まとめることと総合力 | 声、語り、歌、ヴォイストレーニング1日1話

声、語り、歌、ヴォイストレーニング1日1話

歌手、声優、俳優、芸人、ビジネス、一般、声に関心のある人に。
プロ、トレーナーも含め、トップレベルのヴォイトレ論を展開します。

音大生の歌うポピュラーが、歌にならないのは、説明できます。

声楽科の学生は、発声での器をつくっているのです。

発声中心で、歌うということが、まだついてきていないのです。

そこは、ヴォイトレであって歌唱ではないのです。

 

器を大きくしながら、その器を使いこなそうというのは、

不安定なプロセスですから、至難の技です。

 

その器を扱い切れないままに、声の出る声楽家よりは、

声量のないカラオケのベテランやアイドル歌手の方が

バランスがとれるので、うまく聞こえるのです。

それは、歌の印象というのが、まとめる力によるからです。

 

器の小さい人は、小さいからまとめやすいのです。

ですから、すぐに歌えるようにはなります。

しかし、そこから先には行けません。

 

これに反する例もありますが、

それは、声のハンディを補うものがある場合に限ります。

 

たとえばアイドル歌手は、そこをアイドルというかわいさ、かっこよさと

プロダクションの力で補っているのです。

アイドル歌手を見て、あのくらいなら歌えるというのは、比べても意味がないのです。

ルックスがあってこそ成立するのです。

それも立派な才能です。

 

その他にも、

詞や曲のよさやステージの斬新さで

もっているシンガーソングライターも、

たくさんいます。

 

ヴォーカリストの力というのは、

その人の総合力、ステージでの演出力ですから、それでもよいのです。