施設で働く日々を送っていたある日曜日、「ナボジボン」という別の施設で、1週間に1回、ボランティアの人20数名募って、普段働いている場所を休み、その「ナボジボン」に活動しに行く機会がありました。
そこの施設では主に障害をもった子どもがケアされているんですが、ボランティアの仕事は主に、外で暮らすストリート・チルドレンの身体を洗い、遊び、お昼ご飯を与えるでした。
その日曜日、今働く施設を休んで、そちらへ行くことに決めました。
心の中では、「あっ、いつも働いている施設のあの青年、頭を洗われるの待っているかもしれないのに、ちょっと申し訳ないな。」という気持ちも正直ありました。
でも久しぶりに子どもと遊びたかったのでそっちに行きました。
・・・
施設に着き、子ども達と遊びます。
途上国に足を運んだことのある者なら誰でも経験があると思いますが、ここの子ども達も例外なく、非常に人懐っこく、エネルギッシュ。
追っかけて、追っかけられて・・・。
他のボランティアの人達も皆楽しそうに遊んでいました。
終わりがけ、帽子がないことに気づきました。
さっきまで、子どもに取られて、取り返してとしていたんですが、その後どこに行ったんだろうと思って見渡していると、向こうの方で子ども2、3人の様子がどうも怪しい・・・。
そこまで行ってみると、タイヤが重ねてある奥に、袋がありました。
袋を取るとその中には、僕の帽子と、他のボランティアの人のタオルが・・・。
盗もうとしとったったい・・・。
「ダメ」と言って全部没収すると「ノーーー!」と言いながら取り返しに来ました。
でもそれを断り、他のボランティアの人にタオルを返しました・・・。
ちょっと悲しかったです・・・。
他のボランティアの人達はそんなことも知らずに、「かわいいね」と言いながら楽しんでいました。
知らなければ僕も、「かわいいなこの子たち」と言いながら、楽しそうに帰ったかもしれません・・・。
よくよく考えるとこの子達は道端で寝泊りしている子ども達。
そりゃ外国人の人達が日曜日遊びに来て、かわいいタオルや何やら持っていたら、欲しくなるのも当然やん・・・。
複雑な心境でした・・・。
やるせない気持ちで、帰りました・・・。
・・・
お昼ご飯を食べた後、一人部屋で横になっていました・・・。
(いつもの施設のあの人、今日あれしとらんな・・・。あの子の頭、今日洗ってないなあ・・・。全身動かないあの人にマッサージ今日やっていないなあ・・・。)
・・・
いつも働く施設の人達の顔が頭を過ぎる・・・。
でも、自分自身、久しぶりに子どもと走り回り正直、疲れていました。
気持ちの問題もあってか、笑顔になれる気もしません・・・。
(このまま、寝よっかなあ・・・。)
色々考えたけど、やっぱり午後、施設に向かうことに決めました。
部屋を出て、オートリキシャを拾って、午後3時。
一人、施設に着きました。
そして午前中出来なかったことを全部やりました。
頭を洗ったり、マッサージしたり、便所に連れて行ったり、オイルを塗ったり・・・
し終わった後、笑顔をくれる人が中にはいます。
・・・
仕事を終え、外に出ました・・・。
不思議なことにあんなに来る前、疲れていたはずなんですが、終わってみるともの凄く元気になっている自分に気づきました・・・。
(あれっ?)
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本当に何気ない笑顔、ただそれだけやのに・・・。
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「与える以上のものを与えられる。」
それはお金では買えないものなんでしょうか・・・。
「痛いと思うまで愛しなさい。」
「愛するということは甘いものではなく、覚悟と努力がいるということ。」
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このマザーが語った言葉の意味が、日々を重ねるにつれてなんとなく分かってくるような気が・・・。
足のない老人に、結核を患った青年に、頭の半分が皮膚ガンのような青年に、200人の「貧しい者の中で最も貧しい者たち」が、こんな自分に教えてくれます・・・。
ボランティア最終日前日の夕方、一人笑顔で宿へ帰りました・・・。










