龍神シリーズVol 60【昇龍と降龍】 その3 龍に守られるベトナム
龍神シリーズVol60【昇龍と降龍】 その3 龍に守られるベトナム(1)昇龍(タンロン遺跡) ベトナムの首都ハノイの旧称はタンロンと言います。ベトナム語で「タン」は昇ること「ロン」は龍を意味します。つまり「昇龍」と言われる場所なのです。ハノイにあるタンロン遺跡は、2002年に発見され2010年に世界遺産登録されました。ハノイ観光人気No1の遺跡です。 このタンロン遺跡の命名には、龍に関わる伝承が付いていて、ベトナムで最初の本格的な王朝(11〜19世紀)を築いた李太祖(リー・タイトー)が1010年に都をハノイに遷都した際に、一匹の黄金の龍が出現したことから、都を「タンロン(昇龍)」と名づけたそうです。(2)降龍(ハロン湾)ユネスコの世界遺産に登録された、ハロン湾も龍にちなんだ名前です。「ハ」は降り立つこと、「ロン」は龍で「龍の降り立つ」港という意味です。ハロン湾は、ベトナムの北東部に位置し、ベトナム屈指のエメラルドグリーンの海水と大小3,000の奇岩と島が存在し、ベトナムの景勝地です。 伝承によるとここにすむ村に外敵が攻めて来ると、必ず天から龍の親子が舞い降りてきて、尾を振り下ろし、敵を蹴散らしました。その尾が山を砕き深い谷ができました。その際、龍の親子は口から無数の宝石を吹き出し、それらが湾内の奇岩となり、現在のハロン湾が出来たと言われています。(3)ベトナム人の生活における 龍の存在について〇龍の血を引きつぐベトナムの王 ベトナム史上初の国家と言われ る文郎国(ぶんろうこく)は、 紀元前2879年に建国されたので、 「ベトナム5千年の歴史」と よく言われています。 伝説によると中国長江の南から ベトナム北部にかけての広大な 地域に住んでいた百越(越族の 総称)を最初に治めたのは、 古代中国の王「炎帝神農」の 末裔である「涇陽王」と、揚子 江流域の洞庭湖の水府(龍神が 住んでいる水中の都)の龍王の 娘の間に生まれた子孫である ことから、龍族の血を継ぐ者 であるといわれています。 二人の息子「貉龍(ラクロン) 君」は龍族の血を継ぐ王となり ました。 貉龍君は後に100人の子(伝説 では百個の卵)をなし、その中 の長男である支艮が初代雄王の 名を受けました。 雄王陵 初代雄王は、現在のベトナムで 建国者としての扱いを受けてい て、旧暦3月30日は雄王の 命日で祝日となっています。 雄王陵は、ベトチ市にあり 「ベトナム史略」によると、 文郎国を治めた雄王は涇陽王を 初代と数え、計20人の雄王が いたとされています。 こうしたこともあり、龍は ベトナムの文化や信仰の中で、特別な位置付けにされていて、 民族の繁栄と力のシンボルです。 皇帝の権威も象徴し、宮殿の王 のベッドはロン・サン(龍床) 王の衣服はロン・パオ、王の 乗り物はロン・サ(龍車)と 言われます。 ベトナムの十二支にも龍がいて 幸運・名誉・権力の象徴と言わ れています。〇ベトナムは龍の形 龍が空を飛んだ後ベトナムの 地に舞い降り、そのまま現在の S字型の龍の形にしたと言われ ています。 龍の頭は北部に、尾は最南端に あります。 南部のメコン川デルタ流域は、 9匹の龍を象徴すると言われて います。 その他、伝統的な祭りでも龍の踊りや龍の形の船のボートレースなどにも龍が登場しますし、有名なダナンのロン橋(ドラゴンブリッジ)をはじめ美術、彫刻、絵画、お寺、宮殿などでもよく姿を見ることができます。