このくらいなら自分にも書ける | ハート・カウンセラーkokkoの幸せの探し方

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会員制の文章執筆サロンに入会しています。右矢印文章執筆サロン「ふみサロ」

課題図書をもとに書くリブリオエッセイ。6月の課題図書は『印税で1億円稼ぐ』。

 

タイトルからしてなかなかすごい本、だよね^m^

今月の合評会は参加できなかったけど、作品提出してあとから動画視聴しました。

*後日視聴でこの作品が後藤特別賞をいただいていたことを知りました。嬉しい(*^^*)

 

今回の作品は↓

 

【このくらいなら自分にも書ける】

 

高校1年の時、授業中に小説書いてる子が隣の席になった。
「私、これ狙ってんだよね」
そう言って教えてくれたのは、青春小説誌『Cobalt(コバルト)』で募集していたコバルト・ノベル大賞。
なにこれ?こんなおもしろいのあるの知らなかった。私も小説書きたい。新人賞狙いたい。
でも、400字詰め原稿用紙に100枚もの作品仕上げる自信ないなぁ。
「じゃ、ショート・ショート書けば。コバルトでショート・ショートの作品も募集してるよ。

星新一読んだことある?」と言って本を貸してくれた。
〈このくらいなら自分にも書ける〉
星新一の作品を読んで自惚れた私が、『Cobalt』に初めて送ったショート・ショートは選外佳作に選ばれた。

ほら、あっさり名前が載った。
 

高校3年の春に書いた自信作。これがもし入選したら真剣に小説家になることを考えよう。
そう思ってた。夏号秋号冬号……入選するはず!と自信満々だったのに、

佳作にも選外佳作にも自分の名前は掲載されることなく一年が過ぎた。
卒業後の進路も決まらないまま次の春を迎えた私は、高校3年間毎号楽しみに買っていた『Cobalt』を全部捨てた。

連日のように寄っていた本屋にも、まったく行かなくなった。
4月の半ばにやっと決まった就職。私ほんとはなにやりたいんだろと思いながら職場と家を往復する日々。

そんなある日久しぶりに入った本屋さんで、1冊だけ売れ残っていた『Cobalt 春の号』が目に留まった。

空っぽな気持ちのまま開いたショート・ショートのページ。

「その日の朝の目覚めは、最悪だった。」の一文が目に飛び込んできた。

昨年春に送った作品が入選作としてそこに掲載されていた。

心が笑っているのか踊っているのかそれとも泣いているのかわからない不思議な感情を胸に、

その最後の一冊を買って家に帰った。
一年間今回こそはとページを開きがっかりしを繰り返し、完全にあきらめきった頃に入選って……。

高校生のうちに入選していたなら選ばなかった道に、私はもう進んでしまった。
 

「あっさりうまくいっちゃったら、死ぬまで書き続ける人間にはなれないよ」
小説の神様からのメッセージ、だったのかな。

 

(エッセイここまで)

 

 

課題本を開いて最初の『「このくらいなら自分にも書ける」という自惚れが、最高の才能』との一文が目に入った瞬間に、星新一のショート・ショートを読んで「こんなの自分にも書ける」なんてことを傲慢にも思った時のことを書こう!とひらめき、今でも大事にとってある自分の作品が掲載された『コバルト 1986年春の号』を押し入れから引っ張り出してきて、今回の作品を書き上げました。ちなみにこの時、賞金としていただいた金額は1万円。

 

今でも大事に持っている『Cobalt 春の号』↓

 

賞金(投稿謝礼)の郵便小為替が送られてきたときの手紙↓

 

 この時、入選作として掲載された作品に対して
【シュールでナンセンス。不必要な描写がなくテンポよい簡潔な文体が気持ちよい。しかも、ユーモラス。カフカの『変身』もまっさおの、できばえ!】
と書いていただいた選評がとっても嬉しくて(嬉しすぎて暗記した・笑)
でもって、カフカの『変身』からインスピレーションをもらって書いた作品だってことも見抜かれたみたいで、さらにくすぐったいような気持ちになったんだよねぇ。

久しぶりに、高校生の頃を思い出してショート・ショートが書きたくなっちゃった。

 

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