そこに山があるから登るのか。でも、遭難したら家族は? | 復刻版

復刻版

栄光より挫折、成功より失敗、勝利より敗北…。

 


エベレスト挑戦中の登山家が、
亡くなったことが記事に出ていた。
本人とすれば叶わず、
さぞかし残念だったことだろう。

でも、公開は18年5月21日とあり、
私は存じ上げなかったが、
出来事とすればもう、
6年も前のことだと知った…。

さて、この方もそうだが、
例えば植村直己さんをはじめ、
多くの登山家や冒険家が、
夢を叶える途中で遭難死している。

でも、本人は無論のこと、
家族もさぞかし辛いだろう。
一瞬の出来事で、
最愛の家族を失うのだ。
ふと昔の出来事を思い出した…。

私が小学生の時のことである。
ある教科の先生のご子息が、
山で遭難されて、
亡くなってしまったのだ。

大学生だった息子さんが遭難。
谷川岳だったと記憶するが、
何日かの捜索の末に、
死亡が確認された…。

ずっと休まれていて、
代わりの教師が受けもったが、
しばらくして授業が再開。
遭難死されたことを知った。

先生は昔の教師らしく、
細かい事情は話さなかった。
でも、ショックは顔色で窺えた。
それでも淡々と授業をされて
痛々しく感じたことを覚えている。

親間で聞いた話として、
『何日も捜索を続けて、
莫大な費用が掛かったようだ』
と、母が話してくれた。
特にヘリコプターを飛ばすと、
負担が大きいそうである。

それでも生きていれば良い。
でも、遺体の発見では、
やっぱり悲しいし、
多額な捜索費用の負担も発生し
正に泣き面に蜂であろう…。

一方で、本人とすれば、
遭難するとは考えていないし、
万が一を想像したとしても、
山で死ぬのは本懐だ!
と思っているかもしれない。

でも、家族とすれば、
たまったものではないのだ。

「山男の歌」の歌詞みたいに
単純な話ではないのである。
それでも登るのか?