ヘッドヴォイスよりも胸声の共鳴
発声練習をみると、浅くカン高い声をのどを絞ったり、上にあてて出そうと、わざわざふしぜんにしているような気がしてなりません。
相手を説得するには、少しはドスのきいた声がいるのです。高い声は、ゴマすりのためにはよいし、相手の気分もやわらぎますが、それだけでは単調で飽きられます。美声でずば抜けているならともかく、日本人の発声は、総じてふしぜんです。
表現活動というのは、相手に働きかけるのですから、地に足のついた声、胸についたしっかりした声、話せる声を意識しておくとよいでしょう。高い声というのは、その上に構築されるのです。
このイメージがないと、なかなか声というのは変わりません。外国人のキャスターやレポーターの声を聴く機会も多くなりましたが、どうですか。その声は、しっかりと地についた、落ち着きのある声ではありませんか。
[声のイメージを変える]
次のようにイメージを変えていってください。最初は、上の方が3で下が1ぐらいの声しかない人が大部分です。それをまず(頭)3 → 10にしようとしても、支えがないところに発展はありません。そこで、まず(胸)1 → 5とする。すると、頭の方にも5のヴォリュームが出てきます。
それを繰り返すときに、トレーニングとしては、低いほう、胸声を基準としていく方が、安全かつ確実なのです。
次のことばをなるべく、しっかりと太い音色で言ってみましょう。
1)ハイ
2)青い空
3)真っ赤な太陽
4)なんだかとってもよい気分です。
口のなかでつくらないようにしてください。外国映画などのせりふを利用するのもよいでしょう。