◯お腹とのつながり
トレーニングですから、どこかの力が確実につかなくては意味がありません。
それを全身の感覚、呼吸を支える筋肉群に負わせるということです。
重いものを手に乗せて何度も投げる練習をしているうちに、腕の力はフォームにそって強くなっていきます。それと同じように、声を出す力も鍛えられ、声も遠く飛ぶようになってくるのです。
このように、フォームづくりにイメージをもつことで、身体、息と声を一体化するのです。
つまり、トレーニングにおいて、声と身体の関係は、砲丸と大砲です。奥までしっかりと詰め込まれた砲丸は、1発打ち込むごとに、その反動を身体全体で受けます。身体は強くなっていきます。
ここでは、それが目的です。それを発声や歌唱と混同してはなりません。
つまり、重い球を打ち出そうとするなら、その反動の大きさを最初のトレーニングから大きくするように目指すからです。すると、そのままパワフルなレベルに耐える呼吸や発声となるからです。その声で歌いなさいというのではありません。(スポーツ選手で、腕立て伏せをして、すぐ試合に出る人はいないでしょう。)ただ、そういう声を持っていると、有利であるということです。
声に身体がついているということは、息を吐くだけで声になるということです。小さな声が、ぶれないで使えます。また、そのまま、すぐに大きくしたりシャウトしたりすることができます。声のコントロールは、こういう身体ができてこそ、初めて自由になるのです。