breakfast@viking corner♪ | 船津洋 『子どもが英語を話しだす』 ~英語教育のために、今日も東奔西走!~

船津洋 『子どもが英語を話しだす』 ~英語教育のために、今日も東奔西走!~

英語教育に携わり23年。その甲斐あって、ネイティブ並みに洋書を読む小学生、英検1級合格の中学生、英語で難関大突破と、嬉しいご報告を続々頂きます。
――かたや「日本人の英語力、依然としてアジア最下位」の現実。
英語教育を天職だと光栄に思い、まだまだ奔走します!

(この書き込みはFacebookにも自動投稿されるので、
↑この妙なタイトルを見た僕のアメリカ人の友人達は戸惑うだろうな・・・)

ということで! しつこいようですが、

引き続き高校の「英語の授業は英語で」に関する雑感。

今回は「なぜ」を考えてみます。

「中高の六年間かけてなぜ英語を話せないのか?」

なんてニュースで書かれていますけど、

この問い自体がもう、日本人の思考の典型。
(いや、もはや「思考」とは呼べない。「気分」だなこれは)

この問いかけの前提となっている「気分」の妙なところは主に2点。

まず、「英語を話せない」ことを嘆いている点。

言語は、まず聞いて理解できるようにならなければいけない。

ただ、聞き流すだけでは英語は出来るようにならないので、

読んで理解できるように育てることで、代用する形になっている。

しかも、最初から英語のまま理解するのは不可能なので、

英文を一旦日本語に訳してから理解する練習が行われる。

これが日本の英語教育の基本形。
(↑もちろん申し訳程度に会話練習とかもしますけど、ね)

自然と単語帳方式(和訳)の丸暗記と、

日本語風に並べ替えるための仕組み(文法)を学ぶことになる。

つまり、書かれた英文を日本語に置き換えて理解する

「飜訳」の練習をしているわけです。

この学習法のどこをどう解釈すれば最終的に「話せる」に繋がるのでしょうか。

ついでに、和文英訳しながら話す練習がありますが、

あれは時間の無駄です。
(↑英検の準1級なり1級なり持っている人がするなら別ですよ)

英語には英語の発想があり、日本語とは根本的に発想の仕方が異なる。

日本語アタマから生まれた文章を英語に直訳しても意味が分からないことが多い。

細かいことは避けますが、

日本語は「~です」式のbe動詞型文章が三分の二を占める一方で、

英語では「~ます」式の一般動詞型文章が7割とも言われる。

(↑この文章自体が日本語式なの分かりますよね♪)

例えば「あの店のランチは美味しい(です)」と言う文章。

これ自体を英語に直訳すると、主語は「ランチ」になりますが、

英語の場合には極めて自然に主語は「they」になる。

余談が、長くなってきちゃった・・・。

話を戻すと、和文英訳も日本人の間で通じるクイズみたいなもので、

実際のアメリカ人なりとの会話にはつながりません。

さらに、発音に関して全く配慮を欠いている。

加えて日本語発想の"勝手に"作っちゃう和製英語の存在。

これを組み合わせると、妙なことになる。

例えば、アメリカのレストランで朝食バイキングを食したいと伝える場合、

高校レベルの英語の知識でこれを英語に訳すと、

"I want to eat(have) breakfast viking."

もうちょっと英語が分かっている子なら、

"Do you have breakfast viking?"

"Do you have a viking corner?"

などと訳すかも知れませんな。

すると先方のレストランの給仕さんは、意味が分からず、

"Excuse me?" となる。

こうなると、「viking の発音が悪いのか?」などと、頭をよぎり、

下唇を思いっきりかんで

「ヴ、ヴ、ヴァイ」"Viking? Viking corner?" と'v' に気をつけた発音をするかも知れない。

先方は混乱するばかりです。

先方の給仕さんの頭の中では、

「角はやした兜かぶっている例のバイキング達が集まって朝食を食べている食堂の一角」

が浮かんでいる・・・

バイキングなんて和製英語は誰にも通じません。

ナイターとかバージンロードとか

ファミリーサービスとかライブハウスとかも、ね。

まぁ、結局どこのレストランでもBreakfast Buffet はやっているでしょうから、

希望する食事は摂れることにはなりますが、ね。

このように和製英語や日本語発想で英語を作文して話そうとしても

不自然な英文になることが避けられないんです。

自然な英文をアタマから生み出すには、

まずは英語の発想(英語アタマ)の仕方を知らなくてはいけない。

まずは英単語を知らなくてはいけない。

その根本的なところ、英語に敬意を払うという真摯さから自然と湧き出すはずの、

「英語アタマとは一体何か、それをどのように身に付けるのか」

という、この重要な点に手をつけていないのです。

そんな中、英文和訳のテストと和文英訳のゲームをしていても、

その延長線上に

「英語を話せる」は無いんです。

次に、「中高の六年間にわたり云々」について一言と思いましたが、

長くなったので、また今度。ヽ(゚◇゚ )ノ

サンドイッチバイキング♪
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