昨日は犬コロナウイルス感染症の話を
したので、
今日は猫コロナウイルス感染症に
ついての話をするね。
猫コロナウイルス感染症は
犬とはちょっと違うんだよね。
猫のコロナウイルスは
犬と同じように腸炎を起こすんだけど
一般的には軽い胃腸症状を
起こすぐらいなんだ。
数日下痢になる子もいるけど
だいたい対症療法でよくなっちゃう。
感染しても症状がない子もいるんだ。
猫コロナウイルスが感染すると
腸に感染して血液に入って
血液中の単球って言う白血球の1種に
感染するとウイルス血症になって
全身に広がっていく
そこで猫コロナウイルスが遺伝子変異を
起こして猫伝染性腹膜炎ウイルスに
かわっちゃうことがあるのさ。
これが厄介。
若い猫で発症すると
ほとんど死んじゃう。
まず、助からない。
治療方法も今のところはなくて
対症療法しかないんだ。
猫伝染性腹膜炎は、全身の血管で
血管炎を起こして
血管炎を起こすことで
血液の成分が血管から漏れて
胸やお腹、心臓の周り、腎臓の周り
に溜まっちゃう滲出型、ウェットタイプと
目や脳、腎臓、肝臓などに肉芽腫と言って
肉の塊のようなものを作るちゃう
非滲出型、ドライタイプがあって
両方起っちゃうタイプこともあるんだ。
最近、明らかな滲出型、ウェットタイプは
あんまり見なくなって
非滲出型、ドライタイプの子が多くなってる。
で最初のうちは診断がクソムズイ
特にドライタイプは難しい
明らか症状が出ると診断も
しやすいんだけど
明らかな症状がない子が
最近多くて診断に苦労するんだ。
1歳以下とか、1歳ぐらいの子は
いろんな病気が起こる歳じゃないから
疑っていくけど
4歳、5歳になってくると
他の病気と最初は症状が似てるし
ウェットタイプは診断しやすいけど
最近多いドライタイプだと
診断するのが難しい。
共通して言える症状が
食欲不振
発熱
痩せてくる
この3つ
これって他の病気でも
同じように診られるから
わかりにくい
遺伝子検査ができるようになって
コロナウイルスが感染してるのか
コロナウイルス感染してるなら
猫伝染性腹膜炎ウイルスなのか
猫コロナウイルスなのか
分類ができないのか
検出限界以下なのか
わかるようになってきた。
これを使って診断したりするけど
未だ100%確定診断できるわけじゃない。
1番大事なのはその子の症状と身体検査で
猫の種類は？
年齢は？
元気はあるか？
食欲はあるか？
熱は出てないか？
体重が減ってないか？
があるかないかみる
その他
胸水が溜まってないか？
腹水が溜まってないか？
ぶどう膜炎はないか？
神経症状はないか？
腎臓や肝臓の形は？
お腹のリンパ節が腫れてないか？
をチェックする
これらを丁寧に1つずつチェックして
いくことが大事になるね。
検査に頼ってると誤診したり
病気を見逃したりするから
検査も大事だけど
検査に頼り過ぎないようにして
身体検査と状況をしっかり確認
しないとね。
猫コロナウイルス感染症は
犬とはちょっと違って遺伝子変異を
起こして、
猫伝染性腹膜炎ウイルスになっちゃうと
直せないし、亡くなっちゃうこともあるから
厄介な感染症なんだ。
今日もありがとう
人間より動物好き獣医
シワ神シワ男
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