聞くこと | 声、語り、歌、ヴォイストレーニング1日1話

声、語り、歌、ヴォイストレーニング1日1話

歌手、声優、俳優、芸人、ビジネス、一般、声に関心のある人に。
プロ、トレーナーも含め、トップレベルのヴォイトレ論を展開します。

さらに学びたい人は、一流になるための真のヴォイストレーニング https://vccarchive.hateblo.jp/

お稽古ごとの師匠は、弟子入りを望んできて、住み込ませた者に、直接、レッスンをしなかったといいます。外から習いにくる生徒のレッスンの様子を、仕事の合間に、戸の外から耳を澄ませて聞いているのです。

師匠と生活するわけですから、その方面のお客さんが来るので、いろいろ裏の話が聞けるのです。「門前の小僧、習わぬ経を読む」ということです。

 

これは、芸事だけでなく、人間社会での活動全般に通じます。

舞台を支えている力には、他の人とのやり取り、交渉、マナー、感情表現、心配りなど、さまざまなものがあるのです。

ヴォイストレーニングのレッスンが、この内弟子修業のようなものになればよいのですが…。

 

すぐにでも人前で歌わないと遅れを取ってしまう、と思う気持ちはわかります。

早くから歌い始めている人が多いので、それをみて気持ちだけ焦っている人、バンドや音楽スクールを次から次へ多く変えている人もいます。

しかし、すぐに歌ってしまうから歌がわからないし、いつまでも歌えないともいえるのです。

 

 

※今の日本の現状では、皆がうまくて出てくるのが大変だとか、自分はこんなにうまいのに誰も認めてくれないという状況からは、程遠いのではないでしょうか。

最も大切なことを忘れているから、一流と言われる歌い手が出てこないのです。何を焦って、急ぐ必要があるのでしょうか。