しっかりと大らかに充分に体を使って心を込められる、これがめざすべき声です。
そのために足らないことを補強し、強化することがトレーニングの基本だと思います。
それを忘れて、目先の発声、自己陶酔的な感情移入、
自己満足だけのくせ声で終わってはもったいないことです。
そこで急ぎすぎるといつまでも基礎が身につかないことになります。
声、息、体の基本的な使い方を覚えてから、
ことば、音程、リズムなど、音楽的な要素の確認に入りましょう。
指を動かしているうちに腕から動き、やがて腰も入ってくるというのは、
独学でのピアノの稽古での上達法なのかもしれません。
これは、楽器が最初から完成品としてあるからできることでしょう。
声に関しては、目先から直していく方法は、一時しのぎでいつまでも力とならないことが多いように思います。つまり、部分的に動くところで間に合うと思うなら、体が動かないのです。