こんにちは。
人間より動物好きの獣医
シワ神シワ男です。
小型犬で高齢になると僧帽弁閉鎖
不全症っていう病気になりやすい
っていう話をしてるよ。
僧帽弁が悪くなると全身に送り出す
血液が下の部屋から上の部屋に
逆流しちゃうことで
全身に流れていく血液が減っちゃう
話を昨日したけど、
今日は上の部屋に逆流した血液は
どこに行くのかという話をするね。
心臓が血液を全身に送り出すときに
左側の下の部屋から送り出して
いるんだけど、
僧帽弁は上の部屋と下の部屋を
分けてる蓋みたいなものだね。
蓋の閉まりが悪くなって下の部屋
から上の部屋に血液が
もどっちゃうんだ
戻った血液がどんどん増えていくと
上の部屋は肺で綺麗にした血液を
溜めている部屋で
そこに血液が戻っていくんだけど
その時、戻る勢いが強い
下の部屋は全身に血液を送ってる
のでかなり強い圧力で送り出して
いるから
僧帽弁が悪くなって下の部屋から
上の部屋に漏れる圧力も強い
更に最初は小さい漏れなので、
その小さい漏れから勢いよく
血液が戻るので
上の部屋の壁に勢いよく
血液が戻るんだ
そうなると上の部屋の圧力が
一気に上がって上の部屋が大きく
なっちゃう。
上の部屋を左房っていうんだけど
左房が大きくなるのが
僧房弁閉鎖不全症の特徴的な変化に
なるんだ。
それがどんどん増えていくと
上の部屋と肺が繋がっているから
今度は肺に漏れた血液が
溜まるようになっていくんだ。
肺はスポンジみたいになってる
から多少血液が溜まってもあまり
変化しないんだけど
肺も限度があって限度を超えると
肺胞といって空気が入る袋に
血液の成分が血管から漏れて
溜まるようになることで、
肺水腫という状態になるんだ。
肺水腫になると空気が入って
来なくなっちゃうので、苦しく
なって、
呼吸が荒くなったり
呼吸が早くなったり
肺に溜まった血液成分を出そうと
することで咳が出るようになったり
するんだ。
そうなるとかなり危険な状態で
水の中で溺れているのと同じ
状態なので、
苦しいし、放って置くと
死んじゃうこともある
ペットが僧帽弁閉鎖不全症に
なったら、寝てる時の呼吸の
回数を数えるようにしてね。
肺水腫になってるかどうか
飼主さんが気づくことができるのが
安静時の呼吸回数になるよ。
通常の呼吸は寝てる時は1分間に
20～30回ぐらい。
これが肺水腫になると40回を
超えるんだ。
寝てる時に数えた呼吸が40回を
超えていたら肺水腫になったと
思ってすぐに病院に行ってね。
もう今日はこれだけ覚えて
もらえりゃ～いい。
他のことはどうでもええわ。
今日のまとめ
・僧帽弁が悪くなったら左房が
大きくなる
・僧帽弁が悪くなったら肺に
血液が溜まって肺水腫になる
・肺水腫になったら寝てる時の
呼吸の数が1分間に40回を超える
でした。
何回も言うけど、
最後の肺水腫になったら寝てる
時の呼吸数が1分間に40回を
超える
これだけ覚えてね。
◆下記の記事も参考にしてください
小型犬で高齢になると普通に診られる心臓の病気の僧帽弁閉鎖不全症小型犬で「心臓から雑音が聞こえます」と言われた時はどういう時なのか心臓が悪くなると咳が出やすくなるこの時期影響を受けるのは循環器の病気ってどんな症状
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