「できることすべてやっても雑魚寝かな」(8/13)

「武器だ核だと雑魚寝の国で」(8/1)<朝日川柳から>

 

【2週間の間に熊本地震と千葉県豪雨】

 ここたった約2週間の間に、熊本地震と千葉県豪雨が発生した。「地震・災害大国日本」にあらためてその厳しさを知った。2年半前にはあの能登半島地震もあったばかりというのに。

 

 そして何よりテレビニュースの報道を見ていて、昭和ならまだしも令和になっても未だに「避難所の雑魚寝」が存在しているのに驚いた。冒頭の朝日川柳を読んでも与党の政治家は何も思うことはないのだろうか。

 

【国際基準に大幅に遅れる日本の現実】

 災害時などの避難所に関し国際基準があって、「スフィア基準」と呼ばれていて、これが最低基準とされるという。地震大国イタリアでは災害発生時から2日以内にはこれをほぼ用意できるという。

 

 国際基準は「1人当たり最低3.5㎡の居住スペース」「世帯毎のプライバシーの確保された生活空間」「床から30㎝以上の高さのベッドや寝具」「20人に1基のトイレ」「50人に1つの入浴施設」などを求めている。

 

 日本ではクーラーもほとんど設置されていない体育館などに、被災者が雑魚寝を長らくさせられていて、あまりの暑さに車中泊を多くの人が強いられ、地震発生3日目には熱中症で死亡する女性も出てしまった。

 

【防災庁がやっと11月に発足するが・・・】

 石破前総理が総裁選で「防災省設置」を掲げ、「(日本の災害対応は)101年前の関東大震災の時と変わらない。体育館で雑魚寝のようなことは、先進国で日本だけ」と自身の最重要課題と訴えてきた。

 

 それが大幅に後退したものの先月「防災庁設置法」が成立して11月に防災庁が発足することになった。高市首相は石破前総理の「防災庁設置」に強く反対してきた経緯がある。防災より防衛、「防災庁を作るより、各省庁の予算を増やすほうが目的に資する」。

 

 防災庁が11月に発足すれば、大幅に災害時の対応が改善される、と期待されているのだが、その“やる気のなさ”が準備に現れている。

 

 防災庁には大きな権限がなく、各省庁の調整機関との位置づけで各省庁に対する勧告権しかない。自衛隊や各自治体の消防・警察を重点的に災害地に投入したいと考えても防災庁に命令権限はなく動かすことも出来ず、各省庁への勧告しかできないという。

 

 防災庁の職員はスタート時352人しかおらず、人口が日本の半分のイタリアの専任職員700人の半分。首相肝いりの国家情報局設置での約730人と較べても半分以下でしかない。予算も202億円と、防衛予算の約9兆円と較べると月とスッポン。

 

 今回の熊本現地の視察でも、音楽入りプロモーションビデオを作製して、「やれることはすべてやります」といいながら、避難所視察はもっとも環境の整った避難所の1ヶ所だけ、避難者の至れり尽くせりとの言葉を録画して、避難者が生活する教室に入ったのは数分だったとか。

 

 防災庁が発足しても、本当に「雑魚寝」は無くなり先進国に仲間入りできるのか、実に疑わしい。