猫の糖尿病 SGLT2阻害薬 | ふぁんふぁんのしっぽ ~猫の腎臓病・糖尿病 ブログ~

猫の糖尿病 SGLT2阻害薬

おつかれちゃんです。

タイトルの内容を書く前に、ボビさんの状況をちょこっと報告します。
結論から言うとかなり悩ましい状況で、今日明日にでも手術の決断が必要な状況です。



まず、CT検査で転移が見られないことを確認し、針生検で“炎症”との報告がありましたが、

ステロイドを開始したにも関わらず腫瘤は小さくならず、劇的な改善はない状況です。

食欲はまぁまぁ戻って、理想量の7割弱くらいは食べてくれてますが、お水は自分からは一切飲まず。

シリンジであげても嫌がるようになり、なんとなく飲み込むのが上手く出来ない感じです。

 

その状況で主治医に相談に行ったところ・・・

 

①針生検では取れない腫瘍細胞があるのは確かなので、炎症ではない可能性も。
 

②穿孔(破裂)の恐れがあるので外科的処置(切除)が第一選択。

③確定診断が無いので治療の提案が切除以外にない。

④飼い主承諾であれば、分子標的薬を試してもいい。(百歩譲っての案)

 

結局、提案は“切除手術”“分子標的薬”という2択からの選択でした。

いやいや、この2択からの決断は無理やわー

そもそもこの2択だと、CT検査と針生検の意味が全くない。

それなら最初からCT撮らずに開腹して切除&病理検査すれば良かったという話しになる。
なので、結局自分で調べて自分で決断するしかないという状況です。

で、あれこれ調べてうじうじ考えた結果、下記の可能性に辿り着いてます。

猫のGESF(消化管好酸球性硬化性線維増殖症)

簡単に言うと、消化管に免疫細胞が関係する腫瘤(肉芽腫)が出来る病気です。

腫瘍と類似していますが、炎症性疾患なのでステロイドが適応されます。

 

 

確定診断は開腹が必要ですが、この病気の可能性もあると思うので手術は一旦見送ろうと考えてます。

18歳という年齢からの手術回避ではなく、必ずしも切除が必要とは限らないなら・・・という判断です。

幸い、ステロイドのませても血糖値が爆上がりせず150~170前後を保っています。

上手くコントロールできて腫瘤が小さくなることを祈るばかりです。

で、タイトルの『SGLT2阻害薬』です。

以前の記事(1年ちょっと前)でもチラッと書きましたが、糖尿病の新薬です。

詳しく調べていないので詳細はまた次回記事にしますが、

以前米国で承認された「ベクサキャット(ベクサフロジン)」と同じ系統のお薬。

 

 


今回日本で発売されたのは、『センベルゴ』という飲み薬です。

 

 


現在インスリン治療中の猫には与えない方がよいと書かれていますが、
ケトンをモニタリングしながら注意して与える事は可能なようです。

このお薬には、「ケトアシドーシス」という、かなり怖い副作用があるようですが、

これが理由でケトンに注意する必要があるみたいですね。

ただし、低血糖の危険性が低くなってるそうなので、

自宅で血糖値を測らず尿糖やケトンを見てるなら、コチラが使いやすいのかもしれないです。

あと、この『SGLT2阻害薬』は人用の『フォシーガ』というお薬があり、
人医療では慢性腎臓病にも適応されていますので、併発してる場合は有効かもしれないですね。

最大の魅力は注射じゃなくて“飲み薬”(経口投与)ということ。
副作用の「ケトアシドーシス」をどうやって克服・対処するかがポイントですねー

でわでわ。