○頭を使うな!身体と神経を使え!
頭で考えて、高い声を出そうとすると、喉から上で声になりそうなところに
声の出るところを変えてしまって、つけ焼き刃的な声をつくってしまいます。
口を大きくあけたり、舌に力を入れたりすると、確かに一瞬、高いところまで出るものです。
ただ、そのときの声の質は高くか細く、身体とのつながりは切れています。
これは、身体や感覚がその音を出せるところまでできていないので、
喉や舌など動きやすいところが働いて、それらしくしているだけなのです。
これが、くせをつける大きな原因となります。
(それを高音発声技術とする人もいますが、そういう方法は、
気づきのきっかけになる人もなかにはいるというくらいのもので、
高いレベルでの実践には、とても使えません。
後でそのくせをとる方が難しくなります。)
このようにつくると、この音から2~3音から上が、
いつまでたっても声としてできてこないようになります。
さらにくせを固めることでは、自分の首をしめることになるのです。
最初は、声にならなくてもよいから、声を身体から切り離さないことです。
今の自分の感覚と身体が対応できるだけのものなら、
すでに歌でもできているはずです。
そうならないとしたら、それは方法を知らないのではなく条件が足らないのです。
それを方法のせいにすることがおかしいのです。