


その家を管理する不動産屋も……。

いや、彼の場合は「呪怨」の呪いに巻き込まれた感じ?

彼が住んでるアパート…過去に小林先生が住んでいたアパートで……。


長男はまだ死んでなくて、雨の日に学校にカヤコがやってきて…、まあ、結局助かることは無いんだけどね。


お話はね、単純なんだよ。

でもね、これらの話がオムニバス形式で時間軸を無視して、しかも肝心の結末は一切出さずに各エピソードに伏線で登場。


例えば、小林先生は死んだの?

不動産屋のエピソードの際、呪われた家で過去に小学校教師の変死体が発見されたって新聞記事が出てきます。

※その事件を調べたら、自分の住んでたアパートが小林先生の部屋だったってオチにたどり着くんだね。当然、そこには佐伯剛雄の怨念が住んでて……ただでは済みません。


長男の彼女の場合、長男(彼氏)の家に電話すると……実はそこは別エピソードで(妹が顎を引き裂かれて帰宅するって)の恐怖の真っ最中だったり。

その後、放課後の校内で俊雄くんに襲われて……。


劇場版はね、その話の続きなんだね。

そこの家を借りた一家が次第に恐怖に落ちていき、その家に来てた看護ヘルパーも巻き込まれ……。

さすがに、Vシネマ版の恐怖を継承した本格ホラーです。

ハッキリ言って、怖いです。


劇場版2は、「呪われた家」って有名になった例の家を心霊番組の取材で訪れたテレビクルーのお話。

入っただけで……呪われます。

で、主演がのりPなんですが……マジ呪いですか?

そう言えば1作目の奥菜恵もその後は落ちていった気がするし……。


劇場版2がやりすぎだなって思ったのは、のりPがカヤコを出産しちゃったことだね。

いやいや……呪怨はそんなお話じゃないでしょ!って。


ハリウッド版はね、劇場版1のリメイク的な内容だね。

ハリウッド版2はその続きなんだけど、ハッキリ言ってどちらも観なくていいと思うよ。

呪怨を本格的なCG(洋画的演出)で再現すると……怖さが半減しちゃいます。


こういう続編映画の悪いところは、呪いを広めようってしたがるところだね。

呪怨の恐怖っていうのは、入っただけで呪われて死ぬ家なんだよ。

呪いが爆発感染する必要なんてないよね。


だってさ、友だちの家に遊びに行ったら、そこが呪われた家で……そんな日常の隣にある恐怖が怖いところなんだよって僕は思ってたんだね。


終りの始まりに関しては……

改めて、呪怨を作りなおしました的なお話だね。

Vシネマの設定は完全無視して、カヤコと俊雄と剛雄の別の話しをやっちゃったもんね。

ただし、その呪いの原動力が弱かったよ。

Vシネマのストーカー的カヤコの執念=入っただけで呪われる家ってインパクトに勝ててない気がするよ。

小林役を新任教師の佐々木希ちゃんが演じてるってとこかな?

入ったら呪われる家って設定自体、弱くなってるしさ。

多分それは、トリンドルちゃんだったり、希ちゃんだったりの演技力と恐怖演出のせいだろうね。

いいや、恐怖演出のダメダメさのほうが大きいかな?


なんだか、凝った話にしようとして……いや、分かりやすくしようとして墓穴を掘った感じに思えたよ。


家に入った女子高校生を襲う恐怖もさ、最初の劇場版はストレートだったもんね。

一緒に行った友達が死んだり居なくなったり……あの家に入ったら死ぬって……、それだけの内容なのに。

終りの始まり版は、やたらと説明的だったよね。

そいで終いには冷蔵庫の中に引き込まれるとか……ギャグ???


昔の呪怨は説明も何も無く、家に入ったら死ぬよ!

ほら死んじゃったよ!

すっげー怖い死に方だったよ!

まさか、あそこでカヤコ&俊雄が来るとは思わなかったよ!

それだけだったからね、逆に怖かったんだよ。


ってことで、

呪怨ファイナル……観たいけど、ガッカリしない?の葛藤中でございます。