晴れぬ夏、不動産業界は・・・
8月に入ったと言うのに今年は真夏日が少ない。
どうやら、エルニーニョ現象の影響で梅雨前線が居座っているようだ。
日照不足、長雨続きの気候で農作物の不作も伝えられている。
今の不動産市況も全くよくこの気候に似ているように思える。
曇り空・雨が多く、晴れたと思っても長続きしない。
スカッとした真夏日が少なく、湿度が高くはっきりしない天候で日照不足の状況だ。
去る7月22日付け日本経済新聞(夕刊)には「不動産取引、じわり回復」との記事もあったが
リーマンショックで一気に暴落した不動産取引がほんの一部、少しだけ回復した程度だと感じられる。
≪晴間≫:一戸建て建売住宅
首都圏近郊の中でも特に都内のミニ開発現場の建売住宅はよく売れているようだ。
大幅に値下げした一戸建て住宅の完成在庫はほとんどなくなったようだ。
今は次の事業計画用地の争奪戦が始まった段階と言える。
2~3棟現場から20棟現場位の事業用土地は物件が少ないからであろう。
1年前は、マンション事業用地だった中高層系住居地域の事業用地を
今、購入できるのは建売業者である。
暴落した不動産市場で、建売住宅はマンション価格に比べて割安感もある。
事業主にとっても、用地仕入れから建設・販売・引き渡し・代金回収の期間がマンション事業より
短期間でもあり、金融機関の融資も完成在庫の多いマンション事業より付きやすいようだ。
≪曇り≫: ごく、一部のマンションデベロッパーと
アウトレット系再販事業
昨秋から続いているマンションデベロッパーの倒産も小康状態のようであるが、
2009年度下期にかけて 予断はできない状況だろう。
その中でも販売力・資金力のある会社は薄利多売で売上数字の確保に懸命であるようだ。
高値で購入した自社の事業用地を塩漬けにして、
民事再生・会社更生中の他社物件の完成在庫を半値・八掛けで仕入れ、
廉価で再販するアウトレット商法はよく売れてはいるが本来の分譲事業に
比べての利益率ははるかに低いようである。
ただ、こういった半値・八掛けで仕入れられる完成在庫が数あるわけでもなく、
そう 長くは続かないだろう。
≪やまぬ雨≫:民事再生・会社更生中のマンションデベロッパー
リーマンショック以降の民事再生・会社更生中のマンションデベロッパーは相当、苦戦を強いられているようだ。
安定収入源の系列管理会社をすでに売却してしまったマンションデベロッパーにとって
売る物は高値で仕入れた事業用地しか残っていないからであろう。
その事業用地・建設途中物件を欲しくてスポンサーがついたとしても
売却してしまえば終わりということだろう。
バブル期以降、増大したマンションデベロッパーは
淘汰され、 半数以下になるやも知れぬ不動産市況である。
この不況の原因は、アメリカ発のリーマンショックのせい!?
この異常気象の原因は、エルニーニョ現象のせい!?
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