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NOTRE MUSIQUE

Elle est retrouvee.
Quoi? - L'Eternitee.
C'est la mer alleee
Avec le soleil.

EaglesEaglesの1976年の超名盤。
今さらこの名盤について語るのもなんだが、最近紙ジャケのデジタルリマスター盤を購入したので書いておくことにします。
本作はロックの名盤であり、この時代のアメリカンロックを象徴する意味深い作品。
イーグルスはアメリカンロックのフロティア的存在で“Take it easy”とアメリカの夢や希望といったものを歌に託してきたバンドであったが、本作では自ら築き上げてきたアメリカの幻想を否定し、ウエストコーストの退廃を歌っているのが興味深い。
特にタイトルにもなった“Hotel Carifornia”はアメリカの夢の地であったカリフォルニアが衰えていく過程を物語調に淡々と綴られ、その様子を朽ち果てていくホテルに重ね合わせている。つまり“Hotel Carifornia”とはアメリカンロックの夢の終焉地の象徴なのである。この歌の詞の完成度の高さ、最後のギターソロの見事さはいまだに色褪せない。
サウンド面ではバーニー・レドンが脱退し、代りにジョー・ウォルッシュが参加。彼のギターを中心としたよりハードな音作りがされている。前述のタイトル作でのソロを始め彼のダイナミックでドラマティックなギターなしでは成立しなかったアルバムといえる。ただしジョー・ウォルシュ本来の持ち味である明るいユーモアな感覚はもはやこの時期のイーグルスでは発揮されていないのが残念。
本作はセールス的にも大ヒットし、その後イーグルスはこのアルバムを超えることが出来ず次第に失速してしまう。つまりここで歌われたカリフォルニアの衰退は同時にイーグルスの衰退となってしまったのである。
ジャケットは今でも実在するカリフォルニアの“ビバリーヒルズホテル”を使用。今回購入した紙ジャケでは内側の賑わったロビーの写真、背面の誰もいなくなったフロントの写真含めて当時のアナログ盤の質感が忠実に再現されていて、当時のアナログ盤に特別な思い入れとこだわりを持ったファンが多いことを物語っている。
Leon RussellLeon Russellの1970年リリースの1枚目。
レオン自ら立ち上げたシェルター・レーベルからの第1弾アルバムでもある記念すべきアルバム。
このレーベルは実力はあるのになかなかメジャー・レーベルと契約できず、評価されないミュージシャンにキッカケを与えることを目標にし、その後多くのミュージシャンを発掘している。
本作にはストーンズからチャーリー・ワッツとビル・ワイマン、ビートルズからジョージ・ハリスンとリンゴスター、そしてエリック・クラプトンと当時のブリティッシュロックを代表する一流どころが参加。デラニー&ボニーのバックなど裏方の仕事をしていたにも関わらず、レオンが当時のロックアーティストから多大なリスペクトを受けていたことが見事に証明されている。
このアルバムの中から“Song for You”の大ヒットも生まれ、レオンは名実ともにスターとなり、その後のサザンロックに多大な影響を残している。
キャラクター的にDrジョンとややかぶるが、独特で感情表現豊かな歌声と南部独特のサウンドは絶品。特に“Song For You”などは彼以外の声では何も説得力を持たない。
その後レオンはシェルターレーベルの相棒デニー・コーデルと別れ、それと同時に自らの音楽活動も失速していく。
個人的には、数年前に仕事でお会いした某渋谷系アーティストの音楽事務所の社長が、レオンはアメリカでは今でも地味ながらも半ば国民的歌手として素晴らしいコンサートをやっていたと話してくれたのが非常に印象に残っている。日本にいると大半の外国人アーティストは来日コンサートか新譜が出ない限り話題になることはないが、新譜を出さなくてもまだまだ現役の素晴らしいアーティストは存在するようだ。
レオンの復活、日本での再評価が起こることを期待したい。
Yuzuゆずの2枚同時発売の新譜。
横浜関内周辺で路上ライヴを行っていたゆずがメジャーデビューして早8年。
これまでのヒットシングルを中心に1997年~2000年(HOME)、2000年~2005年(GOING)と時期で2枚に分けてリリースされたベスト盤。
こうして2枚まとめて聴くと、邦楽に疎い私でも聴いたことがある曲がかなり多いのに驚く。
そしてこうして時系列に従って聴いて感じるのは、この二人の音楽的スタンスがデビュー前のストリートミュージシャンであった頃から全く変わっていないということ。
実際には松任谷正隆のアレンジでオーケストラがバックについていたり、ソウル風のアレンジが施されている曲もあるが、サウンドのベースは首尾一貫してアコースティックギターに二人のコーラスというシンプルで温かみのある弾き語りのスタイルを貫いている。おそらく売れて生活が変わっても二人で歌をつくるという共同作業自体は何も変わっていないのだろう。
英語詞を一切使わず、聴き取りやすく明快な歌詞、内容はポシティブなものばかりで聴いていて勇気付けられる歌が多い。どちらかというと不器用で決して上手いコーラスではないが、彼らの歌は素直に聴き手の心に訴えかけるパワーがある。
そして彼らと同じような全国のストリートミュージシャンの可能性を示唆し、彼らに自信と勇気を与えた功績は大きい。
なお、今回の2枚のジャケットはあの村上隆氏が手がけている。彼らの持つほのぼのした温かい雰囲気、そしてベーシックながらも決して古臭くならないエバーグリーンな彼らのスタイルにはよく似合っている。
(上記ジャケット写真はHOMEのほう)
Bobby CharlesBobby Charlesの1972年のアルバム。
1950年代、R&Bの作曲家として活動していたボビーチャールズの初のソロ作。
The Bandのジョン・サイモン、リックダンゴがプロデュースし、エイモスギャレットやDrジョンも参加しています。
そんな豪華なメンバーをバックに限りなく優しいボビーの歌声がゆったりとした雰囲気を醸し出しています。
このアルバムはカントリーやブルースといったルーツミュージックから派生したアメリカンロックが発展していく過程の中で出現した“Woodstock Music”の代表作で、セールス的な意図をまったく感じさせない素朴な作品。
そして豪華なゲストの中でも特筆すべきなのがDavid Sanborn。一聴するだけで彼とわかる熱いプレイが収録されていて、彼の初期の演奏の中でも異色の出来です。
本アルバムは数年前にCD化されていて今では簡単に入手できますが、長い間幻の名盤として入手困難でマニアの間では高値で取引されていたようです。
優しく温かい音楽でありながら、清涼剤のような涼しさも持ち合わせており、地球に優しい音楽です。
Music of My Mind今日でこのBlogを始めてちょうど100枚目。
記念すべき100枚目はStevie Wonderの1972年のMusic Of My Mindというアルバムで、この平凡でインパクトの弱い本Blogのタイトルにも借用させていただいたアルバムです。
成人したスティービーはリトルスティービーと呼ばれた少年期に貯めたお金でMoogシンセを買い、それを中心にほとんどの楽器を自分で演奏し、極めてロック寄りのアプローチで自信のソウルミュージックを模索し始めました。本作はその転機となったアルバム。
Motownの大量生産的な音楽製作を否定し、同時期のマービンゲイの諸作と同様コンセプトアルバムとなっています。内容的にはタイトル通り全編内省的な歌で綴られています。
その後の“Talking Book”“Innervisions”“Fulfillingness First Finale”とともにスティービーの4部作として語られています。
このあと大爆発するスティービーの才能の前兆を感じさせる充実した内容で、この後のアルバムと比べるとヒットシングルがない(superwomanくらい)ため地味な印象がありますが、細部にわたり斬新なアイデアが詰め込まれています。この後はアーティストとしての評価とセールス面での成功の両方を手にし、次々とヒット曲を生み出し、世界中のアーティストから注目されるようになりました。
先日ベスト盤の“Original Musiquarium”について書きましたが、ベスト盤しか聴いたことのない方はぜひご一聴を!
そして読者になってくれた皆様、今後ともよろしくお願いいたします
Bebel GilbertoBebel Gilbertoの昨年リリースされた2枚目のアルバム。
父親はあのJoao Gilbertoで母親は歌手のMiuchaというサラブレットで本作は昨年のグラミーにもノミネートされました。(母はAstrud Gilbertoではありません。)
彼女の音楽はボサノヴァだけに留まらない音楽性の幅があり、カエターノを始めTeiTowaやJazzanovaなどとも共演している新世代のボサノヴァアーティスト。2枚目にして自分の名前をタイトルにしてるのも自信をうかがわせます。
ビョーク、マドンナを手がけたMarius De Vries & Guy Sigsworth、そしてダイドやニューオーダーを手掛けたPascal Gabrielをプロデューサーに迎え、前作からのブラジル勢カルリーニョス・ブラウン、ジョアン・ドナートも参加してボッサでありながらエレクトロニカ的な奥行きのあるサウンド作りがなされています。あくまでアコースティックにこだわりながら洗練された芯のある音楽です。
さらに今月になり前作に続き本作のリミックス盤“Remixed”も発売されました。
かなり大胆にエレクトロビートに差し替えていますが、元がボッサであったことを忘れるくらい自然な出来で、エレクトロニカの女性ボーカルものと錯覚するほどです。
ただ、この人はやはりオリジナルのボサノヴァの雰囲気が良く似合います。月並みな表現ですが、これからの季節にピッタリでしょう。
Baker BrothersBaker Brothersの新譜で2枚目にして初のライブ盤。
バンド名のとおりリチャ-ドベイカー(Dr,Sampler)とダンベイカー(G,Key)のベイカ-兄弟とクリス・ペドリ-(G,B,Vo)による3人のインストのJazzFunkユニット。それぞれが複数の楽器を操れるマルチなプレイヤーたちで、編成的にもサウンド的にもSouliveと共通点が目立ちます。ただしSouliveがあくまでJam Bandであり続けるのに対し、こちらはよりFunkでRock寄りな荒々しいサウンドでFunkやRockの最も熱かった70年代のような勢いがあります。
普通この手の少人数のインストバンドは、サウンド的にどの曲も似てしまい割りと飽きやすいのですが、ときおり入るボーカル(ラップ)やキーボードの音色の使い方が上手く、このライブではバリトンSAX入りのホーンセクションも参加し、サウンドに奥行きを持たせて飽きずに一気に聴けてしまいます。
そしてこのライブ盤、特に録音状態が良くソロが終わるごとのオーディエンスの拍手、リアクションがリアルに収録されています。会場はロンドンの“Jazz Cafe”で、具体的にどんなステージかは知りませんが、キメのフレーズで歓声が起こり、それに応えてさらに演奏が白熱するのが伝わってきます。
このライブ盤を聴いてわかるとおり、このバンドはライブで真価を発揮するバンド。このファンキーでグルーヴィーな演奏はやはりライブに限ります。
Paul Butterfield Blues BandPaul Butterfield Blues Bandの1966年リリースの2枚目のアルバム。
バンド名どおりボーカル兼ハーモニカ奏者のPaul Butterfieldを中心としたバンドで、このアルバムからElvin Bishopが加わってMike Bloomfieldとギター2本になりました。
ブルース発祥の地でありながら、ブリティッシュ勢に押され気味だったアメリカンロックですが、このバンドは本国におけるブルースロックの先駆者であり、その後のアメリカンロックに大きな影響を残しました。
同時代のイギリスのストーンズやヤードバーズと同じように、黒人のモダンブルースを自分達なりの解釈でやっており、この2枚目はブルースべったりだった1枚目から進歩して自分達のスタイルを掴んだアルバムでもあります。
特にマイクブルームフィールドとエルビンビショップというこの時代を代表するギターヒーローが2人もいたというのは60年代のブルースロックの中でも奇跡的な出来事で、この二人の相性抜群のかけあいは見事としかいえません。典型的なブルースフレーズの嵐で何度聴いてもゾクゾクします。東洋的なフレーズを取り入れたインストの“East West”での演奏は特筆に価します。
自分たちの音楽性に対する自信とメンバー間の信頼度の高さがあったからこそここまで質の高い演奏ができたのでしょう。
この後、マイクブルームフィールドの脱退とともに、このバンドはDavid Sanbornを含むホーンを導入しJazz的なアプローチをするようになります。60年代後半のWoodstockにも出演しましたが、やはりこの2人のギターヒーローがいた初期が彼らのベストでしょう。
NikkaCostaNikka Costaの新譜で3年ぶり2枚目のアルバム。
ニッカ・コスタは1972年生まれの白人女性シンガーで、父親ははフランク・シナトラやポールアンカとの仕事で有名な大物プロデューサーのドン・コスタ。
恵まれた音楽環境で育ち、2001年にデビュー。作詞作曲も自らこなす才色兼備かつパワフルな歌声を持つ実力派。
デビュー時は、「ジャニスの再来」とか「男レニークラビッツ」とかキャッチコピーでうたわれていました。
ジャニスは白人女性ボーカルというとなにかと引き合いに出されるので、ジャニスっぽいという表現はあまり信用しないようにしてるのですが、このひとはライブパフォーマンス含めてかなりジャニスに近いオーラがあります。そしてレニークラビッツ的なブラックミュージックをベースにしたやや懐古主義的なロックの要素も含まれます。
サウンドはソウルをベースにしたロックで、ところどころFunkやHipHopやジャズ的な要素も取り入れ、ゴージャスでパワーのあるアルバムに仕上がっています。ゲストにレニークラビッツ本人が参加し、数曲でドラムとベースを担当しているせいか前作よりパワーアップしただけでなくサウンド的に黒い要素も強くなっています。
なお、当初プリンスの参加も噂されていましたが、残念ながら見送りになってしまいました。当初プリンスが曲を書く予定で、彼女が詩を送ったそうですが、プリンスがあまりの曲の良さに彼女に渡さず自分の曲にしてしまったというのが真相のようです。ちなみにプリンスとはプリンスのライブDVD“Live In LasVegas”でも共演しています。
今回のアルバムでは最近他人のプロデュースの仕事が少なくなった殿下ですが、彼女の次作ではぜひ殿下全面プロデュースを期待したいです。
Miles_AtFillmoreMiles Davisの1970年のライブ盤。
実は友人Bee氏に1971年のライブ映像(Bootleg)を見せてもらったんですが、これがまた凄い!キーボードがキースひとりの時代で鬼気迫る演奏に改めて感動しました。そのライブに一番雰囲気の近いこのアルバムを紹介。
会場はタイトルのとおりロックコンサートの殿堂フィルモアイースト。当時いろんなロックアーティストがここでライブを行い、ここでのライブ盤は多数出ていますが、Jazzミュージシャンがここでコンサートをやってしまうだけでもかなりセンセーショナルな出来事。
“Bitche's Brew”以降エレクトリックに傾斜していったマイルスが確実にロック世代にとってもカリスマ的ヒーローであったことが証明されています。
メンバーはMiles Davis(tp) Steve Grossman(ss) Chick Corea(elp) Keith Jarret(org) Dave Holland(b) Jack Dejonnette(ds) Airto Moreira(per)という編成で、特に2人のキーボードが凄い!マクラフリンの抜けてしまったサウンドの穴を100倍くらいにして埋めています。
第一音目からこの時代特有のマリファナの香りが立ち込めるサウンドで、各メンバーがブルース、ロック、ジャズ、ファンク、現代音楽といった多種多様な要素を無反省にガンガンつっこんできます。特筆すべきはやはりキースで、静寂かつ過激、ときにはソロ作で見せたリリカルなフレーズでメンバーを引っ張ります。マイルスの音を先読みしてるどころか、マイルスの先まで行ってしまってる場面も見受けられます。それに負けじと応えるチックコリアもRTFとは完全に別人のようです。
ギタリスト抜きにも関わらず、マクラフリンのいた頃やこの後のピートコージーのいた頃よりもロック色が強いのは驚愕。
数日間に渡るこのフリーインプロヴィゼーションのライブを見事に編集したテオマセロの功績も大きく、同時期の無編集のライブ盤“Black Beauty”と比べてもアルバムとしてのクオリティは歴然。ちなみにこの“Black Beauty”はキース不参加で、フォルモアと比較することでキースがこのバンドにどのくらい必要とされていたかもわかります。
とにかく熱い演奏を通り越してケンカというか格闘技のような怒涛のアルバム。私の拙い文章ではこれ以上語りきれません・・・