「コミュニケーション!」って唱えれば出来るようになる♪とでも思っているんでしょうか・・・? | 船津洋 『子どもが英語を話しだす』 ~英語教育のために、今日も東奔西走!~

船津洋 『子どもが英語を話しだす』 ~英語教育のために、今日も東奔西走!~

英語教育に携わり23年。その甲斐あって、ネイティブ並みに洋書を読む小学生、英検1級合格の中学生、英語で難関大突破と、嬉しいご報告を続々頂きます。
――かたや「日本人の英語力、依然としてアジア最下位」の現実。
英語教育を天職だと光栄に思い、まだまだ奔走します!

「英語の授業は英語で・・・」

と、まぁ、そんなことになっているようですが、

授業は「コミュニケーション」を軸に

スピーチとかディベートが展開されるみたい・・・。

ってディベート!?

ディベートの意味分かってんのかな?

スピーチとかディベートって

かなりレベルの高い言語能力が必要。

今時の高校生達、、、

日本語ですらスピーチやディベートなんか出来ないんじゃないの?

そもそも、スピーチってのは何?

人前で話すこと?

スピーチとは演説のことで、

聴衆に自分の考えや感情を音声で伝える能力です。

これには高い論理性が必要です。

論理性を伴わないスピーチはただの迷惑。

聞いていると「なるものはなる」などと論理が飛躍する人。

因果関係がよく分からない話をする人。

気持ちばかり、勢いだけで話をする人。

あと、よくあるでしょう、節目節目の式典での退屈なスピーチ。

相手は子どもとはいえ、

人様の時間をいったい何だと思っているんでしょうね。

あ、話が変な方向へ、、、戻しましょう。

つまり、スピーチするには、ですね、

意味のあることを論理的に伝える能力が必要。

ディベートに関してはもっと大変。

相手の論理の瑕疵を突く。

クリティカルな思考技術が必要です。

日本ではそんなの誰も教えてくれません。

また、それら伝達能力やクリティカルな思考を

下支えする論理的思考方法も誰も教えてくれません。

つまり、形だけのスピーチとかディベート、と言うことになるのか・・・

以前にも書いたことがありますが、

ヨーロッパでは言語能力の判断基準を設定しています。

以下の具合です。

この段階のどこまで行けば、スピーチやディベートが出来るんでしょう。

まず一番下のレベル。

A-1) 挨拶文などの短く簡素な文章を書くことが出来る。名前や国籍、住所などの宿帳に記入するような個人情報を書くことが出来る。短い句や文章を使い、自分の住む地域や知人のことについて説明ことが出来る。

日本の小中学生はこのくらいかな・・・。次のレベルは、

A-2) 日常的な会話や行動といった簡素で直接的な情報交換を要するコミュニケートが出来る。自身では会話に参加できるほどの理解は無いまでも、短い社交辞令程度は交わせる。

高校生はこんな感じ? 口べたな大人もこんな具合ですよね。

B-1) 経験、出来事、夢、希望、大望などを表現するために、文章を紡ぐ事が出来る。計画や意見に関して簡潔な説明をすることが出来る。本を朗読したり、本や映画の筋を話したり、感想を述べることが出来る。

ここまで来たら言葉に関しては問題ないかな。では、これは?

B-2) 自分の関心事に関係した幅広い題材に関して、明確で詳細にわたる文章を書ける。情報伝達の為の文章、または特定のポイントに関して賛否を説明するエッセイやリポートを書ける。

大学生ならこのくらいまで出来て欲しいモノですが、

最近の大学生達や大卒の人と話をしても、

これができるのは少ないなぁ。

もちろん、社会人でもコレできないのが大半です。

ここまで来れば、スピーチとかディベートの入り口かな?

で、次のレベルが、

C-1) 複雑な題材に関する明確で詳細にわたる説明を、いくつかの副題にまとめつつ、自らの論点を発展させる事が出来る。さらに手際よく適切な結論へと導くことが出来る。

ここまで来れば相当出世できますね。

就活の面接なんかでも、キラリと光ります。

ディベートやスピーチが出来るレベルです。

その次が、

C-2) 自分の意見を淀みなく、微妙なニュアンスも的確に表現できる。仮に持論の論理性に問題が生じた時には、相手にほとんど気付かれることの無いほどの滑らかさを持って、話を元へと戻し問題点を迂回すべく文章を再構築することが出来る。確固たる自分のスタイルで柔軟かつ効果的に聞き手に話し、持論を明確且つ的確に表現することが出来る。

ここまで来れば、物書きですな。

あとは、優秀なコンサルタント、

あと、出来れば日本の政治家にはここまで来て欲しいモノですね。

さてさて、長くなりましたが、

あなたはどれ?

それと、今の高校生にB-2の能力がある?

しかも、それを英語で・・・。

まぁ、憎まれ口ついでに言えば、

「その能力はある!」と彼の方々は認めているから

そんな授業をさせるんでしょうけどね。

この子達は、、、ひいき目に見ても、B-2かなぁ?
$船津洋 『子どもが英語を話しだす』 ~英語教育のために、今日も東奔西走!~

もっと鍛えてやらなくちゃ♪