どうも、福村康廣です。

前回に続き、ドイツのワインと醸造についてご紹介します。
■クレメンス・ブッシュ
クレメンス・ブッシュは、テラッセン・モーゼルに位置するワイナリーの一つです。
現当主のクレメンス・ブッシュ氏は祖父の手ほどきを受けて1974年からワイン造りをスタートし、現在では16haものの畑を所有しているとのこと。

モーゼル地方のワインは、ラインガウと並びドイツを代表する存在であり、いわばドイツワインの代名詞ともいえるでしょう。
シャープかつ綺麗なテイストで、酸と甘みのバランスが絶妙な味わいです。

モーゼルのリースリングは一般的にスレートと呼ばれる粘板岩の色ごとに個性があり、これがワインのスタイルを決める重要な要素であると一般的には知られています。
その中でクレメンス・ブッシュ氏は「それ(スレート)だけではなく、ワインの味わいは畑の向きや斜度、標高の微妙な違い、風通しなどから影響を受けるミクロクリマ(局地的な気候)なども重要だ」という論を唱えました。

「土地それぞれの個性を表現する」という風潮は現在でこそ主流な考えですが、クレメンス・ブッシュ氏は1984年当時からその重要性に気づいていた稀有な人物です。
これを実践するため、所有する土地での栽培方法をオーガニックへとチェンジし、ドイツ初のオーガニック栽培を手掛ける生産者団体『OINOS』(ギリシャ語で「ワイン」の意)を、同じ志を持つ8人と共同で立ち上げました。

クレメンス・ブッシュ氏が真に実力のある生産者であることは、さまざまな手間暇を惜しまず、化学肥料や農薬を使わない栽培を行っていることからも明白です。
そうした功績から、クレメンス・ブッシュ氏はドイツワイン評価におけるバロメータとなる『アイヒェルマン』誌にて、最高位の5つ星生産者に選ばれています。

【代表的な商品】
クレメンス・ブッシュ リースリング マリーエンブルク・ファーライ グローセス・ゲヴェックス
タイプ:白ワイン/辛口
品種:リースリング

黄色系果実を糖漬けにしたアロマ漂うワイン。力強さがありながらもクリーム系の質感が特徴的でジューシーさを際立たせています。塩味を含んだ長いフィニッシュにも繋がっています。

【相性のいい料理】
生サーモン、スモークサーモンを使ったサーモンのタルタルと相性が良いようです。また、ムール貝や牡蠣、海老、ホタテ、ウニなどの海鮮にも合うとのこと。

どうも、福村康廣です。

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■シェーファー・フレーリッヒ
シェーファー・フレーリッヒはナーエの地で200年以上に渡りでブドウ栽培とワイン造りを行ってきたワイナリーです。現在は、当主のティム・フレーリッヒ氏と妻のニコール氏がワイナリーを運営しているようです。また、フレーリッヒ氏の妹・メイケ氏とそのパートナー・マットゲンハイマーが仕事をサポートしているそうです。
ティム・フレーリッヒ氏がブドウ栽培とワイン製造をスタートした1995年以来、彼は優秀な造り手として高評価を受け続けてきました。2010年には「ゴーミヨ」の最優秀生産者に選出され、『ゴーミヨ・ワインガイド』では最高評価の5つ房評価を獲得。めざましい急成長を遂げたワイナリーです。

フレーリッヒ氏はいくつかのポリシーを持っているそうです。それは、多様な土壌タイプの畑を所有すること、非常に急斜面の土地に畑を持つこと、ワインにテロワールをはっきりと映し出すことだそうです。
フレーリッヒ氏が持つ20haの畑には、リースリングが85%、ブルグンダー種が15%栽培されています。異なる土壌を持つ急斜面の畑はまさに圧巻の景色だそうで、妥協を許さない完璧な仕事ぶりと、テロワールへのこだわりが表現された、独特な個性のワインが生まれるのだといいます。

そうしたワイン造りへの完璧主義的な姿勢を保っているからこそ、現在の評価に繋がっているのでしょうね。

【代表的な商品】
シェーファー・フレーリッヒ ナーエ ヴァイサーブルグンダー QbA トロッケン 2016
タイプ:白ワイン/辛口
品種:ヴァイサーブルグンダー

メロン、梨、桃などの熟した果実の風味、ハーブのニュアンスが見られます。口当たりは丸みを帯びて柔らかく、ミネラルと酸が程よく調和したバランスの良いワインです。残糖が低いドライな味わいですがクリーミーな香りも感じられます。

【相性のいい料理】
鶏や魚といった白身の肉、キッシュとの相性が良いそうです。

どうも、福村康廣です。

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■エムリッヒ・シェーンレバー
ドイツ南西部ナーエのモンツィンゲン村位置するワイナリーの一つで、250年以上も家族経営でワインを営んでいるといいます。
現在は、ウェルナー・シェーンレバー氏と息子のフランク・シェーンレバー氏が主としてワイン造りを行っているそう。高品質ワインの生産者の登竜門である「プレディカーツ・ワイン生産者協会(VDP)」への加盟を許された名門ワイナリーです。

ウェルナー氏はブドウ栽培をはじめ、土壌の改良にも気を配る完璧主義で知られているようです。そうした土づくりを重要視する姿勢は「健康なブドウは良い土質から」という信念から来るもの。ブドウを大切に手作業で扱い、ブドウの葉が風通しの良い環境で過ごせるよう枝を整え、生育状況に合わせた収穫量を確保しているそうです。

さらに、ブドウから抽出した果汁以外のすべてを土壌に戻し、必要に応じて自家製の堆肥を施していることも同ワイナリーの特徴の一つ。大変な手間と時間をかけて、こだわりのワインを造るプロフェッショナルです。

【代表的な商品】
エムリッヒ・シェーンレバー リースリング ミネラル クヴァリテーツヴァイン トロッケン 2016
タイプ:白ワイン/辛口
品種:リースリング

白い花やハチミツ、柑橘類などを織り込んだ香りと、ミネラル感をたっぷりと含んだ芳醇な味わいが特徴です。辛口であっても「少なくとも2年、できれば3~5年寝かせることで飲み頃を迎える」とされ、ポテンシャルの高さを感じさせてくれます。

【相性のいい料理】
食事との相性が良いとされています。中でも和食との相性が良く、多様なマリアージュを楽しめるそうです。

どうも、福村康廣です。

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■デーンホーフ
デーンホーフはナーエの中央部、オーバーハウゼン村に位置するワイナリーの一つで、18世紀の後半より上質なワインを生産し続けているといいます。
1920年代からリースリングを植樹し、畑名でワインを瓶詰めして販売をスタートしました。
創立者の孫のヘルムート・デーンホーフ氏がデーンホーフのリースリングを世界的に成功させ、現在はコーネリウス・デーンホーフ氏が中心となってワインを生産しています。

デーンホーフは28ヘクタールの畑を所有し、うち80%ではリースリングを栽培しているといいます。
その樹齢は15年から65年、平均収量は約50hl/haだそう。ミネラルやスレートを多く含有した火山性の斑岩により、良質かつ力強いミネラルが感じられるリースリングを生産しています。
デーンホーフのワインは優雅で深みがある印象。様々な畑の個性をワインで明瞭に表しています。

【代表的な商品】
デーンホーフ ナーエ リースリング トロッケン 2020
タイプ:白ワイン/辛口
品種:リースリング

レモンのような淡い黄色で、ほのかにグリーンのトーンもあることが印象的です。フレッシュで気品のあるアロマが特徴的。レモンやライムなどの柑橘類に白桃、青リンゴ、マスカットの香りがあり、石のようなミネラルのノートも豊富に感じられます。弾けるようなさわやかな飲み口で、鮮烈な味わいも楽しめるとのこと。酸味がしっかりとしてきめ細かく、生き生きとしたミネラル感が軸となっています。アルコール分が抑えられているので透明感が引き立っていますが、フィニッシュはすっきりとしたエレガントな余韻が楽しめます。

【相性のいい料理】
牡蠣、海老料などのシーフード料理をはじめ、サラダや焼き野菜のマリネ、シャルキュトリー(ハムやソーセージ、パテ、テリーヌといった加工肉の総称)などと相性がいいようです。

どうも、福村康廣です。

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■ホルスト・ザウアー
ホルスト・ザウアーはフランケンの有名なワイナリーの一つです。オーナーのホルスト・ザウアー氏は、わずか1.5haの小さなブドウ畑を父から引き継ぎ、1994 年には5haに増加させる手腕を発揮した名オーナーです。その後もザウアー氏の地所は順調に拡大を継続し、2013 年には16.5ha、2023 年には21.6haにまで広がりを見せました。

その手腕は華麗な受賞歴にも表れています。ホルスト・ザウアーはフランケンにある数々の有名ワイナリーを追い抜き、ロンドンで開催されたインターナショナルチャレンジにて最優秀賞を受賞。2002年には、世界最高峰の甘口ワインが選ばれるボトリティスワイン賞を獲得しました。

石灰質のミネラルが豊富な土壌で育つフランケンのシルヴァーナーは、硬質なミネラル感をしっかりと確かめられるワインに仕上がります。中でも質の良い物は粘り強く腰のあるテイストで、その中にも心地よい酸味とほろ苦い奥深さを感じることができます。その味わいはリースリングを凌ぐほどとも言われています。

「ボックスボイテル」と呼ばれる楕円形のボトルは、フランケンの「QbA(指定栽培地域上質ワイン)」という格付けの白ワインにしか使用されません。味わいはもちろん、こうした点から見てもフランケンのワインがほかとは少し毛色が違うことが理解できますね。

【代表的な商品】
ホルスト・ザウアー エッシャーンドルフ フュルステンベルク シルヴァーナー トロッケン 2020
タイプ:白ワイン/辛口
品種:シルヴァーナー

透明感と暖かさを兼ね備えた深みのある黄色が印象的な白ワインです。白い花のフローラルな香りが特徴的。そこに甘みと酸味が混ざって持続し、白ブドウの皮のニュアンスが余韻として残ります。キリっとした酸味が感じられ、爽やかかつ軽やかな飲み口です。

【相性のいい料理】
サラダなどの前菜、ハーブを用いた白身魚の料理におすすめ。鶏肉や豚肉のグリルなどとも相性が良いです。特に、良質なシルヴァーナーでつくられたワインは肉料理と合わせるのも良いです。

どうも、福村康廣です。

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■ルドルフ・フュルスト
ルドルフ・フュルストはフランケンを代表するワイナリーの一つ。
1638年から家族でワイン造りを手掛けてきたそうですが、1979年に前当主のパウル・フュルスト氏がワイナリーを設立。
今ではドイツをはじめ世界中でも著名なワイナリーとして活躍しています。

フランケンと言えばシルヴァーナーの辛口白ワインが有名ですが、こちらは赤。
樹齢およそ50年のブドウの樹と、特級畑・ツェントグラーフェンベルクの若木をブレンドしているとのこと。古樽にて18ヶ月以上も熟成されているそうです。
バーデンなどはフランスとの国境にある比較的温和な産地ですが、フランケンは冷涼な産地のためブルゴーニュ系品種の栽培には適しておらず、霜害リスクを鑑みる必要性があります。そこで重要なのが赤色砂岩。水はけ、通気性、蓄熱性の良さが特徴の赤色砂岩を土壌とすることから、寒冷なフランケンでの栽培を可能としているようです。

初代オーナーのパウル・フュルスト氏は1989年よりおよそ10年もの歳月を費やし、フランケンから世界に通用する赤ワインを生み出したそうです。
パウル氏は、2003年のゴーミヨ誌で最優秀醸造家に選出。2019年には、ビュルクシュタット村を代表する特級畑・ツェントグラーフェンベルクを有名にしたことから、VDP(ドイツ高級ワイン生産者連盟)に表彰されています。

現当主のセバスチャン・フュルスト氏は、ガイゼンハイム醸造学校を卒業した後、国内外の著名な生産者を訪ね歩き、2007年にフュルスト醸造所に帰ってきたといいます。そうして2008年からは中心となってワイナリーでの醸造に携わり、2018年には当主に就任したそうです。

セバスチャン氏は前当主・パウル氏の醸造スタイルを踏まえつつ、本格的な全房発酵を取り入れる等の、先進技術を採用。洗練されたエレガントなワイン造りに取り組んでいるといいます。そうして、2018年にはファルスタッフ誌、2022年にはヴィノム誌にて年間最優秀醸造家賞に選出。最優秀醸造家賞を親子で受賞し、一つのワイナリーが3つの賞を獲得するという異例の事態を巻き起こしました。今もなお多くの評論家から注目を浴びているようです。

【代表的な商品】
ルドルフ・フュルスト トラディション シュペートブルグンダー 2021
タイプ:赤ワイン/辛口
品種:シュペート・ブルグンダー

赤系の果実やサワーチェリーのような香り、鉄分のようなニュアンスがわずかに感じられ、しなやかさと上品さがあります。味のまとまりが良く、料理なしでもずっと飲んでいられるほど。ワインの色合いが非常に薄いのは優しく抽出しているからでしょう。しかし、味も薄いというのではなく、むしろ繊細なアタックから上品な風味がフワッと広がるタイプのワインです。

【相性のいい料理】
生ハムやチーズとの相性が良好。甘味、酸味、辛味が複雑に絡み合う料理に合います。

どうも、福村康廣です。

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■ジーガー
ジーガーはバーデンを代表するワイナリーの一つです。1707年に設立されて以来、300年以上の長い歴史を誇る家族経営のワイナリーとして知られています。

ドイツで最も権威あるワインガイドの一つ 『アイヒェルマン』誌内にて、ベルンハルト・フーバーらと共に数少ない最高評価の5つ星を獲得した実績があります。

12代目当主のトーマス氏は、バーデン地方の枠組みを超えて、ジーガーというワイナリーを知名度の高いトップワイナリーへと変貌させた当人です。畑では除草剤や殺虫剤を一切使用せず、手摘み収穫と厳格な低収量にこだわっています。

ジーガーが手掛けるワイン造りの特徴には、ほぼすべてのキュヴェに新樽、旧樽の小樽を使うことが挙げられます。樽を使ったワイン造りの名手としても知られる同氏のワイン。年間生産数は僅か60000本ほどと非常に希少。現地の有名なレストランやホテル、 個人のお得意様への予約販売により、人気銘柄はすぐに完売してしまうのだとか。

【代表的な商品】
ジーガー シュペート・ブルグンダーRRR 2016
タイプ:赤ワイン/辛口
品種:シュペート・ブルグンダー

レッドカラントやラズベリーなどの複雑な赤系果実の風味。加えて、程良く焦がした木のようなスモーキーな樽の風味という、フレッシュ感と乾いたフレーバーが共存する稀有な味わいです。ドライハーブ、枯れ葉、乾燥したバラ、熟成肉など、多彩な風味がバランス良く調和しており、野生的でとても複雑な味わいが感じられます。柔らかい酸味と滑らかなタンニンのバランスが良く、長期熟成のポテンシャルも感じます。

【相性のいい料理】
炭焼きの鶏肉、たまねぎをソースにしたステーキなど、軽めの肉料理と相性が良いです。スパイス系の味わいとも相性が良さそうです。ビターめなチョコレートやナッツとも合うとのこと。

どうも、福村康廣です。

前回に続き、ドイツのワインと醸造についてご紹介します。
■フランツ・ケラー
フランツ・ケラーは、ドイツのバーデン、フォークツブルク・オーバーベルゲン村に居を構える家族経営のワイナリーです。
1893年にワイン貿易商として創業して以降、長きにわたり高品質なワインを輸入し、世間に広めてきた実績を誇ります。
実際に、現当主・4代目のフリッツ・ケラー氏は、ワイン生産者でありながら高品質なブルゴーニュとボルドーに特化したワイン商としても知られています。

フランツ・ケラーでは「ワインは一部の人の限られた嗜好品ではなく、料理のそばにあり、すべての人が楽しむものである」という考えをモットーとしているそうです。

しかしその味わいは大衆的なものではなく、非常に高品質であるとの評価を得ているそうです。
アイヒェルマン誌では最高の5ツ星評価を獲得。同2017年度版では「シュペート・ブルグンダー シュロスベルク」が赤ワインで唯一100点満点を獲得しました。
WA誌では「バーデンで最も素晴らしいピノ・ノワール(シュペート・ブルグンダー)を造る」と絶賛されています。
また、デカンター誌でもドイツワインTOP20にフランツ・ケラーが挙げられています。

フランツ・ケラーのワインは、料理と合わせることで魅力がよりいっそう開花するとされています。
それは、フリッツ自身がミシュラン一つ星のレストラン・シュヴァルツ・アドラーを経営する身であることからもうかがえます。
また、フランツ・ケラーは、バーデン地方のその他のワイナリーとは少し違うタイプ。力の抜けたスタイルながらも味わいは一級品という感じです。
他にはないユニークな個性が感じられるのが興味深いですね。

【代表的な商品】
フランツ・ケラー シュペート・ブルグンダー フォン ロス
タイプ:赤ワイン/辛口
品種:シュペート・ブルグンダー

サンザシやチェリー、ストロベリーなどの甘さが際立つ赤い果実のアロマが感じられます。果実のフレッシュさと心地の良い酸味に加えて、じわじわと広がるような旨みを持つ逸品。きめ細やかなタンニンが下支えし飲みごたえのある一本となっています。奥深さもあり、長く複雑な余韻も感じられる、長期熟成への期待も高まる味わいです。

【相性のいい料理】
「リンダールラーデン」というドイツ料理にピッタリだそう。
リンダールラーデンとは、マスタード、たまねぎ、ピクルスを薄い牛肉で巻き、ビーフストックやトマトで煮た料理のこと。
和食の場合は、甘酸っぱい梅じそとの相性が良好。豚ロースで巻いてタレを絡めるのがおすすめです。

どうも、福村康廣です。

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■ベルンハルト・フーバー
ベルンハルト・フーバーは、1987年に当時加盟していた協同組合を脱退後、醸造所を新設。シュペート・ブルグンダーの栽培に尽力した有名ワイナリーです。

ブドウ造りから醸造まですべてを管理するワイナリーとして、設立後からわずか20年あまりでワインガイド誌「ゴーミヨ」の2008年度最優秀醸造家賞を受賞した実力派。赤ワイン部門では3冠を制する偉業も達成しています。
ベルンハルト・フーバーは世界各国で常時最高の評価を得ており、品評会でフランスやカリフォルニアなどの有名ワイナリーに勝ることもそれほど珍しくないといいます。

ベルンハルト・フーバーでは現在、シュペート・ブルグンダーのタンニン分の抽出を抑えるため、果実に日光が当たるのを避け、皮を薄くするよう心がけているとのこと。
地球温暖化が進行する中で、収穫するブドウを低温に保つため、早朝からカンテラの明かりを頼りに収穫作業を行い、収穫後には選果台を導入するなどの取り組みを実施しているといいます。

世界有数のワインを生み出す造り手として、数多くのワイン愛好家を魅了するベルンハルト・フーバー。
そのワイン造りには、途方もないほどの手間暇と真心が込められているのでしょうね。

【代表的な商品】
マルターディンガー シュペートブルグンダー トロッケン
タイプ:赤ワイン/辛口
品種:シュペート・ブルグンダー

チェリー、ラズベリー、ブルーベリーといった赤系果実の魅惑的なアロマに、スミレ、ローズヒップなどの植物性の香りが合わさって奥行きが感じられる仕上がり。
鮮烈な赤色が美しいワインを口に含めば、ジューシーな果実味と酸味が溶け合って優雅な骨格を作り上げます。
また、ミネラル感とスパイシーさがアクセントが余韻となり、後味に土のニュアンスが広がる点も特徴的です。タンニンが溶け込んだ心地よい滑らかさのある舌触りで、の熟成後も楽しみな出来栄えです。

【相性のいい料理】
鶏肉とマッシュルームの赤ワイン煮、鴨肉のコンフィなど、コクのある旨みが感じられる料理がおすすめ。良質な食材を用いたシンプルな調理法のメニューと相性が良いそうです。

どうも、福村康廣です。

前回に続き、ドイツのワインと醸造についてご紹介します。
■ドクターヘーガー
ドクターヘーガーは1935年設立の伝統あるワイナリーで、何世代にもわたる家族経営を行っているそうです。
自社畑で収穫された品質の高い葡萄からハイクオリティなワインを造り、注目を集めている醸造所です。

バーデンで最も有名な生産者の一人として知られるドクターヘーガー。

1992年に3代目で現当主のヨアヒム・ヘーガー氏がドメーヌの全権を譲り受けて以来、畑が持つ固有の生命力を最大限に伸ばすため、2007年以降はすべての畑で除草剤・殺虫剤を使用しない栽培方法を採用しています。


ヨアヒム・ヘーガー氏は友人らと意見交換をしつつ、革新的な耐病性をもつ交配種の開発や、様々な有機肥料を導入などの実験を続け、常に新たな可能性を開拓し続けてきたといいます。

また、ドクターヘーガーはバーデンでも最高峰の畑の一つであるシュロスベルク、ヴィンクラーベルクなどのグランクリュを保有していることでも知られています。
非常に上質なシュペート・ブルグンダーやリースリング、古樹のシルヴァーナーなどを造り出すドクターヘーガー。
伝統を守りつつ、革新的な挑戦をし続けるその姿勢がワイン造りにも反映されているのが見てとれますね。

【代表的な商品】
ドクターヘーガー イーリンガー フォルダーラー ヴィンクラーベルク 2015
タイプ:赤ワイン/辛口
品種:シュペート・ブルグンダー

マッシュという伝統的な糖化プロセス後に、バリックバレルという70%のオーク樽で18ヶ月の間熟成されているそうです。滑らかなタンニンが感じられ、複雑かつ深みもあるエレガントなテイスト。何重にも変化し続ける余韻が特徴です。また、とても細かく複雑なミネラル感があり、チェリー、ベリーのコンポートなどが混ざったふくよかな香りも印象的だといいます。

【相性のいい料理】
ソースを使った肉料理がベター。パテドカンパーニュやソーセージとの相性も良いようです。カカオ感の強いチョコレートも合うのだとか。