常勝の運動部では、下級生のときにはボールには触らせず、
体力づくりと上級生のプレーの見学だけをさせるところが多いようです。
最初からボールを与えるよりも、その方が真の上達に効果があるからです。
一つのプレーをするのに、それをこなせるだけの体力、筋力、そして判断力がなくては、プレーそのものが確実な上達をしません。イメージをもった上で体全体でこなせないと、正確に使えるまでに至らないのです。
これには、もう一つ、大切なことがあります。それは、忍耐して自ら求める心、技を盗む心を植えつけ、それを発揮させる自主性を身につけることです。
上級生のプレーを見ることによって、早くボールに触ってプレーをしたいという願望をより強くします。プレーのよし悪しの判断力もつくでしょう。ちょっとした油断での失敗もみて学ぶでしょう。
安易に教えてもらうより、じっと見て、自ら学ぶ力をつけて育つということです。
そこから観察力や判断力が養われます。技がどこでどう使われるのかを大局的に見て、それを欲して、ものにしようとして覚えるのです。
※スポーツというのは、体にものを覚えさせるときの例としてはわかりやすいのと、実際、スポーツをやってきた人には伝わりやすいからです。