利回り計算だけでは 成功しない 不動産投資.com ・・・(4)
(4)賃貸不動産市況と、利回り計算の分析
「陽春の候」という季語にふさわしい温かい日々が続いた一週間である。
桜の開花も あと数日であろう。
春になって 温かかくなると、心身ともにほがらかになってくるものだ。
しかし、今週3月17日(火)の日経新聞(朝刊)に 寒気を覚える記事があった。
J-REIT 3割が含み損
08年7~12月 市況悪化、相場の重し
不動産市況の悪化の影響で J-REITが保有する不動産価値が目減りしている。
2008年度 下期で12銘柄が簿価を下回る含み損を抱えているらしい。
※実は、数年前から「うわさ していた事が現実になった!」
昨年10月のニューシティ投資法人の民事再生法申請に続いて、3月10日に、日本レジデンシャル投資法人・日本コマーシャル投資法人を運営するパシフィックホールディングスが会社更生法の適用を申請。負債総額1,940億円!
つまり 景気悪化で、空室が多く当初の目論見どうり資産運用できていないということだ。
特にレジデンシャル系の運用レートの評価が低く、相場が下落しているのである。
レジものは、03~06年頃に多く建設され、一昨年からは供給過多で、
空室が過半数のREIT物件も相当数見受けられる。
外資の撤退により、REITやファンドに出口をあてこんだ国内のデベロッパーの破たん、
ゼネコンの破たんが その後、始まった結果となった。
それに加えて、100年に一度といわれる世界不況で
日本の不動産市況も惨憺たるものである。
現状から更に築年数による劣化、運用資産の下落により、
2009年度のREIT市況は、更に下落するであろうと推測できる。
REIT市況の悪化の影響をまともに受けるのが、
個人オーナーの運用する賃貸不動産市況である。
マンション・アパートの空室が多くなるのは当然だと言えるだろう。
稼働率をあげるには、立地条件の良さや、付加価値を高めるバリューアップ等‥
考えられるが一番手っ取り早いのが、
賃貸条件の譲歩 つまり、値下げである。
フリーレント(一か月の賃料0円)や、客付け業者への広告宣伝費を支払うと
いうスタイルである。
・賃料10万円の部屋を 1年間空室にすると、マイナス120万円
・賃料を8万円に値下げして 一か月フリーレントしても、プラス88万円
つまり、32万円/年が不況下における賃貸不動産市況の下落ということになる。
それでも 空室を多く抱えているよりは値下げして、
稼働率を高めた方が良いことは誰にでも分かる。
そこで、前回からの続編、
当社保有目的での大森の一棟売りマンションの賃料分析をしてみる。
地元業者から、マーケティングリサーチした前篇の賃貸料相場を考慮に入れ、
当社の調査データを加味して、当社購入後の募集賃料を想定して見なおすと、
◆201号室 1LDK 39.32㎡ 145,000円 115,000円
◆302号室 1K 20.65㎡ 89,000円 75,000円
現在の空室を早く稼働させること、
現在の入居者が転出したら現行賃料より下落するのは当然である。
現入居者の賃貸借残存期間は、5戸が来年1月~4月、2戸が来年9月~10月である。
現行賃料で更新してくれるとは限らないし、
これから1年の期間に、2戸の募集・5戸の更新があるのはちょっと、
リスクが高いかな!?
上記仮定賃料で試算すると、
◆1LDKタイプ 115,000円 × 3戸 × 12か月 =4,140,000円
◆ 1K タイプ 75,000円 × 6戸 × 12か月 =5,400,000円
(仮)賃料値下げ後の想定年収=9,540,000円 となる。
不動産市況の悪化・空室率・運営費・借入金返済・キャシュフロー・等々を計算しても、、、 売買価格一億円なら、高利回り物件だなぁ、
ウーン、これは買いかな!?
価格交渉してみようかな・・・!?
ちょっと、待てよ!!
まだ、未調査の部分もあるし、前面道路のセット・バックも気になるし、、、。
だって、 利回り計算だけでは 成功しない 不動産投資.com でしょ!?
次回予告
(5)効率性・安全性からの検証
乞う、ご期待!
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