【37歳、9度目の十両昇進】
今日の大相撲3月場所4日目、対馬洋を押し出しで破り、実に3年半振りの「関取」勝利を挙げた北播磨。これで通算560勝548敗となった。番付は東十両十四枚目。「関取」の一番最後に位置する。
先週3月9日(土)の朝日新聞夕刊で、北播磨の紹介記事「37歳、十両9度目 もっと高みへ」が6段抜きで掲載され、今場所十両では、若隆景、碧山、宝富士などと並ぶ有名力士となった。これで私も初めて北播磨関を知ることとなる。
37歳になり21年目の相撲。同期には元横綱稀勢の里、元大関豪栄道がいる「花のロウイチ組」。今場所は実に9度目の十両昇進。元木瀬部屋の希善龍と並ぶ記録となる。クビを痛め、何度幕下や三段目に落ちても、また這い上がり、また今場所十両に這い上がってきた。
「やったな、という感じ。自分で自分を褒めたい」と本人。37歳での十両昇進は、昭和以降2番目の年長記録だ。他の親方からは「『三段目でも腐らずにやっている北播磨を見ろ』と指導している」と褒められる。
中学卒業後2002年に北の湖部屋に入門。本名の嶋田でデビュー。2008年に北の湖親方の北の字を貰い、地元兵庫の播磨を入れてしこ名を「北播磨」と変更した。最初の十両昇進までに10年を要した。師匠が2015年に亡くなり山響部屋に。
【幕内力士の経験も】
優勝は昨年9月場所で7戦全勝しての「三段目優勝」ただ1回。これは戦後最年長の優勝となった。
最高位は、2016年7月場所の東前頭十五枚目で6勝9敗。初土俵から所要85場所での新入幕は、史上9位タイのスロー出世。これまで幕内はこの一度のみ。首痛でこれから3場所後には幕下に陥落する。
181㎝、130キロ。力士としては軽量級で、突き押し相撲だが力負けすることも多かった。最近体重が一気に増えてきて圧力が増し勝ち星も増えてきた。
小学校の時に通った相撲教室では同級生に妙義龍がいた。今後の目標を聞かれ、「ただ幕内に上がることではなく、幕内で“大活躍”です」と37歳は答えた。「年齢はあくまで数字でしかない。体は全然動く。」