声、語り、歌、ヴォイストレーニング1日1話

声、語り、歌、ヴォイストレーニング1日1話

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○大きなうねりを感じながら

 

 波やうねり、ボールのバウンドととらえてもよいでしょう。

つまり、最初にひとつ大きなフレーズをつくると、

あとは、その勢いでいくつかの小さなフレーズが、

動きのなかに出てくるということです。

 

 小刻みにブレスすると、この大きなうねりが

なかなか出てこなくて、のりにくくなりがちです。

 

 日本語が1拍1音ずつついて、抑揚なく間伸びしてしまい、

ことばのなかにリズムが出にくいからです。

 しかし、日本語をメリハリの効く、

あたりまえのことばに変えていけばよいのです。

 方言やべらんめえ調も参考になるでしょう。

 

○フレージングは大きく捉える

 

 どうですか?大分感じが違ってくるでしょう。

これが、フレージングの使い方による差です。

 

 日本人は細かく切ってとらえますので、

歌を全体的につかんで大きく表現することが苦手です。

楽譜通りに小節単位のように歌ってしまうのです。

 

 それに対し、外国人などは大きく曲をとらえることが

多いように思います。

細かい感情が入らないようでも、フレーズのとり方が大きいため、

大きな感情のうねりのなかに、気持ちよく聞かせてくれるのです。

 

 音楽として過度にストーリーに頼らず、

聞き手にその演奏の解釈を委ねている度合いも大きいのでしょう。

 

○ことばのメリハリから、フレージングを考える

 

次の詞を3パターン違うように表現してみてください。

 

1.あおい そらに むかって

  いのち いっぱい さけんだ

  おれと おまえが

  生きている それだけさ

 

2.「いつものさかばで」(ミ ファ ソ ファ ミ ミ レ ファ)

 

「いつものさ、かばで」と聞こえないように、

「いつも の さかば で」としっかりと伝えましょう。

「すてきな」が「ステーキー」になったり、

「こいは」が「小岩」になったりしないようにしましょう。

 

 

□日本語は、最初のことばの音は、はっきりと言うことです。

(とくに出だしと間奏のあと)

 沈黙を打ち破るとともに、あなたの世界を提示するのですから、

きちんと聞こえなくてはなりません。 声量は問いません。

 

□出やすくひびきやすい音は、出し過ぎないように少し押えます。

勢いをつけて出すと雑音(ノイズ)が出るからです。

そういう性質をもつ音としては、次の音があります。

「き、さしすせそ、ちつ、ひ、がぎぐげご、ざじずぜぞ、ぢづ、ばヴィブべぼ、ぱぴぷぺぽ」

 

□「AIUEO」で始まる音は、流れから切りとり、発音しなおすとよいでしょう。

□「ん」はしっかりとひびかせるようにしてください。ハミングのように意識しましょう。

□鼻母音、「か゜き゜く゜け゜こ゜」は、「がぎぐげご」にならないように。

□助詞、語尾は弱めにした方がよいこともあります。

○フレージングのイメージづくり

 

 フレージングは息の流れに逆らわないようにのせていきます。

ですから、イメージとしては崇高で威厳があって、

ふところが深い声でもっていくことを想定すればよいでしょう。

 

 一つひとつの声を余裕をもって力強く柔らかく出します。

 

 原則として、前のイメージをキープし、次のイメージへつないでいきます。

そこで、気持ちを切らずに、どのくらい大きく切りかえられるのかが問われます。

それには呼吸の切りかえが必要とされます。

 

○フレージングでのトレーニング

 

1.1-2 3-4 5-6 7-8

2.1、2-3 4 5 6-7 8

 

 

例「すべてがわたしのなかで生きづいていた」

 

 一言で言いきってみましょう。このとき、1つひとつのことばを身体でしっかりと押え、すべてのフレーズをそのことばの流れの上で1本化してとらえます。

バラバラに口先からどこへ飛んでいくかわからないようにガナリたててはいけません。

方向はひとつ、その声で一つひとつのことばをたたみかけるようにしっかりとつないでいくのです。

 

 フレーズをこま切れ、ブツ切れにすると、メロディ、フレージングと、リズムも失います。もちろん気持ちが途切れてはなりません。

このとき、息をしっかりと流さないと、その脈や流れが出てこないのは、何度も言った通りです。

 

 もうひとつ、気をつけたいのは、ことば、あるいはフレーズの最初と最後(発生と終止)のところでは、少なくともトレーニングは同じポジションで声をとるということです。

とくに、喉で息を切ったりして終わると次のフレーズで声が出にくくなり、裏返ったり、フレージングがうまくいかない原因になります。