「脳と連濁ときつね」 | 福盛貴弘の脳炎日記

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日常生活で起きたことを素朴に書き記しています。
まずは、予告編2編をご覧ください。

繁昌亭の香盤表パンフにいろんなメモが記されている。

その時に気になったことを書き留めているんだろう。

 

→ 「直と庭・村と落語」

→ 「洒落と板の間と板場」

 

スマホがないので、今の時代でもアナログで。

で、部屋から久しぶりに発掘された時、その時何を考えていたのか思い出す。

 

 

 

さて、2017年の香盤表が出てきた。

左上に「天神ぎつねうどん」というメモが書かれている。

 

これは大阪天満宮の「すべらんうどん」をウリにした「うどん双樹」のメニュー。

麺に切れ目があって箸を入れてもすべらんうどん。合格祈願にいい。

 

普段なら、食ネタの話になるんだが、今日はことばの話。

気になったのは、「天神ぎつね」の「ぎ」。

 

「本」+「箱」→「ホンバコ」のように、複合語になる際に後項頭子音が濁音になるのが連濁。だから、ここでは規則通り。

 

前項に濁音があればなりにくいという傾向はあるが、前項末尾が撥音なので連濁しやすくなる傾向が優先したので。

 

それはいい。単独であるなら、「天神ぎつね」で違和感はない。

きつねうどんという料理を一言できつねと言って、それを総称としているので。

 

そこで気になったのが、「天神ぎつねうどん」。

すでに「天神ぎつね」が先だって「うどん」が後続するということか。

 

[[天神 きつね] うどん] → 天神ぎつねうどん

[[天神] きつね うどん] → 天神きつねうどん

 

天神名物のきつねうどんというよりは、天神名物のお揚げさんが入ったうどんという解釈か。いや、そうではないみたいだ。

 

どうやら、「天神天」というねりもんと「きつね」の複合語のようである。

両者が入ったうどんが、天神ぎつねうどん。なるほど。謎は解けた。