猫ちゃんの乳腺腫瘍2 | 人間より動物好き 獣医師シワ男

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埼玉県新座市のふじわら動物病院、院長藤原です。
ペットが幸せになるためには、飼主さんが幸せになる必要があると思っていて、
まずは飼主さんが幸せになることでペットも幸せになるような診療を心がけています。
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猫ちゃんの乳腺腫瘍の予後が変わってくる

ものとして、腫瘍の大きさ、リンパ節の浸潤

組織学的な悪性度の度合い、手術の完璧性

によって変わってきます。

 


 

腫瘍の大きさは、2~3cmの場合は、

生存期間は24カ月というデーターです。

 


 

cmを超えると生存期間6カ月と極端

に短くなります。

 


 

またリンパ節の浸潤していない場合は、

12カ月の生存率は43%ですが、

リンパ節の浸潤がある場合は、12カ月の

生存率は6%と少なくなります。

 


 

また、最近の研究では潰瘍が存在する

場合は、腫瘍のリンパ管浸潤は80%以上

さらに局所のリンパ節への浸潤は75%と

報告されています。

 


 

腫瘍の治療の第1選択は、外科的に

摘出することになります。

 

浸潤性が強いので積極的に大きく

摘出することが大事です。

 


 

片側乳腺全摘出術または、両側乳腺

全摘出術をおこない乳腺を全部とる

ということが必要になります。

 


 

それでも乳腺を全て摘出しても

猫ちゃんの乳癌は転移の可能性が

ある為、手術後に抗がん治療を

おこなうことも選択肢になります。

 


 

ただし、副作用が強く効果も

どれだけ期待できるか難しい

現状があります。

 


 

猫ちゃんの乳腺腫瘍は非常に厄介な

癌であることが多いです。

 


 

なるべく小さく早期の段階で

乳腺を摘出する手術をおこない

完全なる根治を狙います。

 


 

しかし、3cm以上になってから

来院されることも多くすでに

転移していることも多々あります。

 


 

もし、そうであってもできる限りの

治療をおこない、癌を増やさない

ようにする緩和治療の余地は

十分に残されていますので、

猫ちゃんの毎日の生活を最後まで

苦しまないような緩和治療を

おこない生活の質を落とさない

ようにしてあげることが

大切だと思います。

 


 

緩和治療の話を次回にしたいと

思います。

 


動物にやさしい自然療法が好きなベジタリアン院長のふじわら動物病院ブログ