(仮定法)重要構文(英文法) | 英語でほふくぜんしん 

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旺文社の「実践ロイヤル英文法」を見ると、「仮定法を用いた重要構文」と書かれていて、以下の構文が紹介されていました。

 

〇 願望を表す構文 (I wish/If only など)

〇 that節の中に仮定法現在を用いる構文

〇 It is time ~の構文

〇 as if ~の構文

〇 仮定法を含む慣用表現 (if it were not for ~/If it had not been for ~/as it were/had better +原形/would rather +原形/lest +原形)

 

学校でもらう教科書や参考には、「重要構文」として基礎の勉強の後にたくさん羅列してあるけど、どこまで勉強するべきなのか?

学校の定期テストではどこまで完璧に準備するべきか?といつも膨大な量の構文を前に途方に暮れていましたが、

今回、このロイヤル英文法をよみながら考えたのは、「山のような構文をまとめて学ぶとだんだん基本が見えてくる」というものでした。

 

基礎部分だけでなく、重要構文を数多くまとめて比べてみることで、ようやくこの章での「時制」の果たす役割が明確になってくるように思います。というわけで、重要構文は全て勉強しましょう、というのがおすすめです。

 

今回は ① I wish/If only/I hope そして、② that節中に仮定法現在を用いる構文 (S+提案・命令・要求・主張の動詞と使う)/(It is +形容詞 + that 節)③ It is time

を通して「時制」の役割について考えてみましょう。

 

① I wish ~/If only 願望を表す構文 (であれば(現在)いいのに、~だったら(過去)よかったのに)←実現困難な願望

 

〇 I wish you could eat this dish with us. (あなたが私たちと一緒にこの料理を食べられたらなあ~。)←困難な今の事実に対する願望。

〇 I wish I could speak Chinese. (中国語が話せたらなあ~。)←今話せないという現実からくる願望。

〇 I wish I had talked with more students when I was in the US. (アメリカにいた頃にもっと学生たちと話しておけばよかった。)←過去に実現しなかったことにたいする後悔の気持ち。

 

〇 If only I were younger! (私がもっと若かったらなあ。)←今の自分の若さにたいするとても強い願望。

〇 If only I had tried harder.! (あの時もっと努力しておけばなあ。)←あの時(過去に)もっと努力すればよかったと強く願う。

 

上記の全ては実現が難しい願望ですが、時制は「過去・過去完了」です。実現不可能な願望を時制のずれを利用して表現しているのですね。

 

そしてこのことをより明確にしてくれるのが I hope との違いです。

I hope は、できたらいいな。と思っていることで、まだ実現可能性は残っているものです。これには 直接法(時制は現在形)が使えます。

I wish は、実現はほぼないと思う願望なので、続く文章は現実とは距離があることを示すために 過去形です

 

I hope I can sing that song. (あの歌がうたえたらな。←歌えたらいいなあ、と思っているし、歌えるかもしれないと思っている。)

I wish I could sing that song. (あの歌が歌えたらなあ。←歌えないだろうと思っている。)

 

まとめ: I wish/if only は 実現は困難な願望について話しているというところが特徴で、そこに時制のずれを使います。→使われる時制はその意味からも「過去・過去完了形」なのです。一方、I hope はまだ実現の可能性がのこった表現です。だからこれを過去形・過去完了形にすることは逆にできないのです。→直説法で表現します

 

② that節 の中に仮定法現在を用いる構文 S + 提案・命令・要求・主張を表す動詞 + that節 (の中は仮定法現在)

 

〇 I suggest that all teachers wear sunglasses. (私は全ての先生がサングラスをかけることを提案します。)

〇 The government demanded that all citizens stay at home. (政府は全ての市民が家にいるように求めた。)

〇 The mayor proposed that all students visit school at least once every week. (市長は全ての学生が少なくとも毎週1回は登校するように提案した。)

 

その他の使える動詞: order, recommend, require, insist, requestなどです。

 

これはまだ行われていない仮定の話です。実現はこれからいくらでも可能性があります。そこで、時制には過去形を使わないで、仮定法現在が使われます。

ここが I wish/If onlyと違うところです。ちなみに、そのことを強調するためか、that節の中の主語が3人称単数でも「s」をつけずに原形で表します

 

更に it is + 形容詞 that節 (の中は仮定法現在)

〇 It is necessary that he eat meat. (彼は肉を食べる必要がある。)

〇 It is desirable that we all come and join. (我々はみな着て参加することが望ましい。)

〇 It is essential that you read and prepare before the class. (授業の前に読んで準備をすることが不可欠です。)

 

これも実際にまだ行われていない仮定の話です。希望であり、実現も可能性が残っているので、過去形にすることはできません。そして、この場合も仮定法現在形の形をとることで、この文章の主張を表しているのだと思います。

 

一方、

③ It is time~の構文ですが、これは「そろそろ~してもよいころだ」という意味ですが、「そうするべきなのに(まだしてない)」と批判的に感じている、また、「(そうするべきなのに)まだやっていない」と事実に反したことなので、時制をずらしてそのことを伝えるため、仮定法過去を使います。

 

〇 It is time you left your house. (そろそろ家を出るべきころだ。)←もう家を出る時期なのにまだでていないなんて。(出ているべき時は過去にある。)

〇 It's time you got married. (そろそろ結婚してもいいころだ。)←あなたは結婚しているべきなのにまだしていないなんて。(結婚しているべきなのは前(過去)だよ。)

 

追加で覚えてしまいましょう:  time の前にabout をつけると 「そろそろ~してもよいころだ」となり、time の目にhighを付けると「とっくに~する時間だ」となります。

 

〇 It's about time you got married. (そろそろ結婚してもよいころだ。)

〇 It's high time you got married. (あなたはとっくに結婚しているべきだ。)

 

昨日の内容と本日の内容をまとめて気づいたのが、理想や現実とのギャップを表すために、言葉以外でもさらに時制のずれを利用してそれを伝えているということでした。不本意ながら現実を受け入れたり、または、後悔しながら過去を振り返ってみたり、変えられない過去との関わりには仮定法過去・過去完了をつかいました。

 

一方、まだ希望がのこされた未来に対する表現や、提案・要求・重要性・必要性を表す動詞や形容詞を用いた文章の場合は仮定法現在をつかいました。

 

英語は「時」もあやつりながら、いろいろな表現をするのですね。


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