50代男性 右上奥歯の歯肉が腫れた。

右上第二大臼歯の頬側歯肉中央が歯周ポケット7mmでした。

術前のCBCTを撮影すると、分岐部中央部まで骨欠損が広がっており、Ⅱ度の根分岐部病変になっていました。

頬側からアクセスしてデブライドメントを行いました。根分岐部は狭くて複雑・・・

こんな時にはやはりEr;YAGレーザー

手が届かない所にもYAGレーザーのチップがあれば痒い所にも手が届く、そんな感じです。

可及的に不良肉芽組織を取り除きなるべく歯面を滑沢かした後に、エムドゲインと骨補填材を用いてスペースメイキングしました。

 

 

術後1年3ヶ月後

頬側歯肉腫脹も術後は起きることなく、分岐部のポケットも減少しています。

術前術後のCBCTの比較です。(上段:術前  下段:術後1年3ヶ月)

完全でない部分もあるかもしれませんが、術前にあった透過像は骨様組織と思われる不透過像への変化しています。

 

当院ではこのような歯周組織再生療法を行なっております。

 

 

 

被せ物をする時のお話です。

被せ物(以下クラウン)をする時には、全周クラウンがその歯をしっかり掴んでいないといけません。

虫歯が深かったり、深いところまで歯が折れていたりするような歯に、そのまま型を採って技工士さん任せでテキトーに技工依頼をしてはいけません。

技工士さんは型を取れば何でも作ってくれます。でもそれがちゃんとしたものかどうかはまた別の話です。というかちゃんとした物を作ってもらえるかどうかは歯科医院の仕事ですよね。。

しかし、保険診療においてはそこまで言及されていないので、このようにちゃんとマネジメントされていない状態でテキトーな型取りがなされテキトーなクラウンが入っているケースjは実はよく遭遇します。

 

 

 

今回は前歯のクラウンがグラグラするというケースです。

右上1のクラウンに動揺がありましたが、実際は唇側歯質が歯肉縁下まで破折していました。

 

これではフェルールを獲得できないばかりか、生物学的幅径を侵襲しているため、きれいな補綴は不可能であるばかりか、仮に入ったとしても炎症が起こったままになるでしょう。

 

そこで、一旦この歯を抜歯して、歯根面への歯根破折が無いことを直視において確認した上で、前後180度向きを変えて、抜歯稼に戻しました。

これを外科的挺出と言います。

 

治癒機序は自家歯牙移植と一緒なので、再植後は一定期間静観し、生着したと判断した頃から歯内治療等を進めていきました。

 

ちゃんと健全歯質が全周歯肉縁上にあるので、辺縁歯肉の炎症はありません。

あとは補綴操作ですが、僅かに両中切歯には歯肉ラインの高低差があったため、歯肉縁下のサブジンジバルカントゥアの調整を行って、歯肉ラインを整えました。

このような補綴の前に行う操作を補綴前処置と言いいますが、このようなケースでは矯正的挺出や臨床的歯冠長延長術などの手段もありますが、いずれにせよ、生物学的幅径が侵襲されている場合は、まずそれを再構築した上で補綴操作に移行しないと、その後の歯肉の違和感や、脱離・死肉の出血等々予期せぬ事が起こりえます。

 

削って被せる、削って被せるの繰り返しは、有限なので、そんな事を繰り返ししていたらどんどん歯の寿命が短くなりますよ・・・

久しぶりの投稿ですが、インプラントの症例です。

左図が術前、右図が術後になります。

インプラント治療を行うということは、元々欠損部であるということも多々ありますが、多くは保存不可と診断された歯が残っています。

つまり、抜歯から治療がスタートするのです。

すると、抜歯した後の粘膜の治癒や骨の処理が大切になってきます。

骨量が十分にあれば、インプラントの埋入自体はとても簡単なので、抜歯から始まる場合はいかに、その簡単に終われるステージにもっていくのか、が鍵になります。

今回はまず保存不可となる歯を抜歯して、Er;YAGレーザー等で抜歯窩を徹底的に掻爬します。その後1ヶ月くらい待って粘膜上皮の治癒を待ちました。

その後インプラント埋入時に静脈血を採血して多血小板血漿を使って一次手術と同時にマイナーGBRを行いました。インプラントを埋入して、欠損部にはF2+骨補填材を入れて、最後にF1と細胞遮断膜を置いて粘膜閉鎖しました。

ここまで来ればあとは2次手術を行い、最終補綴装置へと進んでいきます。

ISQ値も経時的に安定しており良好です。

インプラントにおいて、埋入自体は実は非常に容易な術式です。なので、如何に容易にできる環境に持っていけるか?が肝になるでしょう。何事も綱渡りではなく、自分の勝てる土俵にどう相手をもってくるか?が全てにおいて重要な考え方だと思います。

40代女性 歯のぐらつきで他院では抜歯と言われたとのことで当院に来られた患者さんです。

全体的に歯周病がありますが、特に左下の3番は骨吸収が顕著です。

術式はなるべく、歯間乳頭を温存し、かつ血餅も保持できるようにEPPTを選択しました。

骨欠損部にはリグロス+骨補填剤を併用しています。

 

術後は毎月のメインテナンスで、フォローしてきました。

 

術後1年3ヶ月経過です。⇩⇩⇩⇩

術前よりも骨様のX線不透過像が見えてきましたね!!

経過中も特にトラブルなく、今後も注意深く経過観察とメインテナンスをしていきます!

 

 

10代の患者さんです。

特に症状はありませんでしたが、検診を兼ねて来院されましたので、資料を採ると右下6番に深いう蝕を認めます。

改めて診査をしても臨床症状は無く、歯髄診断も生活反応を認めました。

露髄の可能性があるので、MTAセメントの準備をしつつ、唾液による汚染も回避するためにラバーダム下で慎重に感染歯質を除去していきました。露髄はぎりぎりのところで認めず、一層健全歯質が残ったので、3stepのエッチング⇨プライミング⇨ボンディング処理を行なってコンポジットレジンにて充填をしていきました。

いつもはフロアブルレジン派だったのですが、どうしても隆線や裂溝のメリハリが出ないので最近はペーストに代えてトライしています。

う〜ん、見た目はペーストで賦形していった方が、上手に見えますね!!

これからはペースト派かな〜

研磨をもっと綺麗にしたらもっとよくなるかも。

あとは術後疼痛が出ないことを願うのみです!

 

フルマウス(全顎治療)を行っているケースの切り取りです。

欠損部位にはインプラント予定でしたが、どうしてもこのように上顎臼歯は骨量が足らずインプラントを選択肢から除外されるケースも意外と少なくないでしょう。

 

しかし私は開業当初より自分の技量不足で治療できないというのをなるべく避けたい、全てのニーズに応えたいという思いが強くありました。

 

インプラントもその1つで、欠損部にインプラントを埋入することは非常に簡単なことなんです。

インプラントの難しいところは、やはりなぜその歯を抜くことになったのか?という原因の考察と、どうしても十分な骨量があるというケースの方が少なく、まずインプラントが可能な環境にするための前処置をどうするか?そしてインプラント後の周囲歯周組織のマネジメントをどうするか?などいくつかの課題があると思っています。

 

今回のこのケースでは、2番目のまずインプラントをできる環境にするためのお話しです。

 

垂直的な骨幅が足らず、このままでは上顎洞に貫通してしまいます。

 

今回は垂直的な既存骨の高さが3mm程度しかなかったのでソケットリフトではなく、サイナスリフトのラテラルアプローチにて対応しました。

最近この手のGBRは必ず事前の採血にてPRGFを生成します。

このケースでは軟組織の治癒の促進、疼痛の緩和、補填剤の賦形性の向上、万が一のシュナイダー膜の穿孔時の保険として使用しています。

 

またピエゾを使用することでウィンドウを開ける時にもシュナイダー膜を傷つけるリスクを最小限にし、上顎洞底粘膜を挙上することが

できました。

骨補填材はPRGF(F2)+βTCPを塡入しております。

狙った通りに骨の不足分を添加することができました。

これで半年くらい待って再評価の後、インプラントオペへと移行予定です。

 

しかしこのケースでも、なぜこの部位に欠損が生じたかを考え、全顎矯正や全ての補綴のやり変えを含めてフルマウスリコンストラクションを行っています。

 

本当は同時埋入できれば、もっと効率的に進めれるのかなと思いますので、今後の課題ですね!

 

サイナスリフト:10万円(税込11万円)

 

 

左上の第2小臼歯の歯根破折を認め抜歯となり、抜歯後はインプラント予定となりました。

 

抜歯した後、そのまま放置をすると最大で30%歯槽骨が喪失してしまいます。そうなると、いざインプラントをしようと思っても骨が不足してしましインプラントを諦めざるを得ません。

 

ハナからインプラントと決まっていればそのように抜歯後の歯槽骨が減らないように「リッジプリザベーション(歯槽堤温存術)」を行います。

 

これには様々な手法がありますが、当院では一番安心安全を求め、自己血由来の多血小板血漿(PRGF)を併用しています。

事前に、採血を行います。

(採血も最初の頃は緊張しましたが、だいぶ慣れてきました笑)

 

まず割れた歯を抜歯します。

抜歯した穴の中をきれいに掻爬します。オペと同時進行で採血した血液を遠心分離機にかけて、血小板部分を取り出して、それぞれの生成物を作っておきます(F1メンブレン、F2クロット、F2+骨補填剤)。

 

まず窩底部にF2クロット、その上部にF2+骨補填剤、再表層部にF1膜で覆い、さらにサイトプラスト(非吸収性膜)をおいて縫合します。

 

4ヶ月間待機期間をおいて

インプラントの一次オペを行いました。

切開剥離をすると、骨様組織になっており、ISQ値も63~70あり、初期固定は良好とです。

 

4ヶ月でこれだけしっかりした骨が再生できていれば、インプラントの埋入手術も30分あれば終わります。

 

この多血小板血漿(PRGF)の特徴は治癒が早い、確実な骨様組織ができる、痛みや腫れを抑制するなどと言った効果があります。

そして何より自己血由来なので、安心安全であるということでしょう。

 

リッジプリザベーション ¥33,000~

インプラント診断料 ¥33,000~

インプラント一次手術 ¥165,000~

※インプラントは全てストローマン社製です。

 

これと同様の手術ができない方

・喫煙者(特にヘビースモーカー)

・糖尿病患者

・骨粗鬆症の内服薬または静注をされている方

・口腔内清掃不良 etc

 

詳しくはクリニックにお問い合わせください。

 

 

 

50代女性

 

右上第2小臼歯ですが、初診時デンタルX線写真にて根尖部透過像があります。違和感程度の臨床症状はありです。

通法通りの根管治療を行いましたが、根尖近くの彎曲に追従できす、未穿通でした。違和感は消失せず、これ以上根管口からのアプローチでは埒があかないと判断し、一旦上部からは根管充填して、あとは頬側からアプローチをして、歯根端切除術へと切り替えました。

根尖約3mm程度を目安に根尖の切除と根尖部の掻爬を行い、スーパーボンドで逆根管充填を行いました。

術後1年です。

デンタルX線上で根尖部透過像も縮小傾向で違和感も完全消失しており経過良好です。

 

歯根端切除術(保険適応)

50代女性

主訴:右下の違和感

右下4は欠損で4⑤⑥の前方延長ブリッジが装着されており、右下7は欠損です。そのような状態で長年きていますので、右下6は歯根破折しており、実質右下臼歯部は5番のみということになります。

この5番が失われたら4〜7の部分義歯になってしまいます。

既存のFMCを除去すると、右下6は折れていてぼろぼろです。

抜歯をしてそのままにしておくと既存骨は最大30%吸収されて無くなってしまします。いざインプラントをしようと思った時に骨が足りないなんてことになってしまいます。

インプラントをする予定があれば、その骨が減らないようにします。

リッジプリザベーション(=歯槽堤温存術)といいます。

約半年後、歯肉弁を切開・剥離するとしっかり骨ができています。

最終補綴物装着時、何事も各STEP1つ1つ丁寧にやることが大切です。

【費用】

歯槽堤温存術 ¥33,000~(税込)

インプラント一次手術 ¥165,000~(税込)

インプラント二次手術 ¥55,000~(税込)

CT画像診断・ステント作成 ¥33,000~(税込)

最終補綴物 ¥110,000~(税込)

保証料 ¥33,000~(税込)

 全顎矯正を行なったケースです。

 ディスクレパンシーが強く抜歯して行なったケースになります。

 

 

 

 

 

 左右側方運動時において、犬歯ガイドが確立でき臼歯のdiscrusionが獲得できています。

 動的治療期間は約2年6ヶ月です。

 

 

資料採得 ¥33,000~

全顎矯正 ¥660,000~

調整料(月) ¥5,500~