お手軽シネカメラC100 | スローライフでCMプロダクションinとっとり

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クロマキースタジオ、ロケ車、特殊効果編集、NA録音、完パケ製作。
趣味が仕事なのか、趣味を仕事にしているのか曖昧。好きなことやって金儲け。
そんな仕事的コラムはかなりマニアックだったり…

 

C100導入して一年半ほどになる。

今のデジタル時代だとそろそろ新型?と考えてしまうくらい変化が早い。

XF305と二台体制でやっているが使用頻度はC100の方が多い。XF305はクロマキー撮影に使うくらいだ。

 

10年前ではC100のようなシネカメラを僕のような個人プロダクションで運用するなんて想像もしなかった。

放送局で使っているショルダーカメラでもとても・・・という感じだったので当時のシネカメラと言えばシステムにすれば軽く1000万円越え。

技術的にも実にハードルの高い世界だった。

 

それが100万円以下で揃えられてワンマンオペレーションでも使える。そして当時のシネカメラより高画質?・・・(;一_一)

もちろん使いこなせる腕があっての話だが試せるだけでもありがたいと思える。

そしてEFレンズが使えると言うのが大きい。F1.2なんてシネレンズではとんでもなく高いのだがEFレンズなら何とか手が届く。

 

C100の凄いところと言えば「ワイドDRガンマ」が大きい。

撮像素子の捉えるワイドダイナミックレンジのデータは一般的なビデオダイナミックレンジには収まりきれない。そのため圧縮して記録するのだが戻す際余裕があるのでカラーグレーディングなるものが流行ってきた。カラコレの延長線なのだが積極的な色作りが破綻なくできる。

そのためにRAWLOGが出来ているのだがCANONはお手軽なC100に圧縮したままでもそのまま作品に使える「ワイドDRガンマ」を作ってくれたのだ。

つまりRAWLOGでは見せられる映像に辿り着くまでひと手間もふた手間もかかる。これを省こうという考えだ。それでもワイドダイナミックレンジは犠牲にせず。

Canon Logではそのまま使うと眠すぎるのだ。こちらは戻すことを前提に作られている。

 

シネカメラにAF? 映画の現場ではカメラの横にフォーカスマンが付いておりフォローフォーカスを使ってピン送りをする。

シネカメラは撮像素子が大きく大口径レンズを使ったシャローフォーカスを多用する。そうなると被写界深度が極端に浅くなりAFでは追従できない場面が多い。

C100では後付けバージョンアップではあるが「デュアルピクセルCMOS AF」を設定。高速でAFでき迷いが少ないのはいいのだがAFエリアが中央部固定と言うことで使いどころが限られてしまう。万能ではないがこういったチャレンジには好感が持てる。

 

そして、今やデジタルカメラには常識となってしまった高感度。シネカメラは撮像素子が大きいためさらに有利。

AVCHD記録もカラーグレーディングにはもの足らないがお手軽シネカメラと言うポジションとしてはアリなのかと思う。長回ししてもデータが軽い。ただ選択として高画質モードも欲しかった。外部レコーダーは運用的にリスクが多いためお手軽C100には似合わないのだ。