先日、犬アトピー性皮膚炎の新しい
治療薬として注射が出るという
ことでセミナーに行ってきた。
今回の新しい注射は今までの
治療薬とは全然違うものだったよ。
普通、薬というと化学物質で
体に入れた化学物質を肝臓や腎臓を
使って代謝しなくちゃいけない
んだけど、
今回の注射薬は違って全く
新しい治療薬だったんだ。
モノクローナル抗体を使った治療薬
で、薬物を使うんじゃなくて
タンパク質を使うんだ。
モノクローナル抗体を使った治療薬
は人だとリュウマチや腫瘍の治療薬
として使われてるものなんだ。
人ではアトピー性皮膚炎の治療薬
としてはまだ認可が下りてなくて
これからの薬で
人よりも先に犬で認可が下りて
いるんだ。
人よりも犬の方が最先端な治療法
ができるということなんだよね。
治療としては体の中にサイトカイン
って言う情報を伝達する物質が
あるんだけど
その情報を伝達する物質の中で
IL-31っていう痒みの情報を
伝達するサイトカインがあるんだ。
そのIL-31っていうサイトカイン
だけ食べちゃう抗体って言うのを
体の中に注射で入れるのさ。
そうすると体の中に入った抗体は
IL-31っていうサイトカインだけ
食べてIL-31を取り除くんだ。
IL-31が食べられて取り除かれると
痒みの伝達物質がなくなるから
痒みが出なくなるんだ。
逆に言うとIL-31だけを取り除くので
IL-31が関わってる痒みしか効かない
痒みはIL-31だけじゃないから
他のサイトカインによって痒みが
出てる場合は効果がないんだよね。
IL-31だけを食べる抗体って言うのを
作るために遺伝子組み換えするんだ
けど
これって結構すごいことなんだよね。
モノクローナル抗体を使った治療薬
は遺伝子組み換えして作られた
もので、
犬の体の中にあるものと同じもので
副作用がないのが特徴なんだ。
薬のような化学物質じゃなく
犬の体の中にあるタンパク質と
同じものだから
副作用もなくて安全なものなんだ。
犬の治療薬もここまで来たかって
感じだね。
ものすごいことなんだけどね。
このすごさは伝えにくい。
人でオプシーボっていう癌の治療で
使われてるモノクローナル抗体を
使った治療薬があるんだけど、
それは年間1,450万ぐらいかかると
言われてるものなんだ。
そのぐらいモノクローナル抗体を
使った治療薬ってスゲー治療薬
なんだよね。
ちょっとはすごさが伝わったかな?
動物ではまだモノクローナル抗体を
使った癌の治療薬はなくて
今回発売されるのは皮膚の痒みを
抑える治療薬だから
そんなには高くないだろうね。
これから動物も抗体を使った
治療薬が出てくるようになって
行くんだと思う。
いいことなんだけど
飼主さんの負担する金額は
どんどん高くなる。
今回発売されるサイトポイントっていう
注射薬は今年中に発売になるかどうか
っていうところ。
そのぐらいまで価格がわからない
んだけど、
安い薬じゃないことは確かなんだよね。
医療が進歩していって動物にも
優しい治療ができるようになるけど
新薬は高くて、
飼主さんは動物たちの安全を
お金で買う時代が来るね。
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