共鳴 | 声、語り、歌、ヴォイストレーニング1日1話

声、語り、歌、ヴォイストレーニング1日1話

歌手、声優、俳優、芸人、ビジネス、一般、声に関心のある人に。
プロ、トレーナーも含め、トップレベルのヴォイトレ論を展開します。

さらに学びたい人は、一流になるための真のヴォイストレーニング https://vccarchive.hateblo.jp/

○共鳴

 

音が空気中を伝わるのは、音の波、つまり音波となるからです。

音の出てくるところは音源です。

ピアノでは、鍵盤を弾いたとき、

ピアノの中でその小ハンマーが弦を叩いて、音を出します。

バイオリンは弦を弓ですります。

トランペットは、マウスピースがついています。

ヴォーカリストで、その役割を果たしているのは声帯になります。

 

この声の原音(喉頭原音)は、鈍く音楽に使いようもないのですが、

これを楽器の本体である身体(声道)が共鳴させます。

そこで美しい音色が出るわけです。

 

ピアノも、バイオリンも、トランペットもドラムも楽器は、

共鳴する空間があります。

その音が、空気中に波となって伝わり、私たちの耳に届くのです。

ピアノ、バイオリンやギターのボディのなかに布をつめてみると、

ひびかなくなってしまいます。

 

ところが、多くの人は、声に対して、平気でこれと同じようなことをしているのです。

力をいれることは、共鳴を妨げます。

喉、あご、舌、頬、肩、首、このようなところに力を入れると、

声帯がうまく共鳴しなくなります。いわゆる喉声になってしまうのです。

 

簡単にいうならば、声がうまく出ないというのは、

この共鳴が妨げられているということです。

(もうひとつは、声帯そのものの問題がありますが、

これは日常会話に不自由しない人には、ほとんど関係ありません。

むしろ「声のポジション」の維持の問題の方が大きいでしょう)

 

会話はしっかりとした声でできるのに、歌になると、

途端に声がうまく使えなくなる人は、歌うことを一時忘れてください。

歌声よりMCの声の方が大きい人は、基本をやり直しましょう。

 

1分間に200回から400回も振動して声帯がつくりだす音をどう活かすかは、

理屈ではありません。

ですから、最初はあまり発音とか音高にこだわらず、

声をしっかりと出すことに専念してみるべきです。