6月も中旬を過ぎようとし、
いよいよ東北地方も梅雨入りと 
なりました。
雨龍も本領発揮のシーズンです。
雨龍の読みは、うりゅう、あま
りゅう、あめりゅう、うりょう
など様々です。
雨龍は、螭龍(ちりょう)璃龍(り
りょう)とも呼ばれ、角がなく、
尾が細長く、全身青黄色で描か 
れたりしています。



⁡ ☆雨龍からのメッセージ
 恵みの雨は、あなたの周囲の
大地へ栄養や潤いを与えるととも
に、人々に幸せ・心の潤い・恵み・
知識・成長をもたらします。
あなたの嫌なこと、ストレスを
浄化し癒しを与えていきますよ。
もし、心が沈んでいたら雨の日を
楽しみましょう。傘や雨靴を新調
したり、家の水回りを掃除してみ
てはどうでしょうか。
そして、空を見上げ、雨龍に感謝
しましょう。
豪雨による河川の氾濫も発生しま
すが、私たちと自然・龍との共存
を意識し、自然への畏怖心を失っ
てはいけません。

☆雨龍について
○雨龍は、雨を司る龍で、神が
恵みを授けた証に雨を降らせる 
と言われてます。
昔の中国では、縁起が良いとし
て結婚式に雨乞いをしたとも
言われています。
日本でも、縁起がよく、成長を
期待する意味などから、日常の
生活の中でも、その姿を目にする
ことができます。
☆雨乞い
⚪︎日本では空海が京都の神泉苑で
行った雨乞い(824年)が有名で、
インドから善女龍王という龍を
呼び寄せ、3日に渡り国中に大雨
を降らせたそうです。
今も神泉苑に善女龍王はお祀り
されていますし、当時の雨乞いの
模様は「高野大師行状図画」に  
描かれ記録されています。



⚪︎神泉苑や高野山金剛峯寺など
真言宗系の寺院には、守り神と
して祀られています。そして
高野山では、祈雨の法を行う際
には、金堂に善女龍王の掛け軸を
掛けて祈願したと言われています。
⚪︎また「義経記ぎけいき」(1100
年代、源義経について書かれた
書物)によると、御白河法皇が 
神泉苑で雨乞いを命じ、白拍子
(踊り子)の静(しずか)に舞わせる
と、黒い龍が現れ雨が3日間降っ 
たそうです。
その頃から雨龍という名前が定着
したらしいです。その白拍子は、
のちに義経と結ばれ、静御前と
呼ばれるようになりました。
☆寺紋
 雨龍は寺紋としても使用されて
おり、京都の神泉苑、天龍寺、
南禅寺が代表的ですね。
天龍寺や幾つかの寺紋をご紹介し
ます。
⁡☆家紋
⚪︎家紋の図柄
⁡  鎌倉時代に龍は家紋として用い
られるようになりました。陶磁器
着物の意匠などにも使われていま
す。家紋としては「雨龍」「龍の
爪」「龍の鱗」「龍」などがあり
特に九州の多くの氏族で、家紋と
して龍紋が使用されました。
代表的なものが「雨龍」です。





また、龍の鱗のうち「三つ鱗
ミツウロコ」は、北条氏を始め
多くの武家の家紋にも使われて
いますね。北条氏が執権政治を
とっていた時代に建てられた
建長寺や円覚寺の瓦にもミツウ
ロコが記されていたようです。



☆その他、刀の鍔つば、着物や
帯の文様、根付けなど様々な
ところに、雨龍が用いられて
います。