メダカの体色(色素胞)のお話 | FUJIYAMAめだかのブログ

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富士山の麓でメダカを楽しんでいます。
当方の飼育環境や飼育方法の紹介をしていきながらブログを通じて日本全国にメダカの輪を広げたいです!

こんばんは。
FUJIYAMAめだかです口笛

今日はメダカの保護色(背地)反応
(周りの環境にあわせて色が変化する生理反応)
について簡単に書いてみようと思いますニコニコ

かなり長いので覚悟して下さいね?(笑)
既に知ってる方は流して読んで下さいショボーン

では、早速ですが…
皆さんは黒いメダカを白い容器に入れたら
色が薄くなっちゃった~
って経験ありますよね?キョロキョロ

今回の話はそれです(笑)

初心者向けなので
よりもっと詳しく知りたい方は
文献などを参考にしてみて下さいてへぺろ


メダカって、よく種類によって
黒い容器で飼育してください。
とか
白い容器で飼育してください。
って言いますよね?ニコニコ

自分もメダカをお届けした際には
このメダカは何色の容器で…
とか必ず書きますウインク

それは何故かというと、
メダカは周りの環境(色)に合わせて、
色が変わるので、メダカ毎にベストな状態は
黒い容器とか、白い容器…とかあるんです。

通常は黒い容器では色が濃くなり
白い容器では色が薄くなります。

例えば、三色メダカなんかでは
黒い容器ではキレイな三色も
白い容器だと二色?キョロキョロみたいな感じに
黒い色が飛んでしまいます。
(後で説明しますが色は飛ぶというより見えにくくなるだけです(笑))

なので、三色に関しては黒い容器で…
ってのが、一般的です。

また
深海やマリンブルーみたいなメダカは
逆に黒い色素があると、それが邪魔をして
青い体内光が見えなくなったり
清涼感がなくなってしまうので
観賞には白い容器をオススメしています。



では、何故色が変わってしまうかと言うと…
外敵から身を守るための生理反応…
と言ってしまえば身も蓋もありませんが
その原理はなかなか面白いので
簡単に書いてみますニコニコ

改良メダカのヒントになるかも?です(笑)

以前、透明鱗と非透明鱗の記事でも
ご説明しましたが、通常魚は
赤、黒、黄、白、虹の色素を持っています。

メダカはそのうちの
黒、黄、白、虹を持っていて、
虹色素胞が欠乏したものが透明鱗って話と
赤色素胞がないので
真っ赤なメダカは出来ず
赤に近いメダカしかいない
とお話ししました。


で、その時にも出ていた色素胞ってのが
メダカの色を決めるものなのですが…


(上の写真の黒い点々も色素胞です。)

で、ここからが
言葉で説明するのが難しい所です(笑)
顕微鏡とか写真はないので
言葉で想像してくださいてへぺろ

少し前に、これに関係する話で疑問などがあり、静岡大学の先生にご相談させてもらっていました。一部、静岡大学様から許可をいただいて写真を掲載していますラブ

お忙しい中にも関わらず、大変親身になって相談に乗っていただきました。

この場を借りてお礼申し上げます。

では、早速…
メダカの鱗一枚の中には
黒色素胞や黄色素胞という色のついた
色素胞と言うものがいくつも並んでいます。

《画像は静岡大学様より/参考①》
上の画像はクロメダカの鱗です。
黒い円や星形に広がったものが色素胞ですニコニコ

そしてその色素胞の中には、色素顆粒という
色のついた小さな粒がたくさん入っています。
黒色素胞なら黒い粒ですウインク

ここからは想像力を働かせて…
想像して下さい…(笑)

畳を一枚庭に敷いたと想像して下さい照れ

その畳の上に透明なA4用紙をたくさん並べる
と想像して下さい。照れ

さらにその透明なA4用紙一枚一枚に
小さな黒いビーズを満遍なく広げる…
と想像して下さい照れ

畳一枚が➡一枚の鱗
透明なA4用紙が➡色素胞
ビーズが➡色素顆粒
として考えて下さいウインク

その状態で二階の窓から下の畳を眺めると…
黒いビーズが広がっている(拡散)ので…
畳全体が黒く見えると思いますおねがい

コレが黒い容器に入っているときの
メダカの鱗の状態ですウインク

今度はもう一度一階に降りてください(笑)

透明なA4用紙上に広げてあった
黒いビーズを紙の真ん中一点に
集めた(凝集)と想像して下さい照れ

畳の上にある全ての紙上のビーズを
それぞれの紙の真ん中一点に集めます。

その状態でもう一度二階へ上り
二階の窓から畳を眺めると…
今度は畳の色がメインで
(A4用紙は透明なので)黒は殆ど
見えない状態になると思います。

コレが白い容器の時の
メダカの鱗の状態ですおねがい

今はA4用紙を色素胞に見立てましたが
実際は静岡大学様の《参考①》の
写真のように、色素胞は
手のひらの形みたいな形をしていますニコニコ

メダカの目に
環境の色が反射した光が入ると
この色素顆粒の拡散と凝集という
生理反応がおこりますキョロキョロ
《画像は静岡大学様より/参考②》

なので、大きな容器では底の色に反応し
小さな容器では周りの色にも
左右されます虫めがね

特に黒色は変化すると
大きく色が変わって見えますニコニコ

何となく伝わりましたか?(笑)

なので、観賞する時は
このメダカは黒い容器で飼育
このメダカは白い容器で飼育
とか重要なんですねウインク

何度も言いますが(笑)
マリンブルーなんて黒い容器では
殆ど幹之ですし
深海も透明感が全くなくなりますびっくり
逆に三色は白い容器では
単なる二色になってしまいますガーン

メダカを買ったら
写真と違う!騙されたーえーん
って方もいるかも?しれませんが
その前に
今一度メダカを美しく観賞する為に
容器の色をそのメダカにあった色に
合わせてみて下さいウインク

…とは言うものの、ヤフオクには
とんでもない詐欺師もいるので
ご注意下さいね(笑)

…それはまた記事に書こうと思いますグラサン

因みに色素顆粒の動きが
早いメダカと
遅いメダカと
動きがないメダカがいるように感じますびっくり

保護色反応は
自分を保護する為の機能なので
反応が遅いメダカや動きのないメダカは
自然界では淘汰されてしまいますよねガーン

改良メダカだからこそ
生きていられると思います。
もし、自然淘汰が進化を産むとしたら
もしかすると昔はオロチみたいなメダカや
幹之みたいなメダカもいて
消えてった可能性も
ゼロではないですよね??
その隠れてた遺伝子が
今になって出てきたのか…
全く新たな突然変異なのかは…
わかりませんてへぺろ

そうやって妄想するのが好きなんです(笑)

で、生理反応が無いメダカが
皆さんご存知オロチです。
黒色素胞が反応しないのか?
全く別の色素胞を獲得したのか?
神経伝達物質の異常なのか?
アドレナリン性受容体の異常なのか?
目(光を認識する)の異常なのか?
仮説は色々考えられますが
細かい事は全くわかりませんショボーン
(その後解決しました)

とにかく環境に左右されずに
黒い色を保ち、日光に当てなくても
まっ黒に育つメダカですびっくり

ただ、自分が改良メダカにオロチを使い
出てきた子供を見て思ったのは
通常の生理反応のある黒色素胞は
持っている気がしますニコニコ

鱗をはがして、顕微鏡でみたり
生理反応を見る実験をすれば
ある程度答えは絞れるのかなと思いますが
静岡大学様やってくれないかな…?(笑)おねがい
実は先生に少しご相談している最中ですキョロキョロ

因みに、これも先生から
教えて頂いたのですが
メダカも日焼けをしますニコニコ

養殖のタイと天然物のタイで
色が違うと聞いたことありませんか?キョロキョロ

その原理についても
先生から仮説を教えて頂いたのですが
おそらく色素顆粒の量が増えたり
色素胞自体が増えて
日焼けになるのではないか
と教えていただきましたニコニコ

何となく仕組みが伝わったでしょうか?おねがい

今回の記事も含め静岡大学竹内教授に大変お世話になりました。この場を借りて御礼申し上げます。

以上
メダカの色素胞
でした口笛

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ではまた口笛

参考文献/参考URL
参考①
http://www.sci.shizuoka.ac.jp/~bio/NEW_BioHP/animal/15.html
(永田健・竹内浩昭@静岡大学理学部)

参考②
(竹内浩昭,メダカ鱗における色素胞の神経制御,静岡大学理学部
 生物科学総合実験テキスト, 2017)
(藤井良三,UPBIOLOGY10:色素細胞,東京大学出版会,東京, 1976)