最新福祉脳!?夢想転生 -951ページ目

和田行男という男 まだ見ぬ介護者へ

和田行男というかっちょええおっさんがいる。
一緒に色々な活動をさせてもらって、
色々なパワーや情熱をもらえている。

超ウルトラパフォーマー。

分かりやすい言葉と情熱で我々にさまざまなものを与えてくれる。

そんな彼の詩だ。



題名まだ見ぬ介護者へ

私はすべてを失ったわけではありません
どんなことでも まず問いかけてみてください
何でも まず私の意思を確認してください
食べる 食べない 行く 行かない 暑い 暑くない?
どうしたのって きいてみてください
訳のわからないことを言うかもしれませんが 私は病気です
痴呆状態にあるのです 進行性の難病といってもいいでしょう
察してください ようく見てください

 私はすべてを失ったわけではありません
まだまだ若いものに負けないこともたくさんあります あると思います
でも 若い頃と同じようにはできないでしょう
あせらないで じっと見ていてください
見ていて 少しだけ手を貸してください
人間の機能や能力は使わないと使えなくなると 若い頃に聞きました
生きるためにたたかう力はまだまだ・・・・

 私はすべてを失ったわけではありません
外だって自由に出たがるでしょう 雲や星が好きです
外に自由に出られるようにしていてくれさえすれば 自分で出かけます
でもきっと目的地には着けないでしょう 戻れなくなるでしょう
そっとついてきてくれると嬉しいです
とまどったり 不安げになったら そっと傍に来て
どうしたのって声をかけてください
きっとあなたのことが天使様に見えるでしょう

 私のことを笑ってくれていいですよ
きっとおかしなことを言ったり おかしな格好をすることでしょう
でもお願いです 陰で笑ったり 自分一人だけで 仲間同士だけで笑わないで
私にも笑っている訳を教えてください
きっと私も笑いの仲間に入り いっしょにおかしむでしょう
だって おかしいことはおかしいと 私にもわかるから

 私はすべてを失ったわけではありません
私を痴呆老人なんて呼ばないでください
私の名前は和田サンです
私のことをわがままなんて言わないでください
私はあなたと同じ人間です
ただ 痴呆という難しい状態になっただけです
私の努力では 止められないんです

和田行男著『大逆転の痴呆ケア』(中央法規出版)より
http://www.toshiba.co.jp/care/hanashi/wada/index_j.htm

僕は地域の皆さんに、利用者を抱えた家族に、
彼の了承をとって唄う。


お福の会というのがある。
新宿にお福という飲み屋があってそこでの集まりが
人権宣言をした。


お福の会宣言

僕が認知症になったら、
僕が思うままにさせて欲しい。
社会に適合していたい。
仲間には仲間でいて欲しい。

人は人として生まれ人として死ぬ
そしてその過程で誰もが
認知症という病に遭遇する可能性をもっている

かつて認知症になると
「人格が崩壊する」「こころが失われる」と恐れられた時代があった
だが、今や私たちは知っている
認知症になっても自分は自分であり続けることを
月が欠けているように見えても
月が丸いことに変わりはないのと同じである
自分が、認知症になっても
家族の一員、社会の一員として、友人として
権利と義務とを有する国民の一人として生活を続け
人生を全うしたい
同じように
家族や友人が認知症になっても
ともに人生の旅路を歩き続けたい
「お福の会」は
そういう思いをもつ市民が
本人や家族
医療、介護、行政、その他の立場を超えて集う場である
認知症になっても
生活の主体者として人生を全うできるように
私たちは力を尽くしたい

2008年10月14日採択
お福の会呼びかけ人
小阪憲司(日本老年精神医学会前理事長)
?見国生(認知症の人と家族の会代表理事)
町永俊雄(NHK「福祉ネットワーク」キャスター)
和田行男(東京都地域密着型サービス事業者連絡協議会代表)
木之下徹(BPSDチームケア研究会代表)



人は1人で生きていけない。
なぜなら、どうしても、
自分の意思に反して衰退する機能があるから。
最近妙に人恋しくなった。
最近妙に体が動かない。
最近もてなくなった。
一度獲得した能力を失うのは爺さん婆さんだけじゃない。
再獲得できる事もあるけど、歳に勝てない事もあることを
僕らは知っておくべきだ。

人間として素敵な人でいるために、
人として守らなければならないものが世の中にはある。
僕は丁寧な人間でありたい。

という事に気付かされる。