![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230211/21/fukaidc2017/c7/e4/j/o1458075115241859277.jpg?caw=800)
フルマウス(全顎治療)を行っているケースの切り取りです。
欠損部位にはインプラント予定でしたが、どうしてもこのように上顎臼歯は骨量が足らずインプラントを選択肢から除外されるケースも意外と少なくないでしょう。
しかし私は開業当初より自分の技量不足で治療できないというのをなるべく避けたい、全てのニーズに応えたいという思いが強くありました。
インプラントもその1つで、欠損部にインプラントを埋入することは非常に簡単なことなんです。
インプラントの難しいところは、やはりなぜその歯を抜くことになったのか?という原因の考察と、どうしても十分な骨量があるというケースの方が少なく、まずインプラントが可能な環境にするための前処置をどうするか?そしてインプラント後の周囲歯周組織のマネジメントをどうするか?などいくつかの課題があると思っています。
今回のこのケースでは、2番目のまずインプラントをできる環境にするためのお話しです。
垂直的な骨幅が足らず、このままでは上顎洞に貫通してしまいます。
今回は垂直的な既存骨の高さが3mm程度しかなかったのでソケットリフトではなく、サイナスリフトのラテラルアプローチにて対応しました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230211/21/fukaidc2017/e5/a5/j/o1217084015241859289.jpg?caw=800)
最近この手のGBRは必ず事前の採血にてPRGFを生成します。
このケースでは軟組織の治癒の促進、疼痛の緩和、補填剤の賦形性の向上、万が一のシュナイダー膜の穿孔時の保険として使用しています。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230211/21/fukaidc2017/97/b6/j/o1249077315241859290.jpg?caw=800)
またピエゾを使用することでウィンドウを開ける時にもシュナイダー膜を傷つけるリスクを最小限にし、上顎洞底粘膜を挙上することが
できました。
骨補填材はPRGF(F2)+βTCPを塡入しております。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230211/21/fukaidc2017/9c/c0/j/o1552086015241859278.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230211/21/fukaidc2017/fc/d9/j/o1480090815241859285.jpg?caw=800)
狙った通りに骨の不足分を添加することができました。
これで半年くらい待って再評価の後、インプラントオペへと移行予定です。
しかしこのケースでも、なぜこの部位に欠損が生じたかを考え、全顎矯正や全ての補綴のやり変えを含めてフルマウスリコンストラクションを行っています。
本当は同時埋入できれば、もっと効率的に進めれるのかなと思いますので、今後の課題ですね!
サイナスリフト:10万円(税込11万円)