○声をつかんで自由に描く
「声の芯」というのは、息を身体から吐いたときに、
すべて声に変換できるポイントのことをイメージしてください。
このポジションが深いと、声は使いやすくなります。
日本人の場合は、身体から声を出すのが苦手なのですが、
これは、深い発声ポイントである「声の芯」をうまくつかめていないからです。
(イメージです)
自由に声で伝えたいなら、息を自由自在に扱えなくてはいけないのです。
その流れが声になったのがせりふや歌です。
この「声の芯」ができてきたら、あまり意識しなくとも、
声量やメリハリはしぜんに出てきます。
まわりの人からあなたの声が、通る声として、評価されていくでしょう。
高い声にもひびきが集まるようになり、声域問わず、発声も安定してきます。
このあたりは、イメージで伝えるにも、難しいところです。
ある量をこなすところまでは、細かいことは気にせずに、
地道にトレーニングに励むことです。
細心に神経を使って行うことは、頭であれこれ悩むこととは違います。
続けることによって、自らのもつ身体、息、声とともに、
自らのオリジナリティに根ざした才能を見いだしていくことです。
「ブレスヴォイストレーニング」は、声をつくるトレーニングといっていますが、
別のことばでいうと、「深い声をとりにいく」、「深い声を養う」トレーニングともいえましょう。
声がきちんととれていれば、息をコントロールするだけで、
長く伸ばしたり、大きく出したりできるのです。
これは、あたかも筆先に充分、墨をつけた筆に似ています。たっぷりと墨がついたら、あとは、筆を自由奔放に動かしていけばよいのです。
発声がうまくいかない人は、この筆先にきちんと墨がのっていないのです。☆
イメージがあっても、身体=息に声がのっていないのです。
ここでは、墨が声、字がせりふ、流れが歌ということです。