声、語り、歌、ヴォイストレーニング1日1話 -8ページ目

声、語り、歌、ヴォイストレーニング1日1話

歌手、声優、俳優、芸人、ビジネス、一般、声に関心のある人に。
プロ、トレーナーも含め、トップレベルのヴォイトレ論を展開します。

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○腰にリズムを刻む

 

リズムは身体で覚えるものです。手や足で叩いたり、口ずさんだりするのもよいですが、ダンスで踊るように腰でとることで習得するようにしましょう。腰にリズムが入り込むところまで練習してみてください。手でも足でもよいのですが、思いっきり動かして腰で覚えてください。

 

音楽が聞こえてきたら、しぜんと身体が動くように、そして、音楽がないときも、自分の身体の中のリズムが感じられるようになってください。コンサートでも、首、肩、ひざ、足の裏と、総動員して、リズムを楽しんでください。そのようなことを繰り返しているうちに、リズムを外すことはなくなります。

○リズム感を鍛えること

 

頭でなく、身体で覚えること、そして身体で表現して確認することです。足拍子で基本のリズムをとり、フォービート、エイトビートなど、そのなかで手や首を動かして、リズムをとってみましょう。

さらに、三拍子、ワルツ、ジャバなどにも、挑戦してみましょう。

 

日本人の苦手な8分の6拍子とか、4分の3拍子の曲を選んでください。後ろに拍がくるアフタービートの感覚も覚えてください。

もうひとつ、加えて欲しいのが、三連符の入ったフレーズです。(五連符や七連符はフラメンコをお勧めします。)

それと、シンコペーション、これは、フレーズの頭を打たずに、ずらして入るリズムです。

インストルメンタルなどと楽譜を合わせながら、まるごと、覚えてしまうとよいと思います。ヴォーカリスト以外のパート譜を研究するとよいと思います。

 

○音楽に身体を合わせて動かすところから始めよう

 

今のヴォーカリストにもっとも求められているのは、リズム感です。リズム感は、練習すれば、誰でもかなりのところまで高められるものです。

日常生活のなかで、リズムがあふれています。そのなかで、少し意識して身体を動かしていると、それだけでもずいぶんと違ってくるはずです。

それに加えて、日本人が苦手なリズムの入っているフレーズを覚えておくとよいでしょう。また、ロック、バラード、ラテンなどで、ポピュラー音楽によく使われるリズム・パターンを覚えておくこともプラスになります。

 

○音痴のほとんどは、耳のトレーニング不足

 

音痴と言うのは、一般的には音程やリズムを正しく表現できない人のことをいいます。

歌うということは、自分が出した声を自分で聞きながら大脳に記憶して、これを必要なときに何度も発声器官を通じて再生するわけです。つまり、音と音の流れの記憶力がいるのです。

ですから、本当は、すぐにできることではないのです。

 

耳から入れてイメージをもち、声で再現する経験の繰り返しなしには誰も歌えないのです。耳に厳しいオーケストラの指揮者でも、かならずしも安定した歌を歌えないのは、そのためです。聞くのと歌うのは、違うのです。

 

トレーニングをしないですぐにうまく歌える人は、小さい頃からどこかで必ずこういうことを知らず知らずのうちに声で発しては正してきたわけです。

ですから、音痴だと思っている人でも、慣れの違いからの差にすぎません。充分な訓練さえすれば、誰でも正確に歌えるようになるのです。

 

ほとんどの人は、そこまでやっていないだけなのです。あなたの話すことばのイントネーションが、まわりに理解できないほどおかしくなければ、耳も声も問題ありません。

 

○音感は徹底的に鍛えよう

 

聞こえてくる音が、どの音であるのかを瞬時に判断できるのを絶対音感といいますが、これは必要ありません。必要なのは相対的な音感です。

ポップスでは、キィの移動で歌うようなことが、よくあります。また、転調で曲の途中でキィが変わるときにも、すぐに対応できなければいけません。

ですから、コード(ベース音)にあわせて音を捉えられる力が必要です。

 

伴奏がなくても一人で歌える力が、基礎としては、必要です。テンポ、リズムも音感も、伴奏に頼らず、1曲歌い切る力が欲しいところです。たくさんの優れた音楽を聞き込んでおくことが、そのバックグラウンドとなります。

 

 

[音感をつけるトレーニング]

音感をつける練習にも、いろいろとあります。

歌をヴォーカリストだけでなく、キーボード、ギター、ベース、ドラムスとパート別に聞きます。できたら、それぞれを声を出してとってみましょう。

ピアノででたらめな音を出して、その音と同じ音を出してみる。ジャズのアドリブをコピーするのもよいでしょう。

単音でも、少し長いフレーズでも構いません。自分の声のもっとも出やすい音域でやってみてください。次にどんなフレーズも、そこに移調してやってみてください。

私は、ピアノの音を極力与えないでスケールや発声練習をさせます。楽器のプレイヤー用教材(音源、フレーズナビ)などを利用すると効果的です。