前回書いた通り、レッスンは7回。
すべてのレッスンが朝6時から始まり、最初2時間をブリーフィング、シミュレーターは4時間そしてデブリーフィングが1時間というスケジュールで組まれていた。アメリカに来てからの時差ぼけ調整から始まりグランドスクールも毎日朝8時からだったこともあり、早朝型のスケジュールへ体を慣らすのはそれほど難しいものではなかった。とは言っても毎日早朝なのはやはりしんどいものだったので、午後に早めにホテルに戻ってからは1時間ほど昼寝をしていた。
レッスン1は初めての実際のコックピットへの慣れと前回書いたプロシージャーを行ってみるということがメインになっていた。ところが、というかやはりというか、50分で終わらせなくてはならないところが我々は2時間かかってしまった。離陸まで行くことなくシミュレーター枠の半分を使ってしまったというわけだ。
レッスン1では実際の操縦フィーリングに慣れさせるために他にsteep turn、stall、unusual attitudeからのrecoveryや、通常状態でのILS approachを行った。
レッスン2から5までは離陸時のengine failureやengine fire、smokeの対処の仕方、one engine故障のままでの進入、進入復行さらに冬季運航など難しいマニューバーの練習を行う。また実機ではまずお目にかかることのないようなすべてのgenerator(発電機)が故障した状態での進入・着陸や、dual hydraulic failure(全系統の油圧故障)、高高度からの緊急降下(自動・手動とも)なども行った。
レッスン6と7はreviewとLOFTだ。LOFTとはLine Oriented Flight Trainingの頭文字を取ったもので、ディスパッチの段階からフライトに入って終了するまで実際に行うようなことを模して行い、その過程で実際に起こりそうな問題(飛行機のトラブル、天候のトラブル、乗客のトラブルなど)を体験し、どのように問題を解決するかをCRM(Crew Resource Management)を駆使しながらフライトを完了させるという訓練だ。
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7回のレッスンの内容をさらーっと書いたのであるが、実際はこのようにスムーズに流れたわけではない。
シミュレーター訓練中にいくつもの困難な状況があったのだ。そのことについては次回語ることにしよう。
つづく
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