トレーナーとしては、できることなのにやれていないことを指摘します。
大体は、力をセーブせずに出させることから導きます。
もちろん、声は力づくに出してはよくありません。
心身の問題が絡むだけに複雑です。
できないことをやらせて、それを直したり教えたりすると、
より大きな間違いが生じかねないのです。
これは、課題として、これから取り組むべき問題となってきたことを示しているのです。
その場で解決できるとは限らないのです。
その区別をはっきりと示せたらよいのですが、
相手によっては、いたずらに迷わせてしまうので難しいのです。
先の例でいうと、本当は、その高さの声は、
本人の体では、しぜんにできなかったから、引っかかったのです。
それを口先で直そうとすると、動きやすいところが動きます。
のど、舌、顎、口の中など、力が入ってはいけないところに力が入るのです。
考えて動かすのですから、動かすことのできるところしか動きません。
しかし、そこは動かしたり、力を入れてはいけないところであることが少なくないのです。
力が入ったところは、ひびき出し、くせとなっていくのです。
それを知った上で、一時的な方法として使うのは仕方ないこともあります。
それでクリアしたと勘違いさせるからいけないのです。