どうも、福村康廣です。

前回に続き、ドイツのワインと醸造についてご紹介します。
■フランツ・ケラー
フランツ・ケラーは、ドイツのバーデン、フォークツブルク・オーバーベルゲン村に居を構える家族経営のワイナリーです。
1893年にワイン貿易商として創業して以降、長きにわたり高品質なワインを輸入し、世間に広めてきた実績を誇ります。
実際に、現当主・4代目のフリッツ・ケラー氏は、ワイン生産者でありながら高品質なブルゴーニュとボルドーに特化したワイン商としても知られています。

フランツ・ケラーでは「ワインは一部の人の限られた嗜好品ではなく、料理のそばにあり、すべての人が楽しむものである」という考えをモットーとしているそうです。

しかしその味わいは大衆的なものではなく、非常に高品質であるとの評価を得ているそうです。
アイヒェルマン誌では最高の5ツ星評価を獲得。同2017年度版では「シュペート・ブルグンダー シュロスベルク」が赤ワインで唯一100点満点を獲得しました。
WA誌では「バーデンで最も素晴らしいピノ・ノワール(シュペート・ブルグンダー)を造る」と絶賛されています。
また、デカンター誌でもドイツワインTOP20にフランツ・ケラーが挙げられています。

フランツ・ケラーのワインは、料理と合わせることで魅力がよりいっそう開花するとされています。
それは、フリッツ自身がミシュラン一つ星のレストラン・シュヴァルツ・アドラーを経営する身であることからもうかがえます。
また、フランツ・ケラーは、バーデン地方のその他のワイナリーとは少し違うタイプ。力の抜けたスタイルながらも味わいは一級品という感じです。
他にはないユニークな個性が感じられるのが興味深いですね。

【代表的な商品】
フランツ・ケラー シュペート・ブルグンダー フォン ロス
タイプ:赤ワイン/辛口
品種:シュペート・ブルグンダー

サンザシやチェリー、ストロベリーなどの甘さが際立つ赤い果実のアロマが感じられます。果実のフレッシュさと心地の良い酸味に加えて、じわじわと広がるような旨みを持つ逸品。きめ細やかなタンニンが下支えし飲みごたえのある一本となっています。奥深さもあり、長く複雑な余韻も感じられる、長期熟成への期待も高まる味わいです。

【相性のいい料理】
「リンダールラーデン」というドイツ料理にピッタリだそう。
リンダールラーデンとは、マスタード、たまねぎ、ピクルスを薄い牛肉で巻き、ビーフストックやトマトで煮た料理のこと。
和食の場合は、甘酸っぱい梅じそとの相性が良好。豚ロースで巻いてタレを絡めるのがおすすめです。