海線と山線の合流点
ニセコ号は長万部に到着。
海線と山線の合流点です。
ここ長万部駅には有名な駅弁があります。
かなやの「かにめし」です。
昭和25年の誕生以来変わらぬ味を守り続けたお弁当。
スーパー北斗に車内販売があった時代は車内販売で購入できたようで、車販が無くなった今でも事前にかなやに連絡すると長万部駅停車中に受け取ることができるそうです。
そんなかなやのかにめし、ニセコ号では事前予約で特別料金で購入することができます。
もちろん頼んでおいたのでホームにで受け取ってきました。
かにめしのティッシュなるものもあるのだとか(笑)
受け取ったあとは長万部駅を見て回ります。
ここでもちろん北の大地の入場券を購入。今はなき日高線色のキハ40の姿が…
駅舎内には観光案内所も設置されています。
それではそろそろホームへ戻ります。
ホームに戻ってくると、ちょうどキハ281系の特急北斗9号がやってきていました。
キハ281系もキハ261系1000番台に置き換えられて数を減らしており、旅行から1年後の2022年9月30日をもって定期運用から離脱となります。
私のイメージする北海道の特急がまたひとつ消えるのですね…
長万部のご当地キャラ、「まんべくん」も来ていました。
噴火湾を見ながらかにめし
11:37、列車は長万部を発車。ここからは「北斗」と同じルートを走っていくことになります。
まもなく視界が開け、海沿いを走るようになりました。
噴火湾です。
5月に地球岬から眺めて以来4ヶ月ぶりの再会です。
ここで先ほど受け取ったかにめしを…♪
かにのほぐし身がたっぷり詰まったお弁当!
水分がなくなるまでじっくり炒りあげたかにはふわっふわで美味しいですね~
「かに足」をイメージしているというしいたけが味に変化をつけてくれるので飽きが来ないのもいいですね。
ノースレインボーの大きな窓から噴火湾を見ながらのかにめし。これぞ北海道の鉄旅って感じでとっても楽しいです。
前方には特徴的な形の北海道駒ヶ岳の姿が。
これから近づいていくことになります。
列車は森に停車。
森といえば「いかめし」の駅。物産展でもおなじみのラインナップにあがるいかめしはここが本場です。
ここから函館本線は二手に分かれます。
一つはこのニセコ号が向かう本線、そしてもう一つが通称「砂原支線」です。
本線には急勾配が存在するため、その勾配回避の迂回路として設けられた支線。
駒ヶ岳と大沼小沼
その砂原支線が分かれていきます。
やがて、車窓には先ほど遠くに見えた北海道駒ヶ岳が大きく見えるようになりました。
北海道駒ヶ岳は標高1131mの活火山。馬蹄形カルデラを持つのが特徴です。
見る方向によって荒々しかったり、優美さを見せたりと、様々な姿を見せる山です。
道南の輸送路を考える歳、よく俎上に載せられるのが有珠山ですが、この駒ケ岳も過去に大規模な噴火を起こしており、しかもこちらの方は代替路なんてないので影響はより深刻となると思われます。
(が、言及されることは少ないんですよね、なぜか)
列車は赤井川に運転停車。
ここで上り北斗11号と行き違い。
赤井川を出るとすぐ、大きな湖が見えてきました。
大沼です。
大沼は北海道駒ヶ岳の噴火によって出来た堰止湖。面積は5.31平方km、北海道の堰止湖では最大の大きさです。
お隣の小沼と合わせて大沼国定公園に指定されており、観光客で賑わっています。
特急停車駅の大沼公園のお隣、大沼で運転停車。
森で分かれた砂原支線との合流点、そしてまた別の支線、「藤城支線」との分岐駅でもあります。
あとから来た北斗8号がやってきて、
追い抜いていきました。
大沼を出ると、今度は小沼が線路のすぐそばまで迫ってきました。
小沼越しに眺める北海道駒ヶ岳の景色は最高…と言いたいところですが、いつの間にか雲が山体にかかっちゃってますね…残念。
噴火湾、北海道駒ヶ岳、大沼小沼と道南の車窓ハイライトともいえるこの区間。しかしながら北海道新幹線開業後は、少なくとも旅客営業は廃止されることとなっており、この美しい風景を列車から眺めることは難しくなりそうです。
こんなにいい風景なのにもったいない…
列車はお隣、仁山でも運転停車。
ここまで来ると函館まではあと一息。
遠くに函館の市街地を臨むことができます。
仁山の隣、新函館北斗に停車。
北海道新幹線との乗換駅です。
6分停車なので降りてみました。
新函館北斗駅にはいわゆる「LED職人」がいるらしく、電光掲示板にはニセコ号のヘッドマークが…!
(2019年までのキハ183系一般車で運行されていた当時使われていたもの)
新幹線ホームには東京行きのE5系はやぶさの姿が。
ここから東京まで直通できるなんてすごいですよね~
終点・函館へ
新函館北斗を出ると、車窓右側に函館新幹線総合車両所が見えます。
残念ながら新幹線車両はいませんでした…
少し先で、左側から高架の線路が近づいてきました。
ちょうどDF200牽引の貨物列車が通過しているのが見えます。
これが先ほど大沼駅で分かれた「藤城支線」。
こちらも勾配回避のための支線で、七飯→大沼間の下り専用として使われています。
この藤城支線の面白いところは新函館北斗駅を通らないこと。
下り貨物列車だけでなく、下り普通列車のうち1日3本がこの支線を経由し、「新幹線停車駅を回避する普通列車」という特異的な列車となっています。
藤城支線が目の前に。
すごい迫力…
やがてJR貨物の五稜郭機関区が見えてくると五稜郭に到着です。
五稜郭は道南いさりび鉄道線との乗換駅。
有名な五稜郭公園とはかなり離れているため、たびたび注意喚起がなされることで知られています。
(函館駅から市電で「五稜郭公園」電停に行くほうが近い)
五稜郭を発車し、次は終点の函館。
アルプスの牧場が流れ、終着駅放送が流れ始めました。
13:40、列車は終点の函館に到着しました。
ここまで私たちを乗せてきてくれた列車を撮影。
函館駅は函館本線の起点駅。0キロポストと一緒に…!
反対ホームに回って。
こう見ると、「ノースレインボー」の名前の通り、本当にカラフルな車両ですよね。
せっかくなので1両ずつ記録しておきます。
1号車キハ183-5201。
2号車キハ182-5201。
3号車キサハ183-5201。この車両だけ2階建て車両です。
4号車キハ182-5251。
5号車キハ183-5202。
列車はすぐに折り返し札幌行き特急ニセコ号となります。
また6時間近くかけて札幌へ帰っていく列車を見送りました。
廃止予定の山線を行くニセコ号の旅。
羊蹄山・噴火湾・駒ケ岳など沿線の景色を眺めたり、各停車駅や車内での地元の美味しいものの販売があったりと約6時間の長旅があっという間に感じました。
ノースレインボーエクスプレスは引退しますが、ニセコ号の運行自体は山線廃止のときまで続くことを期待しています。
函館に降り立つのは初めて。
今日はここでお泊まりなので、函館観光を楽しみたいと思います。
続きは次回。