流産の悲しみを アートで解きほぐす -3ページ目

流産の悲しみを アートで解きほぐす

流産経験のある公認心理師、アートワーク・セラピストの名田文子です。
流産の経験は、理解してもらいにくいものです。
今も心の傷が痛むのに、誰にも話せない。
そんなあなたに寄り添いたいと思います。

こんにちは。

アートワーク・セラピストの なだふみこ です。

流産、死産、新生児死などで赤ちゃんを亡くされた方の

サポートをさせて頂いています。

 

 

「死者の日」という祭りをご存知ですか?

 

アニメ映画「リメンバー・ミー」で広く知られるようになった

メキシコの祭日です。

 

 

亡くなった家族、先祖の霊が帰ってくる日として

大事にされている行事だということなので

 

 

日本で言うと、お盆にあたるものといえるでしょう。

 

 

ただ、メキシコの人の国民性でしょうか、

故人をしのぶといっても

もの悲しさよりも、

 

 

むしろ生きる喜びや、

先祖から受け継いだいのちや絆への感謝

といったポジティブな面が

前面に出ているように感じます。

 

・・・・・・・・・

 

さて、その「死者の日」にちなみ

11月は、

いくつかの施設で開催しているアートセラピーのワークを

「シュガースカル」

と題して行う計画にしています。

 

 

「シュガースカル」というのは、

「死者の日」に飾られる、頭蓋骨型の砂糖菓子です。

 

この写真は無料写真サイト「写真AC]からいただきました。

 

 

華やかに飾られた祭壇の上に

シュガースカルが乗っているんですけど

ちょっと、見えにくいかなー。

 

 

実際に砂糖で作るのは、私の手には負えませんので

今回のアートワークでは紙媒体で。

 

シンプルなテンプレートに、

色を塗ったり、シールを貼ったりして

デコレーションすることにしました。

 

 

こちらは私の試作品。

不気味でしかない髑髏が

色や飾りを加えることで

明るく、コミカルなものに変わっていくのが

なかなか楽しいです。

 

こっちは、

目が、ちょっとヤラシイ感じになっちゃいました。

 

・・・・・・・・・・・・・

 

実は、このワークは

DV被害者へのアートセラピーについて書かれた論文で紹介されていたものをヒントに、計画しました。

 

 

その論文では、

「このワークの目的は

悲惨なもの、醜いものを、

美しいものに変えること」 だと

紹介されていました。

 

 

「物事をポジティブに見ていきましょうよ」などと

意識改革を強いるのではなくて

 

 

無理のない体験をすることで

いつしか心の方向が変わっていく。

 

アートには、そんな力があります。

 

 

 

 

このブログは

赤ちゃんと悲しいお別れをしなくてはならなかった方を思いながら書いています。

 

 

悲しい気持ちを切り替えましょうなんて

そんな無茶なことは、言えません。

 

 

充分に悲しむことは

喪の作業として、とても大切だと思っています。

 

 

でも、もしかすると、

メキシコの人たちのように

悲しみに変化を作り出す

そんな時間を持ってみることが

役に立つかもしれません。

 

 

もし、やってみたいなと思われたら

このワークのテンプレート、

お分けすることができますので

 

ぜひお問い合わせくださいね。

 

 

 

こんにちは。

アートワーク・セラピストの なだふみこ です。

流産、死産、新生児死などで赤ちゃんを亡くされた方の

サポートをさせて頂いています。

 

 

今回は、お勧めのアートワークをご紹介します。

 

いくつかの施設で、

アートセラピーのプログラムを提供しているのですけど、

今月実施した「デコパージュ」が、

なかなか好評でした。

 

 

これは、私の作った試作品。

 

石鹸に、ペーパーナプキンの切り抜きを貼ったものです。

 

ちょっとシワになってしまっているのは、

まあ、ご愛敬ということで・・・。

 

 

魚はフルーツなんて食べたことないだろうから

食べさせてあげようかな~♪

なんて感じで作ってみました。

 

 

最後にラメを乗せたら、

それがなかなかいい感じになった気がします。

 

 

小さいものだし、

すぐに作り終えて時間が余ってしまうかなあ・・・

と思いながらのプログラム実施だったのですけど

 

 

皆さん、夢中になって、

時間いっぱいいっぱい、制作されていました。

 

 

デコパージュを、アート・セラピーとして行うことは、

アート・セラピスト、栗本美百合さんの著書

「学校でできるアート・アズ・セラピー

心をはぐくむ『ものづくり』」

に紹介されていて、

 

いつかやってみたいと思っていたのですけど

 

 

予想以上に、

これは、よかったです。

 

 

デコパージュ制作は、

自分自身を優しく労わるような

そんな体験となります。

 

 

ペーパーナプキンの絵柄は

どれも、くつろぎの時間のためにデザインされたもの。

だから

そこから好みの絵柄を探して使うことは

自然と、心地よいものとなります。

 

 

また、作業としては、

切ることも、

切る前にペーパーの層を剥がすことも

貼ることも

優しく取り組まないといけないんですよね。

 

作品を優しく扱うことは

自分自身に優しく接することと同じことなんです。

 

 

さらに

これは作り上げたあと、石鹸として使うことができますから、

手洗いのたびに

石鹸を優しく手で撫でることもまた

自分を労わることになります。

 

 

赤ちゃんとお別れして、傷ついた心にも

優しく、慰めを与えてくれる経験になるのではないでしょうか。

 

 

 

 

デコパージュの作り方自体は、

ここでは紹介しませんが

ネットでたくさん見ることができますし

材料も百均などで大半が手に入りますので

ぜひ、やってみてください。

おすすめです。

 

 

 

 

 

 

こんにちは。

アートワーク・セラピストの なだふみこ です。

流産、死産、新生児死などで赤ちゃんを亡くされた方の

サポートをさせて頂いています。

 

 

今日は、

先週に続いて、外出に関する記事です。

 

 

神戸で毎年開催されるアートイベント、

「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2022」

に、行ってきました。

 

六甲山のいくつかの施設に現代アートの作品が展示されて

それを見て周る「芸術散歩」。

 

 

思った以上に肌寒かったですが

紅葉はまだまだ先。

 

それでも秋の気配を感じながらの散策は

とても楽しかったです。

 

・・・・・・・・・

 

今回はその中で

一番気に入った作品を紹介します。

 

 

園田源二郎さんの

「まよなかの博物誌――六夜話――」

 

 

六甲山に生息しているイキモノたちを想像した作品群の展示でした。

 

「出会ってみたい」と思える不思議な「彼ら」の姿と

心に染みる言葉の数々。

 

特に印象的だったのが、こちらです。

 

 

「急げ急げ」の毎日によって

壊れてしまうのは

時計だけじゃなく、

私たち自身だよね・・・・。

 

・・・・・・・

 

 

ちょっと足を止めて

想像の世界で佇んでみる

 

それって、本当に大事ですね。

 

止まることは、故障じゃない。

 

しばらく休んでから

またゆっくり、ねじを巻けばいい。

 

そんなことを思いました。

 

 

六甲ミーツ・アートは、11月23日までです。

ぜひ訪れて、心の栄養補給をしてみてくださいね。

 

 

 

 

 

 

こんにちは。

アートワーク・セラピストの なだふみこ です。

流産、死産、新生児死などで赤ちゃんを亡くされた方の

サポートをさせて頂いています。

 

 

久しぶりの投稿になります。

9月はバタバタと忙しく、気づけばひと月、間が空いてしまいました。

 

さて、9月末に、

念願だった「白神山地への旅」をしてきました。

 

母と二人で、二泊三日の旅行です。

 

数年前、屋久島訪問を果たして、

「次は白神山地に行こうよ」と言っていたのが

ようやくかないました。

 

 

白神山地は

言わずと知れた世界遺産。

世界遺産に登録されてから30年なんだそうです。

 

ブナ林の中は

葉が生い茂っていても明るいのが特徴。

ブナの葉はとても薄いので光を通すのだと

ガイドさんに教わりました。

 

同行してくれたガイドさんは

マタギを生業としている方で

植物の知識や山で生きる知恵、山生活のエピソードなど

いろいろなことを教えてくださって、

とても楽しかったです。

 

人間、いろいろな生き方、

いろいろな人生があるものだなあと思いました。

 

 

中を割るとキウイみたいな「サルナシ」の実。

甘くておいしかった!

「もっとないか」とだいぶ探したけど、

サルに先を越されてしまったようで

1個しか味見できませんでした。

 

 

「ミズ」という植物。

茶色いムカゴができていて、

ムカゴは、食べるとシャキシャキ感と粘りがあって

生の長芋の食感と似ていました。

 

 

お昼には、

湧き水を沸かして、

ミズと、野生マイタケを入れて作ったお味噌汁をいただきました。

 

 

有名な「青池」。

本当に深い青色で、驚きました。

 

・・・・・・・・・・

 

本当は、紅葉の時期に行きたかったのですけど

私のスケジュール上、それは無理でした。

でも、その結果、

とても人が少ない、静かな白神山地を堪能することができました。

 

また、

8月の大雨で大規模な土砂崩れがあちこちで発生し、

予定していたルートには行けなくなってしまったのですけど

行程が短縮された分

狭い範囲をゆっくり、のんびり

ガイドさんにいろいろ教わりながら歩く

余裕のある散策を楽しむことができました。

 

いや、もちろん、

「行けるエリアの制限が逆に良かった」というのは、

あくまでも私の都合に関する話であって、

大雨の被害自体を喜んでいるわけではないです。

一日も早い復旧・復興を願っています。

 

そして、またいつか、

今回訪ねることができなかったエリアにも

行ってみたいと思います。

 

 

今回は、リフレッシュ旅のお話でした。

 

コロナ禍であっても

移動制限・行動制限が少なくなってきた今、

皆さまも、ぜひ秋の外出を試してみてください。

 

 

赤ちゃんを亡くされた経験のあとでは

外出するなんてとても無理・・・

という心持ちの方もおられると思います。

 

また、

赤ちゃんを亡くしたことで自分を責め、

「旅行だなんて、自分を楽しませることをしてはいけない」と

自分を罰する

そんな気持ちをお話してくださった方もおられました。

 

でもね、

楽しんでいいんですよ。

幸せになっていいんです。

 

 

あなたの赤ちゃんは、優しい子だから

 

あなたを責めて、罰を与えて、

不幸な人生を歩ませようなんて

そんなことを願うはずがないじゃないですか。

 

 

無理のない範囲で、少しずつ

自分を楽しませるためのお出かけも

試してみてくださいね。

こんにちは。

アートワーク・セラピストの なだふみこ です。

流産、死産、新生児死などで赤ちゃんを亡くされた方の

サポートをさせて頂いています。

 

 

暑い日が続いていますが

お盆を過ぎると、やはり少し涼しくなったように感じますね。

 

神戸の我が家では、

冷房を使わずに家で過ごせる時間が増えてきました。

 

 

さて、夏といえば、

 

私にとって欠かせない大事な季節行事があります。

 

それは、梅干し作り。

 

 

梅を塩漬けにすることは、梅雨の頃に終わっていて、

天日干しの作業を、

「土用」の頃にするのです。

 

この夏は

ガンガンに晴れた日には外出する予定があって干せず、

 

一日中家にいられる日は曇ってる

という残念な流れで、

 

ようやく、お盆を過ぎてから、

梅たちを外に並べることができました。

 

 

そして、昨日、

今年の梅干しが完成しました!

 

 

梅干し作りは

どんなに忙しくても

これだけは毎年やってきました。

 

それは

「自分でつくった梅干しが一番おいしい!」

と思っているからですけど

 

もうひとつ

梅干をつくるたびに

大事なことを思い起こすことができるからでもあります。

 

 

それは

「待つことの大切さ」。

 

 

梅干し作りは、

作業自体は、難しいことは何もありません。

 

ただ、

梅の季節を待ち、

潮が浸透して梅酢が上がって来るのを待ち、

晴の日を待ち、

いい具合に干し上がるのを待つ。

 

 

やたらに手を入れれば、

かえってカビが生えたり崩れたりして

失敗のもとになりますし

 

晴れの日がなかなか来なくても

それは焦っても仕方ない。

 

待つしかないのです。

 

 

 

毎年

梅仕事をしながら

「いい時期を待ちながら日々を過ごす」ということを

再確認しています。

 

 

誰にも

一番いいタイミングで、

必要なことが与えられるはずだと信じています。

 

 

ただ、それは、

自分の計画や願いとは、

もしかしたら違う形をとるかもしれないけれど・・・。