声域より声量を | 声、語り、歌、ヴォイストレーニング1日1話

声、語り、歌、ヴォイストレーニング1日1話

歌手、声優、俳優、芸人、ビジネス、一般、声に関心のある人に。
プロ、トレーナーも含め、トップレベルのヴォイトレ論を展開します。

さらに学びたい人は、一流になるための真のヴォイストレーニング https://vccarchive.hateblo.jp/

○声域より声量を

 

自分の話している高さの音をピアノの真ん中のドくらいとします。

(人によってはラーミくらい、男性は、実際は、その一オクターブ低い)

 

このときに、たとえですが、50のレベルの声量があったとします。すると、初心者はその上のソが30くらい、一オクターブ上のドになると、15ぐらいの声量となります。

発声練習では、さらに、そのドの上にあるミが10ぐらい、ソが5ぐらいとなっても、そのまま声の届く線で伸ばして声域を広げようとします。

 

これが歌になると、一番弱い線でそろってきます。

ですから、上のミやソを使う限り、すべて10以下の声量でしか歌えなくなるのです。

下のドだけなら、50も出るはずなのに、その音でさえ歌のときには10~30になってしまうのです。

 

今、最大に出せる声を使えず、高音で出にくい音の声量に合わせていく練習では、声量がついていくことはありません。体が離れてしまっているからです。

声域だけを考えると、声量や音色など他の要素を無視した練習になるのです。声域が広がっても、どこも歌として通用しません。

 

まず、下のドの50を80に近づけましょう。

同時に少し高いソの30も50くらいに近づけていきます。

最初は、一オクターブ上のドを上限として、そこまでの一オクターブすべてが50に出るまで、それより先の高音に進みません。

 

すると、それができた時点で少なくとも50の音量で一オクターブを歌えるわけです。

その一オクタープでも充分に聞かせられます。

それから、その一オクターブを100に近づける、同じことを上下の声域に少しずつ広げていけばよいのです。

 

※歌で高い声域を使ってみることはかまいません。練習のメインにしないということです。