○発音からの解放
浅い発声では、フレージングで息の流れの上にことばが乗りにくくなるのです。
たとえば「イ」と「ウ」で声の出にくい人は、このことが問題です。
考えるまでもなく、世界にはいろいろな言語があるのです。
それを、音楽とはかけ離れた、浅い日本語の五音の発声に限定するのは望ましいこととはいえません。
後々も、「イ」「ウ」が、いつまでも「ア」「オ」「エ」と異なる点で捉えてしまうと、一つの線になりにくいのです。「ア」と「エ」の間の音も、「ウ」と「イ」の間の音も無数に存在するのです。
発音でなく発声を優先に、できるだけ自由度をもたせておくことが、トレーニングとしては大切です。声やことばの根っこを捉えることを、できるだけ優先するのです。
今、使っている日本語と一時、お別れしましょう。
50音に関してのトレーニングは、体からの声で行なってみてください。
読むなかで、発音よりも先に音色、リズムやメロディを感じていくようにしてください。