○4フレーズを完成させる
喉に負担のかからない発声を覚えていくと、かなり大きな声で続けて歌っても、喉は疲れません。そういう声で、半オクターブくらいの声域で試みましょう。
歌うときに大変なのは、曲が1オクターブ半くらいの音域があるのに、日頃、そんなに幅広い声域で声を使っていないからです。
日本人の話声域は、3度くらい(ドレミ)ですが、外国人は1オクターブくらいあるようです。
ピアノのレッスンで、1曲を練習するなら、やさしいところから入って、難しいところはあとで集中的にやるのに、なぜ、いきなり1曲をマスターしようとするのでしょうか。
まず、曲のサビの部分、4~8フレーズばかり、これは大体、高音で盛り上がっているのですが、このキィを、あなたの中音域の高めから、まん中あたりに下げます。(Aメロ、Bメロでもかまいません)
無理のない発声でできるところで、メリハリをつけやすい音域にします。すると、声がていねいに扱えるところで歌えるわけです。音程、リズム、発音の問題が解決しやすくなります。
原曲のキィに影響されず、自分にとって、もっともよいテンポやキィで行うことです。これを見つけていくのは、案外と大変なことです。しかし、自分のオリジナリティ=勝負所を発見するのには、もっとも適した練習方法です。
フレージングは、曲の解釈の仕方や表現したいものによって異なってきます。わからないうちは、メリハリのある曲のその部分をコピーしてみるとよいでしょう。まずは、曲の大きな流れと、それぞれの部分の役割(味)をしっかりとつかむことです。
とにかく日本人の歌う歌や合唱では、音域が高めにシフトしすぎています。その結果、何十年続けても、ちっとも声が出てこないと思いませんか。自由になるべきはずの歌で、発声を固めている証拠です。テンポも速すぎることが多いようです。歌い手中心に決めていないからです。
[フレージングのトレーニング]
1.息を吐く(深く短く)
2.息を吐く(長く)
3.ミレドで「ラーラーラー」
息の上に「ラ」ということばをおいていくような感じ、
「ラー」「ラー」の間が途切れないようにする
4、曲のなかのフレーズで応用してください。