○「声の芯」とひびき
いうなれば、「声の芯」をつかんでおくと、しぜんと声がひびいてきます。
そのひびきを拡散するのでなく、絞り込んで活かすようにするのです。
トレーニングでは、ひびきそのものではなく、「声の芯」をつかめる域を伸ばしていきます。
そこから、そのひびきを「縦の線」、上(胸中からみけんや頭のてっぺんへの線)に
イメージして焦点を絞るとよいでしょう。
高音(1オクターブくらいのなかでの)というのは、
深い息、深い声、強い身体とその結びつきという条件がそろって、
初めて本当の意味で自由になります。
そうでない高音は、抜いたり逃したりしているわけです。
ポップスでは、それも使えますが、応用と捉えた方が可能性が大きくなります。
中低音が、あるレベルでおちつくまで、あまり声域は気にしない方がよいと思います。
声を深くすると、一時、声域が狭くなったり、高音が出にくくなることもあるからです。
ただし、トレーニングで得た身体の強さ、それによってつくり上げた柔軟な声は、
一生の財産となります。
「声の芯」は、高域での発声時にも、いつでも戻れるところとして残しておくことをめざすのです。
これが深い声になって身体と結びついていくのです。
(最初は、高い声になると、すべて、特に喉が高くシフトチェンジして戻せないものです。)
[同じ音を太くするトレーニング]
1.深く絞り込んだ息を身体から流す
2.その音域でなるべく深いところで出る深い声をみつける
3.確実に声にしていく。できる限り、深い声でとる(ただし、喉を使わない)
声がどうしても口先でしか出ず、ちょっと無理すると喉にきてしまうときは、
思いきり口の中、喉を開いて、お腹の底の方の声を出してみてください。(イメージ)
このようなことを積み重ねると、声を出すのに必ず身体を使うようになります。
身体で声を出すことがしぜんとできるようになると、
結果として、身体を使った分だけ声が出るという感じになります。
ただし、無理に続けすぎて、喉を荒らさないように注意ください。