○しぜんに身体からの声が出せるようになるまで続けること
口先で歌う方が楽であるなら身体はいつまでたっても動きません。その必要がないからです。
これでは、発声に、しぜんに身体を使うなどということは、土台、無理なことです。
歌では、リズムも音程もくずれず、まとめることが最優先されがちです。
ステージでは、声や身体のことなど考えていられないからです。
ですから、結果として身体が使えているという状態になることをめざすのです。
少しでも声を出すと身体が動くし、身体のフォームで声をコントロールできる。
密接な声と身体との結びつきによってのみ、このようなことができるようになります。
身体が伴わなくても、大きな声、高い声の出せる人はたくさんいますが、伝わる表現にはなりにくいものです。
そのうち、身体との結びつきを実感できるようになります。
身体が強くなると、意図的に働かせられるようになります。これは理にかなった負担だからです。
腹筋にこたえたとしても、一日寝れば戻ります。
しかし、喉に負担がくると、雪だるま式に負担がふくらみます。
喉が疲れると、声のコントロールができなくなります。
声になりにくいと、どこかに力が入り、悪い癖がつきます。
それでも声は出るし、音はとれるので歌にはなりますが、
繊細にコントロールするには限界になってしまうのです。
まして完全な表現力にはおぼつきません。