11月19日、芝大門でジェントルハートプロジェクト

主催の「親の知る権利を求めるシンポジウム」がありました。
このブログでもとりあげた、桐生で自殺したフィリピンつながりの上村さんのお父さんがパネリストとして話をされるというので参加しました。
この団体はいじめによって自殺した子どもの遺族が中心になって「同じ悲劇を繰り返さないで」という活動をされています。

昨日のテーマは「親の知る権利」。「いじめ」があってもそれを認めず隠蔽しようとする学校。子どもがどうしてこのようなことになってしまったか知りたいと訴えても、真摯に応えようとしない行政。
学校現場に身を置くものとしては耳の痛いこともありましたが、、、、、

基調講演をされた京都精華大学准教授の住友剛さんは、兵庫県川西市で子どもの人権オンブズパーソンとしての活動の中で、ラグビー部で起きた熱中症死亡事故について、原因追及のみならず遺族への心ない誹謗中傷への反論などに取り組まれた経験から、
事故などの後、学校・行政サイドには弁護士などさまざまな形でサポートがあるのに対して、被害者側にはほとんどない。子どもを失った苦悩の中で自ら動くしかない。
という制度上の問題点を指摘。被害者に寄り添い原因究明と再発防止に取り組む公平な第三者機関の必要性について話されました。
そして、ご自身がかつて高校で部活動の顧問をしていながら熱中症などについての知識がほとんどなかったことにふれ「再発防止のプログラムを作るのは教師にとっても必要なこと」とおっしゃいました。

パネリストの一人、「友達のいじめを止められなかった」と命を絶ってしまった川崎市の中学生の遺族は、学校側が態度を硬化してしまった中、真摯に事件の調査にあたった市の担当者がいかに支えになったか、という経験を語っていらっしゃいました。
上村さんの事件でも行政は「第三者委員会」を設置しているのですが、メンバーも明らかにされず、調査内容もほとんど遺族にも公開されていません。そういう中で、真実を明らかにして欲しいという思いから訴訟に踏み切ったのですが、、、、、以前このブログで私が書いた危惧が現実のものとなってしまっています。

先日の第4回公判では「自殺の原因は家庭にあったのでは」とネグレクトの可能性をとりざたされたり、同じアパートの住人からは「気持ち悪いからお祓いをしてくれ」とか「子ども部屋の電気をつけたままにするのはやめてくれ」と言われたり、回復をしようとしている遺族と明子さんをさらにむち打つよ仕打ちが、、、
昨日、私が座った席はたまたま上村さんのお母さんの前だったのですが、すすり泣く声が聞こえ、胸に迫りました。

限られた時間の中、シンポジウムでは発言の機会は与えられなかったのですが、その後の食事会での自己紹介の中で、
毎年開いている外国につながる生徒・若者交流会の中でも「いじめ」はかならず話題になる。「バイトの面接も断られた」「親の仕事が見つからない」「アパートが借りづらい」など学校だけでなく日本社会には外国人への差別・排除が根強くはびこっている。上村さんの事件の原因究明では、そのことを追究すべきだ。
と話をさせてもらいました。






といっても、私の知る限り周囲に産経新聞を購読している人はいないのですが、、、

私の古くからの仲間が窮地に立たされています。
その「理由」は日本史の授業の中でハングルを教えたから。
ただし、学期末の試験後の1時間を使っただけ。

ところがそれに反感を持った生徒が2チャンネルに書き込み、それを2チャンネルの住人が騒ぎ立て、誰かが県教委のメールを入れた(と同時に報道機関にも知らせたのでしょう、まさか県がこんな「ちゃち」なできごとで記者発表なんかしないでしょうから)。
そして産経新聞が8月24日の紙面(何と一面)に載せた。

その結果、ネット上では学校名や教員の実名や顔写真をさらし、「退職へ追い込もう」とか「こんなことを言うのは朝鮮人だろう」とかいった誹謗中傷の嵐。
(「朝鮮人だろう」というのが誹謗だということが、朝鮮人への差別だという指摘もありましょうが、私が言いたいのは、勝手に出身を決めつけることが誹謗だということです)

さらに影響はネットという仮想空間を超え、
当該の学校へは抗議の電話やメールが殺到。
さらには、中学生向けの説明会でもビラやねずみ花火(!!!!)を蒔いたり。
さらに周囲の生徒宅(だけではないのでしょう)や商店街にもビラを蒔いたり貼ったり。

産経新聞によると、他にも夏休みの夏季講習で関東大震災時の起きた朝鮮人虐殺の現場の見学を企画し参加者を募っていた、ということですが、、、

私も教員(国語科)ですが、生徒の状況や今日的課題にあわせて教材やその提示の方法を工夫します。
先日の授業では、今後日本は原子力発電を推進すべきかといった新聞記事を読ませて意見を書かせたりしました。
これだってもしかしたら反感を覚える生徒はいるかもしれません。

今回の事件は、産経新聞が2チャンネルの住人の「祭り」のお先棒を担いだということです。
そして、神奈川県教委がそういう流れに荷担しているということ。

思想の左右に限らず、「気にくわないことはネットに書き込んで『祭り』にしてやればいいんだ」ということを生徒が学習してしまったら、、、、創意工夫のある授業などできるはずはありません。

ノルウェイの大量殺人事件、国内法ではテロに対する最高刑は禁錮21年ということを念頭に犯行に及んだと言われています。

それについて、あまりに軽すぎる、厳罰に処すべき、法の見直しを、との声が挙がっています。
犯人は自分を戦士とみなし「これが今後60年間続く闘争の始まりになる」と語っているそうです。
もちろん、専門家によって慎重に精神鑑定する必要があるでしょうが、
彼が夢見ているのは、21年後に釈放されるときに英雄としてあがめられることでしょう。
そんな社会が来ないように、私たちは多文化共生の声を広げなければならないと思います。

昨日、久々に休みがあって、銀座で映画を見てきました。
『人生、ここにあり!』という実話に基づいたイタリア映画。
http://jinsei-koko.com/
ご存じの方も多いでしょうが、イタリアは1998年に全ての精神病院を廃止しています。(犯罪者対象は除く)
映画の舞台は80年代。法によって精神病院は名目上は廃止されたものの、『組合』の名の下、切手貼りの単純作業や薬漬け、閉じられた社会で暮らす元患者たち。
そこに労働組合の職員から左遷された男が赴任。そこから仕事と普通の暮らしを獲得していく『組合員』。
涙あり笑いあり。近年見た中でもベストに挙げられる素晴らしい作品です。

共生の道に光をあててくれた、そんな思いのする一本でした。