龍神シリーズ Vol 59 【摩那斯】

☆摩那斯(まなし)からのメッセージ

 強い決意と覚悟があれば、必ず
うまくいきます。ただし、自己中心
的な考え方は捨て去りましょう。
視野を広く持ち、周囲と協調し忍耐と
献身的な行動が成功に導きます。
守るべきものは身を挺しても守ると
いう気持ちが必要です。


☆ 摩那斯について

 仏教に深い関係を持つ龍です。
天龍八部衆に所属する竜族の八大
龍王の一つで、仏法を守護する神と
されています。
摩那斯は、サンスクリット語のマナス
ヴィンを漢訳したもので、
強い心、強い意志、徳、大身、大力、
賢さ等に訳されています。
摩那斯の眼力は、偏りがなく、正しく
広い視野に物事を見させます。
雨を降らせる時は、風も雨も穏やか
に威徳を持って降らせると言われて
います。

かつて阿修羅が、海水を用い帝釈天
の住む喜見城(きけんじょう)を攻めた時、
その大身をもって城を守り、
海水を押し戻したと言われています。
柴又帝釈天にも「喜見城」ありますから
機会があれば、見に行ってください。




柴又帝釈天

☆帝釈天(たいしゃくてん)について

柴又の帝釈天でお馴染みです。
元々、ヒンズー教、バラモン教、
ゾロアスター教などでは武勇の神
でしたが、仏教の教えを聞いてか
らは、釈迦を助け「梵天(ぼんてん)」
とともに並び称される二大護法善神と
なりました。
仏教を守護し、その教えを人々を
始め命ある全ての生き物に伝え、
信仰心を芽生えさせたいと願って
いる神様です。
梵天と一対の像として表される
ことが多いです。

この帝釈天が住む喜見城は、
仏教や古代インドの世界観では、
世界の中心にそびえると言われる
須弥山(しゅみさん)という巨大な
山の頂上にあります。





☆法華経と摩那斯

法華経は、紀元前にインドで広まり、
その経典が中国に伝わり法華経と
して訳されました。
日本には聖徳太子の頃に遣隋使の
派遣等を通じて伝わりました。
法華経は大変重要な経典となり、
人々を救う重要な存在として、
今も宗派に関わらず読まれ続けて
います。

「法華経」序品(じょほん)には、
釈迦の法華経の説法の席に、摩那斯
を始め八大龍王が参列したことが
記されています。
お経にも八大龍王の名前が記されて
おり、日々読み上げられています。
難陀(なんだ)龍王
跋難陀(ばつなんだ)龍王
娑伽羅(しゃから)龍王
和修吉(わしゅきつ)龍王
徳叉迦(とくしゃか)龍王
阿那婆達多(あなばだった)龍王
摩那斯(まなし)龍王
優鉢羅(うはつら)龍王



また、八大龍王を祀っている神社
も、全国にありますから、お参り
してみたいものですね。